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「保険に入っているのに5万円も払うんですか?」20等級のCさんが修理費15万円で直面した誤算

  • 2026.7.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

自動車保険の更新時、「少しでも保険料を抑えたい」と免責金額を設定する人は少なくありません。一方で、実際に事故が起きて初めて、「修理費の一部を自己負担することになるとは思わなかった」と驚くケースもあります。

免責金額は、保険料を抑えられる反面、事故時の負担額にも直結する大切な項目です。さらに、保険を使うかどうかは等級ダウンによる影響まで含めて判断しなければなりません。

「保険に入っているから大丈夫」と思っていたら5万円が自己負担に

ネット型保険に加入しているCさん(20代・女性)のケースです。

Cさんは、車両保険を付帯していましたが、保険料を少しでも抑えるため、免責金額5万円を設定して契約していました。契約時には免責金額について説明を読み、「自己負担がある」ということ自体は理解していたそうです。しかし、「実際に事故を起こしたとき、どのくらい負担することになるのか」までは、具体的にイメージできていませんでした。

ある日、駐車場でクルマを壁にぶつけてしまったとCさんから連絡があり、見積もりをすることになったのですが、修理費は約15万円。思ったより高額だったため、車両保険を利用することになりました。

その際、

「車両保険に免責金額が5万円あるため、その分は自己負担になります」

と説明すると、

「保険に入っているのに5万円も払うんですか?」

と驚かれていました。さらに、

「年間保険料は1万円も安くなっていなかったと思うんですが、それで修理代の3分の1を自分で負担するんですね…」

と話されていたのが印象に残っています。

保険を使うと本当に得? 等級ダウンも一緒に考えることが大切

今回、Cさんにはもう一つ確認してほしいことがありました。

それは、「車両保険を使うことで翌年以降の保険料が上がる可能性」です。車両保険を使うと、一般的には3等級ダウン事故となり、翌年から等級が下がるだけでなく、「事故有係数」が適用されるため、数年間は保険料が高くなることがあります。そのため、

「修理代15万円なら、自費で直した方が結果的に安くなる可能性もあります」

ということも、あわせてお伝えしました。するとCさんは、

「そうなんですね……。じゃあ保険を使わない方がいいですか?」

と悩まれていました。

後日、契約内容を確認できたCさんから連絡が。Cさんは親御さんから等級を引き継いでおり、20等級で加入されていました。さらに、翌年の更新では年齢条件を「21歳以上補償」から「26歳以上補償」へ変更できることに加え、運転免許証もブルーからゴールドへ変わる予定でした。

これらの条件変更によって保険料が下がる見込みだったため、本来の割引は減るものの、3等級ダウンで17等級になったとしても、現在の保険料からの上昇をある程度抑えられる可能性がありました。こうした点を考慮したCさんは、今回は保険を使うという選択をしたのです。

保険を使う、使わないに正解はありません。大切なのは、修理代だけを見るのではなく、翌年以降の保険料まで含めて判断することです。

免責金額は「損」ではない 自分に合った選び方を

今回のケースでは、Cさんは「免責金額による保険料の差を比較しなかったので、損をした気分でした」と話されていました。

確かに、免責金額を設定しても、契約内容によっては保険料の差額がそれほど大きくならないケースもあります。

一方で、事故が少ない人や、万が一の際に数万円程度なら自己負担できるという人にとっては、免責金額を設定して保険料を抑えるという考え方も十分合理的です。どちらが正しいというものではなく、クルマの使用頻度や家計の状況、事故が起きたときに負担できる金額などによって最適な選択は変わります。

更新の際は、年間保険料だけを比較するのではなく、もし15万円の修理になったら自分はいくら払うのか、保険を使ったら翌年以降はいくら上がるのか、というところまで確認しておくと安心です。

「保険料の安さ」だけで選ばないことが後悔を防ぐ

免責金額という言葉は知っていても、実際に事故が起きたときの自己負担額まで具体的にイメージできている人は意外と多くありません。

また、保険を使えば修理代が安く済むと思っていても、等級ダウンや事故有係数による保険料アップまで考えると、必ずしも保険を使うことが得とは限らないケースもあります。

自動車保険は、「保険料が安いかどうか」だけで選ぶものではありません。

万一の事故でいくら自己負担が発生するのか、そして保険を使った後の保険料まで含めて理解しておくことが、「こんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことにつながります。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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