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アルコール摂取は「ごく少量」でも危険、どのくらいまでが低リスク?

  • 2026.6.15
The Good Brigade / Getty Images

アルコールの摂取とがん発症リスクの上昇に関連性があることは、すでに過去の数多くの研究結果によって示されている。さらに、ジャーナル『ネイチャー・ヘルス』に新たに発表された論文によれば、がんと診断されるリスクは、「わずかな量」のアルコールで高まることがわかったという。

アルコール摂取の影響に関する過去の研究843件の結果を分析し、10種類のがんと4種類の心血管疾患、6種類の疾患(肝硬変など)との関連性について調べたところ、10種類のがんを発症するリスクは、アメリカで推奨される1日あたりの摂取量、「女性は1杯、男性は1日2杯まで」をはるかに下回る量でも高まっていた(1杯はアルコール度数5%のビールなら約355ミリリットル、12%のワインなら約150ミリリットル)。

いっぽう、専門家たちはこうした結果について、「驚くことではない」としている。

「ここまでならOK」な飲酒量がある?

この研究結果が「驚くべきものではない」理由について、がん専門病院であるモフィットがんセンターのキャサリン・イーガン博士(がん疫学研究)は、「アルコールは(ヒトへの)発がん性が確認されている毒素です」と指摘する。

純アルコールを1日にわずか0.35オンス(約10ミリリットル)摂取していた場合でも、喉頭、大腸(結腸・直腸)、食道、乳房、肝臓、膵臓、前立腺のがん発症のリスクは高まっていたという。

また、ピッツバーグ大学精神医学科のナターシャ・デジェナ准教授(臨床トランスレーショナルサイエンス・疫学)はこの結果について、「(これまで女性に推奨されてきた)『1日1杯まで』を守っていても、安全ではないということです」と述べている。特に咽頭がんは、その範囲内での摂取でも、発症リスクが105%上昇していたという。

リスクが高まる程度は摂取量によって異なるものの、アルコールは「たとえ1杯でも、摂取すればリスクは明らかに高まる」ことがデータによって示されたことになる。1日1杯を摂取していた場合、それぞれのがんの発症リスクは、次の割合で高まっていた。

  • 乳がん:13%
  • 大腸がん:17%
  • 食道がん:32%
  • 肝臓がん:2%
  • 膵臓がん:5%
  • 前立腺がん:4%
  • 胃がん:3%
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その他の研究結果

連邦政府の委託を受けて実施された研究でも、アルコールの摂取と大腸(結腸・直腸)がん、乳がん、肝臓がん、口腔がん、咽頭・喉頭がん、食道がんによる死亡リスクの上昇の関連性が確認されている。

さらに、世界保健機関 (WHO)の研究チームは2021年に医学誌『ランセット・オンコロジー』に発表した論文で、アルコールは「摂取量にかかわらずがんの発症リスクを高め、そのリスクは摂取量が増えるごとに高まる」ことを指摘している。

2020年に世界で新たにがんと診断されたケースのうち、約75万件はアルコールの摂取と関連しており、そのうち10万以上において、摂取量は少量から中程度だったという(なお、アメリカでは全体としてアルコールの摂取量が減少しており、グローバルな分析や調査を行うギャラップ社が2025年に公表した調査結果によると、飲酒の習慣がある成人の割合は、過去最低の54%だった)。

そもそも飲酒はなぜ危険?

デジェナ准教授は、アルコールは「社会的に受け入れられており、多くの社会的儀式の一部になっていますが、実際には毒素です」と指摘する。アルコール飲料に含まれるエタノールは体内で分解され、発がん物質であるアセトアルデヒドが生成される。

准教授は、「アセトアルデヒドはたとえ含有濃度が低くても、DNAと反応し、DNAに損傷を引き起こします。その結果として起きるのが、がんの原因となるDNAの突然変異です」と説明している。

そのほかアメリカがん協会(ACS)は、「アルコールによって体内に炎症が広がれば、有害な化学物質の吸収と排出の方法に変化が生じ、エストロゲンやその他のホルモンの分泌量が増加することで腫瘍の増殖が促されたり、体重が増加したりすることになる」としている。それらはすべて、がん発症のリスクを高めることになるという。

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重要なことは──

イーガン博士は、アルコールの摂取によって高まるリスクについて、「重要なのは、少量(例えば週に1杯以下)ならばほとんど無視できる程度である」ということだと述べている。つまり、「ときどき飲む」程度であれば、特に問題はないと考えられるという。

ただ、習慣的に飲酒している場合は、摂取量を減らすことを検討する必要があるかもしれない。「最善の策は、まったく摂取しないこと」だとするACSは、もし飲むのであれば、「『1日あたり女性は1杯、男性は2杯』を超えないようにすること」が重要だとしている。

デジェナ准教授もまた、「最も健康的なのは、禁酒することです」としており、イーガン博士もそれに同意している。「ときどきの少量の飲酒はおそらく大きな問題にはならない」としながらも、「習慣的な飲酒には、がん以外にも、多くのマイナス面があります」と話している。

慢性病のリスクを低減させ、健康寿命を延ばすことにつながるのは、「飲酒をしないこと、運動する習慣を身につけること、健康的な食事をすること、禁煙すること」だとされている。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Prevention

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