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300万円ミニバン購入も「直ったはずなのに…」50代男性が5年で手放すことになった“信じられない異変”

  • 2026.7.24
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

初めての愛車からセダンを乗り継ぎ、とある自動車メーカーに絶大な信頼を寄せていた50代男性。ミニバンの魅力に惹かれて購入したワンランク上の車は、彼にとって長く付き合うはずの愛車でした。しかし購入から5年後、原因不明のエンジントラブルが彼を襲います。

ディーラーに相談しても根本的な解決には至らなかったと語る彼が、お気に入りの車を手放す決断に至るまでのリアルな体験談をご紹介します。

セダン一筋だった男性が、ミニバンの魅力に気づくまで

今回お話を伺った50代の男性・Aさんは、免許を取得した当時、街の主流だったセダンやハッチバックに強い憧れを抱いていたそうです。最初の愛車にセダンを選び、その後も別のセダンを乗り継ぐなど、生粋のセダン派としてカーライフを楽しんでいました。

そんなAさんに転機が訪れたのは、旅行先で偶然ミニバンのレンタカーを運転したときのことでした。それまで背の低い車ばかりを運転していたため、ミニバン特有のキャビンの高さからくる見晴らしの良さにとても驚いたといいます。また、車両感覚が思いのほか掴みやすく、どっしりとした安定感があって運転しやすかったことから、ミニバンに対する価値観が大きく変わりました。

この体験をきっかけに、Aさんはミニバンの購入を本格的に検討し始めます。複数の候補が挙がったそうですが、最終的にAさんが選んだのは、車内の質感が非常に高く、ミニバンでありながらキャビンがやや低めに抑えられているモデルでした。長年慣れ親しんだセダン感覚で運転できそうな点が大きな決め手になり、Aさんは新しい愛車とともに充実した生活をスタートさせました。

長く乗るつもりだった…満足感に満ちていた購入当初

約300万円という決して安くない買い物でしたが、購入後しばらくの間は乗り心地や居住性、そして運転性能のどれをとっても不満は見当たらなかったそうです。ワンランク上のグレードならではの恩恵を日常的に感じており、Aさんにとっては本当に買ってよかったと思える大満足の1台でした。

特に気に入っていたのは、長距離を走っても疲れにくいふっくらとしたシートの座り心地でした。運転席のメーター類も非常に見やすく、視覚的な満足感も高かったようです。

また、見通しの悪い路地で安心感をもたらすフロントカメラや、狭い駐車場で重宝するコーナーセンサーといった便利な装備も充実していました。ご家族も同じメーカーの車を長年愛用しており、Aさん自身もそのメーカーに対して絶大な信頼を寄せていたため、この車とはこの先も長く付き合っていくと信じて疑わなかったといいます。

突然の異変。セルは回るのにエンジンがかからない恐怖

順風満帆に見えたカーライフに暗雲が立ち込めたのは、購入から約5年が経過し、走行距離が7万5000キロ付近に達した頃でした。ある日、20キロほどのドライブを楽しんだあとに駐車場へ車を停め、用事を済ませて再び出発しようとした際に、信じられない異変が起きます。

キーを回すと、セルモーターが異常に速いテンポで空回りする音が響くばかりで、一向にエンジンが始動しませんでした。最初はバッテリーが上がってしまったのかと考えたそうですが、電装品は正常に動いていたため原因がまったくわかりません。焦りながらアクセルペダルを深く踏み込んでみると、一時的にエンジンは息を吹き返すものの、ペダルから足を離すとまたすぐにエンジンが停止してしまいます。

出先でこのまま車が動かなくなってしまうのではないかという強い不安に駆られながら、Aさんは何度も始動とエンストを繰り返しました。10分ほど格闘した末にようやくアイドリングが安定し、なんとか自宅へ帰り着くことができたそうです。しかし、無事に帰宅できた安堵感よりも、得体の知れない不具合に対する恐怖のほうがはるかに大きく、Aさんの心に重くのしかかりました。

「直ったはずなのに…」重なる不安

その後、数ヶ月ほどは異常が出なかったため少し安心していましたが、ある日再び同じ症状がAさんを襲います。たまらずディーラーへ車を持ち込むと、エンジンを制御するコンピューターのプログラムに原因があるかもしれないということで、書き換えの対応を受けました。これでもう安心だと胸をなでおろしたのも束の間、数ヶ月後にまたしても同じ始動不良が再発してしまいます。

「直ったはずなのに」という落差にショックを受けた彼は、インターネットで乗っている車種や搭載されているエンジンといったキーワードを入力し、不具合について調べてみました。すると、エンストの症状など、同じような悩みを訴えるユーザーの声が複数見つかり、Aさんはさらに不安を募らせたそうです。

再びディーラーへ相談に出向くと、似たような症状で持ち込まれる事例は時々あるという説明を受けました。一方で、公式なリコールの対象として発表されているわけではないため、無償での原因調査や対策を行うのは難しいと伝えられます。Aさんは車そのものの不具合よりも、気に入っていた愛車で安心して出かけられないという事実に、大きな精神的ストレスを感じるようになりました。

手放す決断と、不具合から学んだ本当に自分に合った車選び

だましだまし乗り続け、走行距離が8万キロに到達するまでは付き合いましたが、いつまたエンジンがかからなくなるかわからないという見えない不安は、Aさんにとって致命的でした。車体の状態としてはまだまだ乗れる余力があったものの、出先で立ち往生するリスクに耐えきれず、Aさんは泣く泣く愛車を手放すことを決断します。

高い購入資金を支払い、大きな排気量のエンジンによる高額な自動車税を納めながら維持してきた車が、わずか5年でこのような結末を迎えたことは、彼にとって非常に悔しい経験となりました。

この苦い経験を経て、Aさんの車選びの基準は大きく変化しました。次に選んだのは、購入価格が200万円を少し超える程度のコンパクトカーでした。豪華な装備よりも、搭載されるエンジン特有の不具合の有無や実際のユーザーの声を徹底的に調べ、通勤や街乗りといった自分の生活スタイルに本当に合っているかを最優先するようになったそうです。

車選びで本当に怖いのは、故障することそのものよりも、いつまた同じ症状が出るかわからないという不安を抱えたまま乗り続けることなのかもしれません。カタログの数値や豪華な装備といった謳い文句に惑わされず、事前のリサーチと自分の用途に合った車選びの大切さを、Aさんの体験談は私たちに教えてくれているようです。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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