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映画館とも、既存のギャラリーとも違う。映像作品に向き合うためのアートスペース〈BlackBoxKyoto〉が京都に誕生

  • 2026.6.18

真っ暗な空間に十数席の椅子。映画館とも、既存のギャラリーとも違う。映像作品に向き合うためのアートスペースが京都に誕生した。その名も〈BlackBoxKyoto〉。

text: BRUTUS

〈BlackBoxKyoto〉の内観
BRUTUS

映像芸術の未来は「ブラックボックス」にあり

単に真っ暗だから「ブラックボックス」なのではない。そこには白い空間で満ちた既存の美術館(ホワイトキューブ)に対する明確な対抗意識がある。この場所を立ち上げたメディア論研究者の桂英史は語る。

「美術作品というものは、美術館やコレクターに所有されて価値づけがなされるもの。しかし、映像作品はそうしたマーケットが確立されていない。白い空間ではこぼれ落ちてしまう映像作品を、ブラックボックスで深く体験してもらう。ただ鑑賞するだけでなく、“これは手元に置きたい”と思える感覚まで引き寄せたい。その願いを名前に込めています」

〈BlackBoxKyoto〉の内観
BRUTUS

開催中のオープニングプログラムは、映像作家・吉開菜央のアーカイブ上映だ。

「吉開さんの作品には、身体、時間、空間の関係を繊細に、しかも鋭く開く力がある。みんなで観る体験ではなく、個人的な、親密な映像体験を目指すこの場所の思想を最初に示すには、これ以上ないプログラムだと思いました。暗い箱の中では視線の逃げ場がなくなり、呼吸や沈黙、かすかな身ぶりがこちらの身体に直接触れてきます。ホワイトキューブでも映画館でも、テレビでもYouTubeでもない。作品を鑑賞するというより、作品に巻き込まれる。そんな映像体験になるはずです」

吉開菜央の映像作品
吉開菜央はダンサー、振付家としても活動。
吉開菜央の映像作品
「ほったまるびより」「I want to go out」「Some rules in the morning」ほか全10作品を上映。

桂は映像コンテンツの国際的な流通システムも独自に開発中。映像作品の可能性を更新する様々な実践のための拠点、それが〈BlackBoxKyoto〉だ。

Information

BlackBoxKyoto

『吉開菜央アーカイヴス』は2026年7月18日まで開催。1時間程度の3つのプログラムを1日2回上映予定。完全入れ替え制で、各回1,500円(土・日・祝1,800円)。

住所:京都府京都市中京区柏屋町171-1 タニグチビル3F
営:13時〜21時
休:会期中無休

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