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「あれ、お隣のクラスのママさんだよな?」美人なママ友を見つけた夫。だが、娘の一言で大恥をかいたワケ

  • 2026.6.15

雰囲気のいいお店で

娘がまだ幼稚園に通っていた頃の話だ。その夜、私たち家族は雰囲気のいいビュッフェのお店で夕食をとっていた。やわらかい照明に、ゆったりした席。家族の外食としては少し贅沢な一夜だった。

料理を取って戻ると、夫が急にそわそわし始めた。視線の先には、幼稚園で見かける美人なママ友の家族がいた。

「あれ、お隣のクラスのママさんだよな?」

夫の声が、いつもより少し弾んでいる。私は気づかないふりをして、娘のお皿を整えていた。

不自然なタイミング

しばらくして、そのママ友がサラダコーナーへ立った。すると夫が、待っていたかのように腰を上げる。

「子どものサラダ取ってあげなきゃ」

普段、家では取り皿一枚運ばない夫だ。それが急に、世界一やさしい父親の顔をしている。私は内心であきれながら、口元だけで笑った。

「いいパパねえ」

私がそう声をかけると、夫は得意げに胸を張った。

「当たり前だろ。父親なんだから」

けれど、娘の手を引いてサラダコーナーへ向かう夫の足は、まっすぐ料理のほうへは進まなかった。

ママ友のすぐ後ろに、ぴたりとついていく。トングを手に、それとなく話しかけるすきをうかがっているのが、離れた席からでも丸わかりだった。

ママ友のほうは、夫の意図に気づいているのかいないのか、軽く会釈をしてレタスを皿に盛っている。その横で、夫はやけに時間をかけて、同じトマトを取ったり戻したりしていた。

店内に響いた一言

そのときだった。娘が、トングを握る夫を見上げて、店中に響くような大声を出した。

「パパが動いてるー!」

近くにいたお客さんが、何事かとこちらを振り返る。夫の手が、ぴたりと止まった。

「し、しっ、声が大きいよ」

「だってパパ、いつもおうちで座ってるのに!」

娘はきょとんとした顔のまま、見たままを言っているだけだった。夫の顔が、見る間に赤くなっていく。

「い、いや、パパだって普段から動いてるぞ」

言い訳の声が、自分でも裏返っているのに気づいたのだろう。夫はそれ以上続けられず、サラダもそこそこに席へ引き返してきた。

ママ友はというと、口元を手で押さえて、こらえきれない様子で小さく笑っていた。隣のテーブルの人も、ふっと吹き出している。

「……ごちそうさま、もう帰ろうか」

席に戻った夫は、すっかり小さくなって、それきり立ち上がろうとしなかった。さっきまでの張り切りようは、どこにもない。私は娘の頭をなで、心の中で大きな拍手を送った。

「パパ、また動いてみる?」

娘の無邪気なひと言に、夫はもう何も返せなかった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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