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“指定校推薦”を希望した高3娘→「受験料を抑えられる」と安心するも…入学手続きで40代両親を襲った“思わぬ出費”

  • 2026.7.17
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

指定校推薦では、複数の大学を受験する一般選抜に比べ、受験料や交通費を抑えられる場合があります。そのため、「推薦なら大学進学にかかるお金も少なくなる」と考えるご家庭もあると思います。

しかし、注意したいのは合格後の支払いです。学校推薦型選抜は一般選抜より早い時期に合否が決まるケースが多く、大学によっては年内に入学金や前期授業料などを納める必要があります。

今回は、「指定校推薦なら安く済む」と考えていた40代夫婦が、合格後の納付額と期限を確認して慌てた事例を紹介します。

「受験は1校だけ」で安心…11日後に必要だった68万7,000円

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

会社員の夫49歳とパート勤務の妻47歳には、高校3年の長女と中学2年の次女がいました。住宅ローンは月9万8,000円、次女の塾代は年間約33万円です。

夫婦は長女の大学進学に向けて、学資保険を含めて約136万円を用意できると見込んでいました。ただし、そのうち60万円を受け取れるのは翌年2月です。

夫婦は「入学する直前までにお金がそろえば大丈夫」と考えていました。

当初、長女は私立大学3校に合計4方式で出願する予定でした。受験料と交通費を合わせて、約15万円かかる見込みです。
ところが、高校3年の夏に長女が指定校推薦を希望しました。今回検討していた指定校推薦では、出願するのは1校です。夫婦は「受験料を抑えられるので、進学資金にも余裕ができそう」と安心したそうです。

しかし、志望校の入学手続を確認すると、12月上旬の合格発表から11日後までに、入学金22万円、前期授業料39万5,000円、施設設備費など7万2,000円を納める必要があると分かりました。合計は68万7,000円です。

その時点ですぐに使える教育資金は76万円でした。入学手続に必要なお金を支払うと、手元には7万3,000円しか残りません。さらに同じ時期には、車検14万8,000円と次女の冬期講習9万6,000円の支払いも控えていました。

FPと年末までの家計を整理した夫婦は、「受験料が安くなっても、まとまった支払いが早く来れば、家計が楽になるとは限らない」と気づいたのです。

※今回の事例は、プライバシー保護の観点から、個人が特定されないよう内容を一部調整しています。

推薦で見落としやすいのは「金額」より「納付期限」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

学校推薦型選抜は、一般選抜より早い時期に結果が出るケースが多いため、大学によっては年内に入学手続が必要になります。

支払い方も大学によって異なります。入学金だけを先に支払う場合もあれば、前期授業料や施設設備費までまとめて支払う場合もあります。延納や分割納付を利用できるとは限りません。

入学を辞退した場合のお金にも注意が必要です。入学金は、納付後に辞退しても原則として返還されません。一方、授業料や施設設備費などは、3月31日までに辞退した場合には、原則として返還されます。

しかし、今回の事例のような「指定校推薦」は、大学と高校との信頼関係に基づく「専願(合格したら必ず入学する約束)」が原則です。自己都合による辞退は原則として認められず、高校や後輩にも多大な影響が及ぶため、「合格後に辞退する」という選択肢は基本的にはないものと考えておきましょう。

ただし、専願や推薦入試で合格し、入学手続をした場合などは、返還されないことがあります。実際の納付期限や返還条件は、大学の募集要項や入学手続要項で確認する必要があります。

高3の夏に「年内に使えるお金」を確認する

大学進学のお金を準備するときは、「4年間でいくらかかるか」だけでなく、「何月までに、いくら支払うのか」を確認することが大切です。

指定校推薦を検討している家庭は、高校3年の夏までに次の点を整理しておきましょう。

合格発表日と入学手続の締切日

  • 入学金、前期授業料、施設設備費の合計額
  • 一括払いか、延納や分割納付ができるか
  • 辞退した場合に返還される費用があるか
  • 年末に重なる住宅ローン、車検、塾代などの支出
  • 学資保険の受取時期と、定期預金の満期日や中途解約の条件

特に注意したいのが、学資保険や奨学金の受取時期です。

進学資金の総額が足りていても、納付期限までに受け取れなければ、入学金などの支払いには使えません。日本学生支援機構の予約採用で採用候補者になっていても、奨学金の初回振込は進学後です。そのため、高校3年の年内に必要となる入学金には間に合いません。もし「年内の支払いに手元資金がどうしても足りない」という事態が予想される場合は、早めに対策を打っておきましょう。

  • 国の教育ローン(日本政策金融公庫)の検討: 民間の教育ローンや奨学金と異なり、合格発表の前(秋口の出願時期など)から申し込むことができます。これを利用すれば、12月の合格発表直後の納付期限に資金を間に合わせることが可能です。
  • 学資保険の「契約者貸付制度」の活用: Aさんのように数ヶ月後に学資保険の満期金が入ることが分かっている場合、保険を中途解約するのではなく「契約者貸付」を利用して一時的に年内を乗り切り、2月に満期金から相殺する方法もあります。中途解約による元本割れを防ぐ有効な手段です。

指定校推薦では、受験する学校の数を減らし、受験料や交通費を抑えられる場合があります。ですが、指定校推薦だからといって、大学へ納める費用が必ず安くなるわけではありません。「一般受験より安い」という印象だけで判断せず、合格後に必要な金額と納付期限を確認し、年内に使えるお金を分けて確保しておくことが重要です。


執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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