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「贈与税はかからない」子どもに“毎年110万円”を振り込み→10年後、税務署から届く“1通の通知”に驚愕【国税調査官が解説】

  • 2026.7.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「年間110万円までなら贈与税がかからないから、子どもに毎年コツコツ移している」相続税対策の王道として知られる「暦年贈与」ですが、実は税務調査の現場では非常にトラブルが起きやすいポイントでもあります。

私が国税局の調査官として勤務していた頃、良かれと思って行ったこの方法で失敗したケースを数多く見てきました。 本来なら非課税のはずの贈与が、なぜ税務署に問題視されてしまうのか。元国税調査官の視点から、その理由と落とし穴をわかりやすく解説します。

「定期贈与」と見なされると一括課税される

毎年110万円を10年間贈与すると、総額1,100万円を渡せます。

しかし税務署の目には、これが「最初から1,100万円を渡すことを約束した定期贈与」と映ることがあります。

定期贈与と判断されると、贈与が始まった初年度に1,100万円全額に対して贈与税が課せられます。せっかくの節税対策が、逆に多額の税金を招く結果になってしまうのです。

これを避けるためには、「毎年、その都度お互いが合意して贈与を行った(単発の贈与の積み重ねである)」という事実を残すことが不可欠です。具体的には、金額の多寡にかかわらず毎年個別に贈与契約書を作成する、贈与を受けた側が実際に管理・使用できる口座に振り込む、といった対策が必要です。

なお、ネット等で「毎年時期や金額を変えれば定期贈与とみなされない」という俗説を見かけますが、時期や金額を変えても「最初に一括して渡す約束があった」とみなされれば課税対象になります。本質的な対策は、毎年の確実な契約締結です。

「名義預金」は贈与とは認められない

「子どもの名義で口座を作り、そこに毎年お金を入れている」という方も多いのですが、実はこれが税務調査で最も問題になるケースの一つです。

通帳や印鑑を親が管理していた場合、税務署はその口座を「子どもの財産」ではなく「親の財産(名義預金)」と判断します。名義は子どもでも、実質的な所有者は親とみなされ、相続時に相続財産として計上されます。

贈与として認められるためには、子どもが自分で管理できる口座であること、贈与を受けたことを子ども本人が認識していること、この2点が最低限必要です。

生前贈与の加算期間が「3年」から「7年」へ段階的に延長中

もう一つ見落とされがちなのが、「相続開始前の一定期間内に行われた贈与は相続財産に加算される」というルールです。

従来は「亡くなる前3年以内」でしたが、2024年1月以降の法改正により、段階的に「亡くなる前7年以内」へと期間が延長されています。

高齢の親が亡くなる直前に急いで贈与を始めても、3〜7年以内の分は相続税の計算に含まれてしまいます。相続対策は早めに、長期間かけて行うことが重要です。

まとめ

暦年贈与は正しく使えば有効な相続対策です。しかし「毎年同額・同時期」「通帳を親が管理」「直前に慌てて実施」という3つのパターンは、税務調査で問題になりやすい典型例です。

贈与契約書の作成と、専門家への相談を組み合わせることで、確実な対策を取ることをおすすめします。


ライター:田中 仁
元銀行員・国税調査官の経験を活かし、金融・税金・手続きに関する情報を、専門知識がない方にもわかりやすくお届けします。「お金のリアル」を伝えることを心がけ、実務経験に基づいた正確な内容と、読者の共感を呼ぶストーリー性を両立した執筆を得意としています。

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