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「最近旅行行ってないの?」毎回お土産をねだるママ友。だが、笑顔の正論をぶつけた結果

  • 2026.6.18

渡すばかりの習慣

うちの周りでは、旅行に行くと、ご近所さんや仲のいいママ友に小さなお土産を渡し合う習慣がある。

みんなで少しずつ持ち寄って、近況を話す。それが楽しみだった。

広島に行ったときも、私は銘菓を一箱買って、仲良しのママ友に渡した。

「これ、おいしかったから。よかったら」

「わあ、ありがとう!いつも悪いね」

彼女は笑顔で受け取ってくれる。その「いつも」という言葉に、私はふと引っかかった。

思い返してみると、私はこの人からお土産をもらった記憶が、一度もなかったのだ。

出かけていたのに

旅行に行っていないのかと、最初はそう思っていた。家庭の事情もあるだろうし、無理にとは思わない。

ところが、ある日の立ち話で、彼女がこう言った。

「先月は温泉、その前は海のほう。けっこうあちこち行ってるのよ」

「そうなんだ、いいなあ」

えっ、と声が出そうになるのを、私はそう言ってごまかした。

出かけていなかったわけではなかったのだ。ただ、私に渡すという発想が、はなからなかったらしい。

悪気はないのかもしれない。でも、もらうのが当たり前になっている横顔を見て、私はそっと心を決めた。

次から、この人にだけは渡すのをやめようと。

それからの数ヶ月、私は旅行に出ても、彼女にお土産を差し出さなかった。

ほかのご近所さんには今まで通り渡していたから、私が旅行をやめたわけでないことは、知れ渡っていたはずだ。それでも彼女は気づく様子もなく、相変わらずにこにこしていた。

にっこり、お互い様

そうして迎えた、ある朝のことだ。ゴミ出しで一緒になった彼女が、不思議そうに首をかしげて、こう言った。

「前はよくお土産くれたのに最近旅行行ってないの?」

悪びれた様子は、まるでない。もらえないことが不満そうな口ぶりだった。私はひと呼吸おいて、にっこり笑って返した。

「行ってるよ。でもね、お土産はお互い様にしようと思って」

彼女はきょとんとした。一瞬、言葉の意味がわからないという顔をして、それから、はっと何かに気づいたように口を閉じた。

みるみる頬が赤らんでいく。

「……そう、よね」

それだけ言うと、彼女は逃げるようにゴミ袋を置いて、家へ戻っていった。

後日のことだ。インターホンが鳴って出てみると、彼女が小さな箱菓子を手に、気まずそうに立っていた。

「これ、この前のお返し。今までもらってばっかりだったから」

差し出された箱を、私は笑顔で受け取った。彼女がお返しを持ってきたのは、これが初めてだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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