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【小池徹平さんインタビュー】「何かを得れば、何かが減る」小池徹平さんがたどり着いた「手放す覚悟」

  • 2026.6.24

優しい語り口、爽やかな笑顔が印象的な小池徹平さん。
昔から応援してきたおしゃれ手帖世代も多いのでは?
そんな小池さんも今年40歳。2026年7月10日に開幕する韓国発、新感覚のミュージカル『ETERNITY(エタニティ)』で主演を務めます。
グラムロックを題材にしたミュージカルへの挑戦、そして40代を迎えた今だからこそ語れる仕事観や人生観について伺いました。

20曲以上の歌唱! 韓国エンタメの刺激を胸に、新感覚ミュージカルに挑む

韓国発のミュージカル『ETERNITY(エタニティ)』は、グラムロックを題材にした異色作です。主役のロックスター《ブルードット》を演じる小池さんは、「これまで自分が経験してきたミュージカルとはかなり違う、新しいチャレンジになりそうな作品」と全体像を評しました。
制作が始まる前に、日本版の上演台本・演出を手がける河原雅彦さんとともに韓国公演を観劇した小池さんは、言葉の壁を超えて伝わるエネルギーに圧倒されたそう。

「ミュージカルなのですが、アーティストのライブのような独特な舞台で、とてもおもしろかったです。20曲以上の楽曲があって、休憩もありません。現地のキャストの方ともお話しする機会があったんですが、リハーサルから全力なんです。『疲れないの?』と聞いたら、『その日の会場の響きや空気感を確認したいから』って。ライブ感を本当に大事にしているんだなと感じましたね」

ライブ感を大切にする感覚はいろいろなところに表現されていました。たとえば、主人公ブルードットのメイクは公演ごとに変わり、観客もそれを楽しみにしています。また、小池さんが観劇した日は、カーテンコールの撮影が許可される特別な日でした。

「本来ならもっとライブみたいに盛り上がるらしいんですけど、その日は観客全員が真剣に一眼レフを構えていて(笑)。そういう自由さや遊び心も含めて、お客さんと一緒に作品を作っている感じがあるんですよね。完成されたものを毎回同じように届けるというより、その日の空気を大事にしている。すごく勉強になりました」

韓国版へのリスペクトを持ちながら、日本版では独自のアレンジも加わり、新たな『ETERNITY』が生まれようとしています。

「河原さんもいろいろ考えていて、日本の公演版ではダンサーを入れる話も出ていると聞きますし、音楽だけではなく視覚的にも楽しめる作品になっていくんじゃないかなと思っています」

ファンからの「明日もがんばれる」の言葉が、僕を支えてくれる

『ETERNITY(エタニティ)』には、「時代が変わっても消えない音楽」や「誰かの人生を支える音楽」というテーマも描かれています。小池さん自身は、お芝居や歌に人を救う力があると思いますか?

「もちろん、めちゃくちゃあると思います。観に来てくださった方から『元気をもらいました』『明日からまたがんばれます』と言っていただくことがあるんです。すごくシンプルな言葉なんですけど、そこに全部が詰まっている気がするんですよね。その言葉を聞いて、逆に僕自身が元気をもらっています」

小池さん演じる伝説のロックスター、ブルードットは、華やかに見える反面、孤独を抱えるキャラクター。共感する部分はあるのか尋ねると「孤独にはあんまり(笑)」と笑います。

「でも、『曲を作らなきゃいけない』『新しいものを生み出さなきゃいけない』という焦りやプレッシャーには共感する部分があります。やりたいことをやっているはずなのに、何かに追われているような感覚というか。創作しなければいけない状況に追い詰められるもどかしさは、すごくわかる気がしますね」

長年、表舞台に立ってきた人ならではのプレッシャーや不安を打ち明けてくれた小池さん。加えて『ETERNITY(エタニティ)』には、「誰もが望むスターでいるためには、諦めなければならないものもある」という印象的な言葉も登場します。このテーマについても尋ねてみると、小池さんは20代の頃を振り返りました。「WaT」として音楽活動を続けながら、俳優としても活躍の場を広げていた時期。

「WaTは、ストリートライブから始めて、たくさんの方に応援していただけるようになったんですが、年齢を重ねるにつれて、自分がやりたい音楽と求められるものとの間にズレを感じるようになりました。ちょうどお芝居の仕事も増えてきて、どちらも100%でやりたいのに、それが難しくなっていく。全部が中途半端になっている気がしてしまって、『自分は何をやっているんだろう』と悩んでいました。少しスケジュールが空いただけで不安になったり、ストレスで全身にじんましんが出たり。本当に余裕がなかったですね」

ミュージカルとの出合いが突破口。迷いも葛藤も、すべてが今につながっている

20代半ばにぶつかった壁。ブレイクスルーになったのは「この仕事が好きだ」という一途な気持ちと、もうひとつ、ミュージカルとの出合いだったそうです。

「『歌とお芝居、どっちかを選ばなきゃいけない』と思っていたところに、その両方を活かせる場所としてミュージカルに出合えたのは本当に大きかったです。飛び込んでから自分の実力不足も知りましたけど、そのぶん、もっと学びたい、もっと吸収したいという気持ちが強くなりました」

20代後半から、ミュージカル、ストレートプレイと果敢に舞台に立ち、2016年には、代表作となったミュージカル『キンキーブーツ』『1789』で第42回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞しました。40代になった今は、当時とは違う視点でものごとを見られるようになったと話します。

「新しい仕事に挑戦したときも、喜んでくださる方がいる一方で、離れていく方もいる。結婚したときもそうでした。でも、それって当たり前のことなんですよね。何かを得たら何かが減ることもある。でも、それは誰にでも起きることだから、受け入れるしかない。そういう変化を昔よりも自然なものとしておおらかに受け止められるようになった気がします」

プライベートでは2児のパパ。お子さんも成長し、生活にも少しずつ変化が訪れようとしています。どんな40代を過ごし、50代への布石としたいと考えているのでしょう。

「まずは健康ですね(笑)。それがいちばん大事です。子育ての時間があったからこそ、自分の時間のありがたさも感じています。仕事も趣味も、これから何ができるんだろうというワクワク感があります。50代に向けてどんな人生を作っていこうか考えるのも楽しいですし、すごく前向きな気持ちですね」

20代の迷いも、30代の挑戦も、すべてが今につながっている。健康でいること、新しいことに挑戦できること、そのどちらにも感謝しながら未来を楽しみにする……。そんな小池さんの言葉からは、年齢を重ねることへの希望が感じられました。

PROFILE

小池徹平(こいけ・てっぺい)
1986年1月5日生まれ。2002年に俳優デビュー。音楽デュオ「WaT」での活動を経て、近年は舞台作、映像作品と幅広く活躍。主な出演作に、舞台『ミュージカル「どろんぱ」』(26’)、『ミュージカル「ある男」(25’)』、『キンキーブーツ』(16’/19’/22’)、『1789-バスティーユの恋人たちー』(16’/18’)、ドラマ『身代金は誘拐です』(26’)、『DOPE 麻薬取締部特捜課』(25’)など。

小池徹平さん出演 ミュージカル『ETERNITY(エタニティ)』

1960年代に世界を熱狂させた伝説のグラムロックスター・ブルードット。現代を生きる孤独なシンガー・カイパーが、偶然、彼のレコードを手に入れ針を落とす。その瞬間、時空を超えてふたりの人生が交錯する。過去と現在をつなぐ不思議な存在マーマーに導かれ、姿を知らぬまま同じ歌を歌い、同じ痛みや孤独を分かち合うふたり。やがてその共鳴は、大きな希望の歌となって響き始める……。音楽の力と人のつながりを描く、新感覚ミュージカル。

上演台本・演出:河原雅彦
訳詞:森雪之丞
音楽監督:阿蒐禰 (ex-大塚茜)
出演:小池徹平 ・ 小西遼生(ダブル)
小野田龍之介 ・ 伊藤あさひ(ダブル)
美弥るりか

【東京】2026年7月10 日(金)〜26日(日) 東京建物 ぴあ シアター
【名古屋公演】2026年7月31日(金)〜8月1日(土) 御園座
【大阪公演】2026年8月8日(土)〜9日(日) 東京建物 Brillia HALL 箕面

撮影/白井裕介 スタイリング/松下洋介 ヘアメイク/加藤ゆい[フリンジ] 取材・文/みよしみか

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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