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「30代で独身なんて情けないな」祖母の米寿祝いの場で非常識な一言を言う叔父→普段はおとなしい従妹の一言で沈黙

  • 2026.6.23

米寿の祝いで始まった独身いじり

祖母の米寿を祝うため、親族十数人で料亭の座敷に集まった。

久しぶりに顔をそろえる従妹や叔母たち。膳が運ばれ、和やかにビールを注ぎ合っていた。祝いの一日になるはずだった。

その空気を崩したのは、普段から少し威圧的な叔父だった。盃を片手に、独身の私のほうへ顎をしゃくる。

「30代で独身なんて情けないな」

座敷の話し声が、すっと小さくなった。私は曖昧に笑って、グラスに口をつけた。

「早く結婚して親を安心させろよ」

叔父はなおも続けた。一度ならまだしも、料理が運ばれるたびに同じ話を蒸し返す。皆の前で何度も繰り返されると、さすがに笑って流すのもきつくなってくる。

「いやあ、まだご縁がなくて」

そう返すしかなかった。

内心では、祖母の祝いの席でなぜこの話を、とげんなりしていた。叔母たちも気まずそうに目を伏せている。誰も叔父を止めようとはしなかった。

おとなしい従妹が放った一言

そのときだった。普段はおとなしく、めったに自分から口を開かない従妹が、すっと顔を上げた。

「今は結婚の形も人それぞれだし、本人が幸せならそれでいいんじゃない?」

場が、一瞬しんとなった。叔父が、虚を突かれた顔で従妹を見る。けれど従妹は引かなかった。叔父の目をまっすぐ見て、もう一言を重ねた。

「自分がされて嫌なことを人に言うの?」

叔父の盃を持つ手が止まった。何か言い返そうと口を開きかけて、言葉を飲み込む。顔がみるみる赤くなり、視線がさまよった。

従妹は静かに続けた。叔父さんだって若い頃は自由に生きていたと聞いていると。だったらなぜ、自分がされて嫌だったことを甥に押しつけるのか。

穏やかな口ぶりなのに、一言ずつが叔父の逃げ道をふさいでいく。叔父は反論の糸口を探すように口元を動かしたが、結局、何も言えなかった。

すると、それまで黙っていた他の親族たちが口を開きはじめた。

「確かに、そうだね」

「今の時代は、価値観も違うからね」

あちこちでうなずく顔が並び、叔父はばつが悪そうに盃へ視線を落とした。

それきり、独身の話を持ち出すことは二度となかった。座敷には、また穏やかな話し声が戻ってきた。

会のあと、私は従妹に礼を伝えた。すると従妹は、なんでもないことのように笑った。

「理不尽なことを言われてるのを、見ていられなかっただけ」

祖母も上座で、孫たちのやり取りを楽しそうに眺めていた。気まずそうに小さくなった叔父の横顔が、今も妙に忘れられない。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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