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「少しでも痩せたい」高校生娘のリクエストで弁当を“サラダ”に変更した母→管理栄養士に指摘された“深刻な落とし穴”とは

  • 2026.7.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

「最近、娘がお弁当は野菜ばかりにして、ご飯も少しでいいって言うの。」そんな相談を、女子高校生のお子さんを持つママ友から受けました。夏に向けてダイエットを始めたそうですが、お母さんは「受験勉強もあるのに、この食事で体は大丈夫なの?」と心配しています。しかも、食事を減らしているわりには体重が思うように減らず、娘さんも、ママ友自身も不思議に感じています。

実は、こうした食事の偏りが、近年増えている「新型栄養失調」につながることがあります。食べる量を減らすことだけに目を向けるのではなく、成長期に本当に大切な栄養のとり方について解説します。

 「野菜たっぷりでヘルシー」は本当? 成長期に不足しやすい栄養とは 

ある日、女子高校生の娘さんを持つママ友とランチをしていると、こんな相談を受けました。

「娘が夏までに少しでも痩せたいみたいで、お弁当はサラダしかいらない、ご飯も少しでいいって言うの。朝夕も食事を減らしているのに、思ったほど体重が減らないみたいで…」

受験勉強も控えている時期だけに、「この食事で体は大丈夫なのかな」と、お母さんも心配そうです。

私はその話を聞いて、真っ先に「新型栄養失調」という言葉が頭に浮かびました。

新型栄養失調とは、カロリー(エネルギー)は足りているように見えても、筋肉や体を正常に動かすための「特定の栄養素(たんぱく質やビタミン、ミネラル)」が著しく不足している状態のことです。また、今回のように良かれと思って『野菜だけ』を食べて全体のエネルギーを極端に削ることも、体に必要な栄養素を枯渇させる原因になります。近年は、ダイエットや偏った食習慣がきっかけで、若い世代にも増えているといわれています。

「野菜は体にいいから」とサラダ中心の食事にしたり、ご飯を減らしたりすることは、一見すると健康的に思えます。しかし、野菜だけでは筋肉や臓器をつくるたんぱく質や、脳や体を動かすためのエネルギーが十分に補えません。

高校生は、まだ体が成長している真っ最中です。勉強や部活動でも多くのエネルギーを使うため、大人以上に栄養バランスが重要な時期。「食べる量を減らせば痩せる」という思い込みが、知らないうちに体に負担をかけていることも少なくないのです。

高校生は成長期で活動量も多いのに、なぜ食べる量を減らしても思うように痩せないの? 

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「食べる量を減らせば、その分体重も減るはず。」そう考える人は少なくありません。しかし、私たちの体はそれほど単純ではありません。

極端に食事量を減らすと、体は「飢餓状態」と判断し、少ないエネルギーでも生命を維持できるように、“省エネモード”に切り替わるのです。その結果、以前と同じように食事を減らしていても、思うように体重が落ちなくなることがあります。

特に高校生は、通学や体育、部活動だけでなく、放課後は予備校へ通い、夜遅くまで勉強を続けるなど、心も体も多くのエネルギーを使う年代です。脳はブドウ糖を主なエネルギー源としているため、長時間勉強するほどエネルギーが必要になります。

しかし、食事を減らし過ぎると活動量に見合うエネルギーが不足し、体は筋肉を分解して不足分を補おうとします。筋肉量が減れば基礎代謝も低下し、「食べていないのに痩せない」という悪循環に陥ってしまうのです。

さらに、ご飯を抜くなど炭水化物を極端に減らすと、集中力が続かない、疲れやすい、甘いものが無性に食べたくなるといった変化が現れることもあります。受験勉強を頑張りたい大切な時期だからこそ、脳と体を動かすためのエネルギーを極端に減らすダイエットはおすすめできません。

「食べないダイエット」は、痩せにくい体をつくるだけでなく、勉強のパフォーマンスまで低下させる可能性があります。大切なのは、食べる量を減らすことではなく、必要な栄養をしっかり摂りながら健康的に体を整えることです。

まずは「しっかりご飯を食べる」ことから始めよう

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

幸い、娘さんはまだ高校生。今なら食事を見直すことで、新型栄養失調を防ぎ、健康的な体づくりに十分間に合います。

私はママ友に、「受験生という今の状況を考えても、将来の健康を考えても、少しずつ必要な量を食べられるようにしていきたいね」と伝えました。

すると、「でも娘は、お昼にご飯を食べると午後の授業で眠くなるから嫌だって言うの。」とのこと。

そこで私がおすすめしたのは、ご飯を減らすのではなく、食べるタイミングを工夫することです。例えば、お昼のお弁当のご飯は少し控えめにして、その分、小さなおにぎりを1〜2個用意しておきます。放課後、予備校へ向かう前や勉強を始める前に食べれば、脳のエネルギー補給になり、夕方以降の集中力維持にも役立ちます。空腹のまま長時間勉強するより、効率よく学習を進められるでしょう。

高校生は、骨や筋肉だけでなく、体全体が大人へと完成していく大切な成長期です。さらに、受験勉強で脳をフル回転させる毎日でもあります。必要なのは、「食べないこと」ではなく、「必要な栄養を必要なタイミングで食べること」。お弁当も、野菜だけではなく、ご飯に加えて肉や魚、卵、大豆製品などを組み合わせた、バランスのよい内容を心がけることが基本です。

そして最後に、「高校生の今のダイエットが、この先の食習慣を決めるかもしれない」とも伝えました。極端な食事制限を繰り返すと、「食べることが怖い」「食べたら太る」という考え方が身についてしまい、将来もダイエットを繰り返す"万年ダイエッター"になってしまうことがあります。

「痩せるために食べない」のではなく、「健康できれいな体をつくるために食べる」「勉強や仕事で本来の力を発揮するために食べる」。そんな考え方を高校生のうちに身につけることが、受験を乗り切る力にも、この先何十年も元気に過ごすための健康な体づくりにもつながるはずです。


監修者:工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。 

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