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「季節の変わり目に腰が痛い…」その原因、“花粉症“かも?驚きの実態を理学療法士に聞いてみた

  • 2026.6.24

30度を超える夏日かと思ったら雨が降り気温も急降下…天気が安定しないこの季節、朝晩の寒暖差などで体調の悩みに頭を抱える人は多い。

また、春のスギ・ヒノキ、初夏のイネ科植物による花粉は落ち着いてホッとしたのもつかの間、夏の終わり頃から秋にかけてはブタクサの花粉のピークが控えており、年間を通じて「花粉症」に悩まされている人は少なくない。

しかし、花粉によるアレルギー反応の厄介事は鼻水や目のかゆみだけではない。実は花粉が飛散する季節の移り変わりの時期、特に春から5月にかけては突発的な「腰痛」や「ぎっくり腰」を訴えて整体院に駆け込む患者が急増するのだという。

これを聞いて、新生活による肉体疲労や、環境の変化に伴う5月特有のストレスが原因だと考えるかもしれない。

理学療法士であり、「整痛院ふっか」の院長を務める松田圭太さんが指摘するのは、意外にも花粉症によるくしゃみとの関係である。

なんでも、3~5月ごろに腰を痛める人が増える背景には、花粉症の時期ならではの“ある動作”が関わっている可能性があるという。

「季節の変わり目に腰が痛い…」その原因は、“花粉症”…? 【画像提供=写真AC】
「季節の変わり目に腰が痛い…」その原因は、“花粉症”…? 【画像提供=写真AC】

「季節の変わり目に腰が痛い…」その原因、“花粉症”かも?

一年を通して気温の変化が激しい時期は、体調を崩しやすい。腰痛も例外ではなく、真冬の1〜2月、秋口の9〜10月に患者が増える傾向にある。それに加え、松田さんによると3月から5月にかけても、腰痛の「三大ピーク」の一つに数えられるそうだ。

「春から初夏にかけてや、9~10月ごろ腰痛を引き起こす要因は、もちろん重労働や寒暖差などいろいろな要因がありますが、その1つとして油断ならないのが『花粉症』によるくしゃみなんです。これ、甘く見てはいけません。高齢者の圧迫骨折の要因として、転倒に次いで上位に入るのがくしゃみですし、若い方でもくしゃみ一発でぎっくり腰やヘルニアになるケースは非常に多いのです」(松田さん、以下同じ)

風邪をひいたときなど、日常的に誰もが経験する生理現象ゆえに、くしゃみで骨折やぎっくり腰になるなど、にわかには信じがたいと感じる人もいるかもしれない。しかし身体の構造をみると、その破壊力が浮き彫りになる。

「くしゃみをするとき、人間の体は肺から空気を勢いよく押し出すために、お腹の筋肉を激しく使います。腹腔(お腹の空間)の圧力をグッと高めて横隔膜を押し上げることで、空気を爆発的に排出する仕組みです」

「このとき、腹筋が急激に収縮するため、背骨は前側に強く引っ張られて曲がります。結果として、腰の骨や椎間板に瞬間的にものすごい圧迫が加わり、筋肉が硬直してぎっくり腰になったり、骨が耐えきれずに圧迫骨折を起こしたりするのです」

理学療法士であり「整痛院ふっか」の院長を務める松田圭太さん 【画像提供=松田圭太】
理学療法士であり「整痛院ふっか」の院長を務める松田圭太さん 【画像提供=松田圭太】

デスクワーク中のくしゃみは最悪...。身を守る方法とは

くしゃみが出る瞬間、私たちはとっさに手で口を覆ったり、飛沫を飛ばさないように下を向いたりする。

エチケットとしては正解かもしれないが、腰を守る観点では、その姿勢が腰痛を招く引き金になりかねないそう。特に現代人に多い“ある姿勢”でのくしゃみは、松田さんの目から見るともっとも危険な行為だとか。

「一番やってはいけないのが、座ってデスクワークやスマホ操作をしているとき、あるいは立って家事をしながら前かがみになった状態でのくしゃみです。ただでさえ背骨が丸まって腰に負担がかかっている状態から、さらに腹圧による強い前側への圧迫が加わります。これでは腰が悲鳴を上げるのも当然です」

では、くしゃみが出そうになったら、慌てて背筋をピンと伸ばせばよいのだろうか。実は、無理に姿勢をよくしようとすると、かえってくしゃみ自体が出なくなってしまうジレンマがある。

そこで松田さんが提唱するのが、誰でもその場で一瞬にしてできる、シンプルな防衛策だ。

「くしゃみが出そうになったら、とにかく『お尻(肛門)をキュッと締める』こと。これだけ覚えてください。お尻を締めると、骨盤底筋群と呼ばれる骨盤を底から支えるインナーマッスルに力が入ります」

「すると、自然と骨盤がスッと立ち上がり、腰周りの筋肉(多裂筋など)と連動して,体の土台が安定するんです。泥沼の上に建つ家が、一瞬でレンガの家に変わるようなイメージですね。姿勢を無理に正す必要はありません。自然体のままお尻を締めるだけで、腰へのダメージは劇的に軽減されます」

くしゃみをするときに気を付けるべきこととは 【画像提供=写真AC】
くしゃみをするときに気を付けるべきこととは 【画像提供=写真AC】

花粉症の時期こそ、お腹周りのケアが大切?

くしゃみの衝撃から腰を守る術はわかった。しかし、そもそも花粉症の症状自体を和らげることができれば、腰への脅威はさらに遠のくはず。

そんな花粉症対策といえば、薬の服用やレーザー治療などの対症療法が一般的だ。対して、専門家である松田さんは、物理的なアプローチと日々の食生活の見直しを提案する。

「私の経験上、花粉症に悩んでいる方は、例外なくお腹周りがガチガチに硬くなっています。仰向けになってお腹の皮膚を軽くつまみ、硬い部分をほぐしてあげるだけで、内臓の働きが活発になり、くしゃみの際に使う筋肉も柔軟になるので負担が減ります。

「さらに、水分の摂取量を増やして体内の循環をよくすること。そして、パンや麺類などの小麦の摂取を少し控えること。私の場合はこの3つを意識して生活したところ、花粉症の症状が改善されました」

現代人は手軽に食べられる小麦製品に頼る場面が多い。だが、それがめぐり巡ってアレルギー反応を増幅させ、くしゃみを誘発し、ついには腰を破壊しているとしたら、生活習慣を見直す価値は大いにあるだろう。

「痛みを一時的にごまかすのではなく、根本から改善することが大切です。日頃からお尻を締めて骨盤底筋群や多裂筋などのインナーマッスルを鍛えておく『運動療法』は、世界的にも有効な選択肢の一つとして考えられている素晴らしいアプローチです。季節の移り変わりによる不調に悩んでいる方は、ぜひ体の内側と外側の両方からケアを始めてみてください」

水分をしっかり摂ることもポイント 【画像提供=写真AC】
水分をしっかり摂ることもポイント 【画像提供=写真AC】
【図解】《シチュエーション別》くしゃみ時の姿勢リスクと松田さんが提唱する防衛策 【画像提供=松田圭太】
【図解】《シチュエーション別》くしゃみ時の姿勢リスクと松田さんが提唱する防衛策 【画像提供=松田圭太】

春や初夏の花粉は落ち着いたが、くしゃみをするたびに腰をさすっている人は、今日から「お尻を締める」ことを意識してみてほしい。ほんの少しの身体の使い方の違いと日常の選択が、重苦しい季節の変わり目の不調から解放してくれるはずだ。

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