1. トップ
  2. 暮らし
  3. 中古120万円の軽自動車を手に入れた30代男性、「車で行くより電車のほうが気楽」と感じ始めたワケ

中古120万円の軽自動車を手に入れた30代男性、「車で行くより電車のほうが気楽」と感じ始めたワケ

  • 2026.7.12
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)

軽自動車なら維持費も安くて生活が便利になるはず。そう信じて中古の軽自動車を購入した30代男性・Aさんのお話を伺いました。しかし彼を待っていたのは、乗らなくても毎月消えていく駐車場代や保険料など、見えない維持費の重さでした。

本体価格だけでは済まないリアルな出費や車を持つことの現実、そして所有してみて初めてわかった車との心地よい付き合い方について、彼の体験談をご紹介します。

中古120万円の軽自動車。これで生活が楽になると思っていた

現在30代のAさんが中古の軽自動車を購入したのは、2017年頃のことでした。当時のAさんは、軽自動車は普通車に比べて税金や燃費の負担が軽く、自分の生活にちょうどいいと考えていたそうです。さらに、重い荷物を抱えて歩くスーパーでの買い物や、雨の日の移動、休日に少し遠いショッピングモールへのお出かけなども、車があれば劇的に楽になると期待していました。行動範囲が広がることで生活の満足度が格段に上がるはずだと、信じて疑わなかったようです。

そこでAさんが選んだのが、運転しやすく荷物もたくさん積める、スーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプの軽自動車でした。およそ120万円という中古ならではの手の届きやすい価格だったこともあり、納車されたばかりの車に乗り込んだときは、これから始まる便利な生活に胸を躍らせていたといいます。しかし、その高揚感は少しずつ現実の壁にぶつかることになります。

乗っていない月でも消えていく、駐車場代と保険料

憧れのカーライフをスタートさせたAさんですが、所有し始めて最初に「思っていたのと違う」と感じたのは、毎月の固定費の重さだったそうです。日々のガソリン代は月に5,000円から8,000円ほどで、使った分だけ発生するため納得しやすい出費でした。

一方でAさんを悩ませたのは、月に1万円前後かかる駐車場代と、年間で数万円にのぼる自動車保険料でした。これらは、車にたくさん乗った月でも、ほとんど乗らなかった月でも変わらず発生します。

特に、仕事が忙しくてあまり車に乗れなかった月でも容赦なく口座から引き落とされる固定費を前にすると、焦りを感じることもあったようです。便利な道具を手に入れたはずが、いつの間にか「持っているだけでお金が出ていくもの」という感覚が強くなっていき、Aさんは少しずつ車を持つことの重みを感じ始めました。

車検・タイヤ交換で気づいた、買ってから続くお金と現実

毎月の固定費に加えて彼に追い打ちをかけたのが、まとまった出費と、見えない手間でした。購入時は120万円という車両本体価格ばかりに意識が向いていたAさんですが、実際には車検やオイル交換、タイヤ交換といった費用が継続的にかかってきます。日々の固定費の上に車検などの大きな出費が重なると、「車は買ったら終わりではなく、買ってからの費用のほうが長く続く」と痛感したそうです。

それに加えて、金銭面以外の負担も彼を悩ませました。休日に大型ショッピングモールへ行けば駐車場に入るまでの渋滞に巻き込まれ、都心部へ出かければ高い駐車料金を払うことになります。

その結果、「車で行くより電車のほうが気楽だったかもしれない」と感じる場面も増えていきました。また、長距離運転のあとには思った以上に疲れが溜まり、帰宅後にぐったりしてしまうこともあったといいます。車があればどこへでも自由に行けると思い込んでいた彼にとって、駐車場探しや運転疲れといった現実は、想定していなかったハードルだったようです。

それでも、雨の日と家族の送迎では本当に助かった

とはいえ、車を買ったことを後悔ばかりしているわけではありません。お金や手間といった厳しい現実に直面しつつも、車があって本当に助かったと感じる瞬間もたくさんあったそうです。例えば、大雨の日に濡れることなく日用品のまとめ買いができたときや、公共交通機関では行きにくい場所へスムーズに移動できたときには、車のありがたみを深く実感したといいます。さらに、家族を病院や用事に連れて行く場面でも、車は大活躍しました。

特に背が高く荷物の積みやすいスーパーハイトワゴンは、その空間の広さが日常のちょっとした不便を何度も解消してくれたそうです。維持していくためのコストや労力はかかりますが、それ以上に生活をサポートしてくれる頼もしい相棒でもあると、Aさんは少しずつ車への見方を変えていきました。

今なら先に計算する。車選びで一番大切だったこと

こうした経験を経て、現在のAさんは、車選びに対する価値観が大きく変わったと語ってくれました。車を買わなければよかったと後悔しているわけではなく、「買う前に生活スタイルと年間維持費をもっと具体的に計算するべきだった」と気づいたそうです。

購入前は「車があれば便利になる」と単純に考えていたAさんですが、今は自分の生活に本当に必要か、月に何回乗るのか、駐車場代まで含めた年間維持費に納得できるかを冷静に考えるようになったといいます。

車は私たちの自由を広げてくれる便利な道具である一方、コストと手間を伴う責任ある持ち物でもあります。これから初めて車を買おうと考えている方や、「軽自動車なら維持費が安い」と思っている方は、本体価格だけでなく所有後に続く費用も含めて検討してみてはいかがでしょうか。その両面を理解した上で選ぶことができれば、きっとより豊かなカーライフが送れるはずです。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる