1. トップ
  2. 「報道初日後は、ボロボロだった」山崎夕貴アナが痛感した、バラエティと報道の決定的な違い

「報道初日後は、ボロボロだった」山崎夕貴アナが痛感した、バラエティと報道の決定的な違い

  • 2026.6.19

夕方の報道番組『Live News イット!』のメインキャスターになって、早くも3ヵ月目に。実は就任初日の放送後は、一言も喋れないほど心身ともにボロボロでした。「仕事も育児も完璧にやらなきゃ」と背伸びをしていた私を救ってくれたのは、周囲の優しさと、ある意味での“諦め”です。「わからないことは、わからないと言っていい」。そう気づいてから、仕事も生き方も、ぐっと楽になりました。

「これが毎日続いたら…」言葉を失うほどの疲労感で始まった新生活

『イット!』のメインキャスターとしての初日は、とにかく緊張しすぎていた上に、息子の風邪が移って万全とはいえないコンディションでした。そこに「久しぶりの生放送」「初めての報道番組」という重圧がのしかかり、オンエアが終わった後は緊張から解放されたものの、帰宅後は一言も発せられないくらい疲れ果ててしまったんです。頭が真っ白で、言葉が何も出てこない。たまたま夫がいる日だったので、状況を察して息子とお風呂に入ってくれるなどフォローしてくれましたが、「これが毎日続いたら、本当に生活が回らなくなる……」と、絶望すら覚えるスタートでした。生放送の番組にレギュラー出演するのは産休前の『Mr.サンデー』ぶりでしたが、やはり「報道」はまったくの別世界。事前の説明やリハーサルを重ねていても、いざ本番となると「経験したことがない」という漠然とした不安が襲ってきました。3日目くらいからようやく番組の流れが掴めて落ち着きましたが、あの初日の圧倒的な疲労感は、今でも忘れられません。

報道の世界で痛感した、一言の“重み”

これまで担当してきた情報番組やバラエティでのフリートークは、基本的に「主語が自分」。自分のエピソードやプライベートの話ならいくらでも広げられますし、自分ベースの話だからこそ、誰も傷つけないという安心感がありました。しかし、報道はまったく違います。凄惨な事件、被害者やご遺族がいる中で、番組をどう進めていくべきか。視聴者の方に理解を深めてもらうために、何を質問すべきか。突発的な事態が起きた際のアドリブにも、ものすごく慎重になります。「てにをは」を一つ間違えただけで、事実関係やニュアンスがガラリと変わってしまう。これまでは、生放送で10秒時間が余ったらフリートークで繋ぐことができましたが、報道ではその10秒を適当な言葉で埋めるわけにはいかないのです。言葉一つを発することの重みが今までとは全然違って、その怖さを日々実感しています。日々お伝えする事件なども、アナウンサーとしての力量が問われます。一緒にキャスターを務める榎並アナは、見事に自分の中で落とし込んで適切なコメントをしている。バラエティで一緒に仕事をしていたころは「楽しい先輩」という印象でしたが、報道の現場で並び立つと、人間としての深みがある方なのだと尊敬の念が止まりません。

地震発生。イレギュラー対応で猛反省…

実は先日、初めて生放送中に緊急の地震特番を2時間担当する機会がありました。事前に訓練は受けていたものの、いざ実践となると「自分はここが苦手なんだ」「私にはこれが足りない」という現実を突きつけられ、本当に猛反省しました。でも、そんな私のピンチを救ってくれたのが、榎並アナや後輩の安宅アナたちでした。私の張り詰めた空気を察して、本番中も必死にフォローに回ってくれて。オンエア後の反省会でも「あの時はガチガチだったね(笑)」と温かいツッコミで笑いに変えてもらい、一人で背負わなくていいんだ、このチームを信じようと、胸が熱くなるような絆を感じました。

「等身大の私」だからできること

 (1699932)

報道の世界に入る前は、「そんなことも知らないの?」と思われるんじゃないかという恐怖心がすごくありました。でも、実際に飛び込んでみて気づいたんです。「誰も私に、完璧で賢い報道キャスター像なんて求めていないな」って。それに気づいてからは、心がすごく楽になりました。どんなに小さな疑問でも、わからないことは「わからない」と、先輩にも後輩にも背伸びせずに聞けるようになったんです。『イット!』は、ニュース番組にあまりなじみがない人も含めて、あらゆる世代の人に見ていただきたいと思っています。でも、世の中の皆さんは日々忙しくて、家事や仕事をしながら、耳だけでニュースを聞いているかもしれない。だからこそ、後輩のプレゼンコーナーの打ち合わせで、数字や難しい言葉が並んでいるのを見たときは、「テレビで見ていたら、私なら思考停止しちゃう。これだと理解しきれないかも」と素直に伝えるようにしています。「昨日までの流れ」をちょっとおさらいする丁寧さが、忙しい視聴者の方には絶対に必要だと思うんですよね。気づけば私も40代目前。いつの間にか年下のスタッフも増え、なんだかすごく気遣われるようになってきました(それはそれで、少し寂しさを感じたりもするのですが笑)。でも、そんな年齢になったからこそ、もう「完璧なキャスター」を演じて背伸びする必要はないなと思っています。過度なプレッシャーを背負い込みすぎず、「等身大の母親」としての素朴な目線を大切に。チームのみんなの力を借りながら、私らしい言葉でニュースを紡いでいきたいです。山崎夕貴

▼あわせて読みたい

www.youtube.com▼連載一覧はこちらフジテレビアナウンサー山崎夕貴の「ポップな日々」【Profile】山崎夕貴1987年生まれ。岡山県出身。フジテレビアナウンサー。2012年より『ノンストップ!』、その後『とくダネ!』のMCを務め、朝の帯の情報番組を約9年続ける。昨年は情報&Lifeエンターテインメント番組『ポップUP!』の進行MCを務めた。2023年2月から『Mr.サンデー』MCを担当。2018年、芸人・おばたのお兄さんと結婚、2023年8月に第一子を出産。※山崎さんの「崎」は正しくは「たつさき」ピンクシャツ/marimekko撮影/水野昭子 スタイリスト/奥崎千裕 取材・文・構成/岩崎幸

元記事で読む
の記事をもっとみる