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子どもの口座に“毎年100万”を振り込んだ父→「贈与になっている」と思いきや…10年後、40代娘を襲った“想定外の事態”

  • 2026.7.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「子ども名義の口座に毎年お金を入れているから、贈与になっているはず」そう思っている方は少なくありません。しかし通帳や印鑑を渡していても、贈与として認められないことがあります。

今回は、父から長年贈与を受けていたつもりが「名義預金」と指摘されかけた40代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「父が私名義の口座にお金を貯めてくれていました」

40代のAさんは、父を亡くし、相続の手続きのために銀行の窓口を訪れました。手続きを進める中で、Aさんはこう話しました。

「父は、私と歳の離れた兄の2人に、毎年100万円ずつ贈与してくれていました。私の分は高校生の頃から10年ほど続けてくれて、1,000万円ほど貯まっているはずです」

「通帳と印鑑は、父から『これはあなたの口座だから』と渡されていました。ただ、当時は私も学生でしたし、社会人になってからも父が『まだお前が管理するのは心配だ』と言って、入金や記帳は父がずっとやってくれていたんです。私は残高がいくらあるかも、はっきりとは知りませんでした」

一方、兄は贈与が始まった当時すでに成人して独立していたため、通帳もキャッシュカードも自分で管理し、毎年父と贈与契約書を交わしていたといいます。必要なときには自分の判断で引き出して使っていたそうです。

「これは名義預金かもしれません」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

担当者は、その話を聞いて表情を引き締めました。

「Aさん、その口座は『名義預金』と判断される可能性があります」
「名義預金…?私の名義ですし、通帳も印鑑も持っていたのですが」とAさんは戸惑いました。

名義預金とは、口座の名義人と、実際にお金を出して管理していた人が異なる預金のことです。名義がAさんであっても、実質的にお父さまの財産だと判断されれば、相続財産に含まれることになります。

「税務署は口座の名義ではなく、実質で判断します。お金の出どころは誰か、誰が管理していたか、そして何より『贈与が成立していたか』が問われます」と担当者。

贈与は、あげる人ともらう人、双方の合意があって初めて成立します。Aさんの場合、通帳と印鑑は手元にあったものの、実際の入金や管理は父が続けており、Aさん自身は残高も把握していませんでした。一度も引き出したこともなく、贈与契約書も作っていません。

「お兄さまの場合は、ご自身で管理され、贈与契約書も交わし、実際に使っていらっしゃった。同じお父さまからの贈与でも、管理の実態によって扱いが変わってくるんです」と担当者は説明しました。

「基礎控除に収まって、ぎりぎりセーフでした」
不安になったAさんは、税理士に相談しました。やはりAさん名義の1,000万円は名義預金と判断される可能性が高く、父の相続財産に含めて考える必要があるとのことでした。

Aさんの家族は、相続人が母とAさん、そして兄の3人。基礎控除は3,000万円+600万円×3人で4,800万円です。父の遺産は預貯金や自宅などで約3,500万円。ここに名義預金の1,000万円を加えると4,500万円となり、基礎控除の範囲内に収まりました。

「結果的には相続税の申告は不要でしたが、もし遺産がもう少し多かったら、申告漏れになっていたかもしれません」とAさん。
「父は良かれと思ってやってくれていたのだと思います。でも、贈与のつもりが贈与になっていなかったなんて…。兄のように、私もきちんと自分で管理しておけばよかったです」と話してくれました。

贈与は「もらう側」もきちんと理解して管理を

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

  • 名義預金とは、口座の名義人と、実際にお金を出して管理していた人が異なる預金のこと。名義ではなく実質で判断される
  • 通帳や印鑑を名義人に渡していても、実際の入金や管理を贈与する側が続けていると、贈与として認められない可能性がある
  • 贈与は「あげる人」と「もらう人」双方の合意があって初めて成立するため、もらう側が口座の存在や残高を把握していないと贈与とみなされにくい
  • 贈与を確実にするには、毎年贈与契約書を作成し、もらう側が自分で通帳・印鑑・キャッシュカードを管理し、自由に使える状態にしておくことが大切。さらに「普段使っている生活口座」に振り込んでもらったり、実際に一部を引き出して使ったりして「本人が管理・消費している実態」を残すとなおよい
  • 未成年の子への贈与で親が管理していた場合も、成人後は本人にきちんと引き継ぎ、本人が管理する状態にする
  • 名義預金と判断されると、相続財産に含まれて相続税の課税対象になり、申告漏れになると延滞税や加算税が発生することもある
  • 贈与について不安がある場合は、早めに税理士や税務署に相談することをおすすめする

贈与は「する側」だけでなく「もらう側」もきちんと理解し、自分で管理することが大切です。ご家族間の贈与についてお悩みの方は、ぜひ早めに税理士や窓口へご相談ください。


参考:
贈与税がかからない場合(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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