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整えて直して長く着る。服のプロに聞く「最高のお手入れ」

  • 2026.6.18

いつも自分のワードローブには長く愛着の持てるアイテムを加えていきたいと思っているが。一方でその選択肢は常にアップデートしていたい。2026年春夏シーズンに大切にしたいのは、“WELL−MADE”(作りの良い)なアイテムを見つける視点である。ここでは「最高のお手入れ」をキーワードに、一歩先行くマスターピースをご紹介します。

photo: Shim Kyutai / text & edit: Shigeo Kanno

スタイリスト・池田尚輝、ファッションデザイナー・石川俊介
BRUTUS

スタイリストの池田尚輝さんが頼る、デニムのお直し屋さん〈ユニオン パスタイム〉

中目黒の〈ユニオン パスタイム〉は、スタイリストの池田尚輝さんが信頼する工房だ。撮影用の商品から私物のデニムまで、最後の仕上げを託す存在である。

この店の特徴は、店主・松村嘉久さんの確かな手腕と感覚、そして1940~60年代にアメリカのデニム工場で使われていた裾上げ専用チェーンステッチミシン《UNION SPECIAL 43200G》。工場特注機で生まれるチェーンのうねりは、一本の佇まいを整える作業に近い。

スタイリスト・池田尚輝
店主・松村嘉久さんは、朝4時から夜10時まで工房に立つ。オリジナルのハワイアンシャツも展開。

壁一面に並ぶ1,000色以上の糸から色を選び、採寸も対話しながら進める。予約不要で、デニムやチノの裾上げはほぼ当日仕上げ。裾上げ専門と思われがちだが、修理やカスタムにも応じる。

「アメカジへの理解があるからこそ、直しの判断が的確。対話しながら仕上げてもらえるのもありがたい」と池田さん。愛着のある一本を整えるなら、覚えておきたい工房だ。

チェーンステッチで仕上げたデニム
チェーンステッチで仕上げたデニム。
チェーンステッチミシン《UNION SPECIAL 43200G》
チェーンステッチミシン《UNION SPECIAL 43200G》。

Information

ユニオン パスタイム

海外からのリピーターも多い。世界各地からリペア依頼のDMが届く。

住所:東京都目黒区中目黒1-3-5 206
TEL:03-3714-0054
営:12時〜18時
休:日曜・祝日

profile

池田尚輝(スタイリスト)

いけだ・なおき/メンズ誌・広告などで活躍するスタイリスト。2005~06年にニューヨークに滞在し、その経験を基に、古着からモードまで横断する視点でスタイリングを手がける。

デザイナー石川俊介さんが極めた、自宅クリーニングテクニック

テキスタイルへの豊富な知識と経験から、自身のYouTubeチャンネルでも服のお手入れに関する情報を発信する石川俊介さん。

「実は、服はそんなに洗濯しなくていいんです。洗うこと自体が、摩擦や水分で繊維にダメージを与える。洗濯は減らせるなら減らした方がベター。その代わりにやってほしいのが、日々のケアです。基本はブラシとスチーマーがあれば十分。ブラッシングで埃や花粉を落としながら、服の状態を見る。小さな汚れや傷みに早く気づければ、対処も早い。仕上げにスチーマーを当てる。蒸気でシワは整うし、臭いも軽く抜ける」

では、洗濯機を使う場合はどうするのがベストなのか?「日本の水は軟水のため洗濯に向いているので洗剤は少なめで。難しい素材や頑固な汚れはプロに任せる。そこは使い分けましょう。まずは洗う前に整える。それを習慣にするだけで、服は自然と長持ちします」

ファッションデザイナー・石川俊介
ブラッシングは、生地の目に沿って行う。石川さんはクリーニング師の免許も取得済み。
〈ブラシの平野〉の洋服ブラシ 手植え水雷型
こちらも愛用の〈ブラシの平野〉の洋服ブラシ 手植え水雷型。
Jiffyスチーマー
自宅とオフィスで愛用するアメリカ製のJiffyスチーマー。

profile

石川俊介(ファッションデザイナー)

いしかわ・しゅんすけ/〈marka〉〈MARKAWARE〉〈cash & barba〉を手がける。書籍『なぜこの服は時代を超える定番なのか 一生モノの服の見極め方』(KADOKAWA)を上梓。

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