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「中学で自走する子って都市伝説ですか?」私立中学入学後、母の仕事が減ると思っていたけど違ったお話

  • 2026.6.14

受験が終われば、育児もひと段落だと思っていました

中学受験が終わったあの日、私は確かに思っていたのです。「ああ、やっとここまで来た」「これで少しラクになる」「もう【勉強見張り係】を卒業できる」と、パンパンにテキストが入っている塾バッグと大量の過去問に囲まれながら子供とともに走ってきた母なら、一度は夢見るであろう【育児第二章の平穏】を、私はわりと本気で信じていました。だって、中学受験時代の親って本当に忙しいじゃないですか。今日やるタスク表を作り、テストを管理し、過去問をコピーし、漢字の直しを見届け、なぜか親まで理科の浮力を理解し直し、社会の年号で脳を痛め、「お母さん、プリントどこ?」の声に条件反射で立ち上がる日々を送ってきたわけですから、6年生の1・2月が終わり、中学入学まですぐそこ。ここまで来たら少しはラクになるだろうと思うのも、まあ自然な感情だったと思うのです。だから私は、入学式の日に少し感動しながら、「ここから先は、自分でやるフェーズなのだろうな」と、桜の木を見上げながらしみじみ思っていました。ええ。完全に甘かったですね。もちろん、学校によりますよ。進学した学校により、親子の負担は全然違うと思います。んが!聞いてください。我が家のリアルを。

私立中学、そこには【親の新しい種類の仕事】がありました

ある日、私立中学に通う息子に言われました。「明日、“いろはにほへと…”全部覚えないといけないんだよね」えっ、そうなの?「すぐに覚えなよ」私は反射的に即答しました。すると息子は、床にゴロゴロしながら、「えーーー。めんどくさい」と、この世の終わりみたいな声を出してくるわけです。うん。いや、分かる。めちゃくちゃ分かる。中学のカリキュラムはビックリするほど早い。特に中高一貫校は、中1・中2で中学3年間を終わらせます。もちろん学校によりますが、課題がめちゃんこあるのです。英単語、漢字、小テスト、プリント提出、作文、調べ学習、音読、課題図書、もはやこちらも「今、自分は子育てをしているのか、プロジェクト進行管理をしているのか」が分からなくなってきます。しかも今は便利な時代なので、それらがロイロ、Teams、メールなど、四方八方から静かに飛んでくる。そんな中で突然現れる、“いろはにほへと暗記”。確かに。やってこなかったね。古文なんて、中学で“はじめまして”だもんね。ということで私は、YouTubeで“いろはうたを歌で覚えられる動画”を探し始めました。令和の母です。昔なら「気合いで覚えなさい」で終わっていたものが、今はまず検索、比較、レビュー確認、そして『なるべく耳に残りやすそうなテンポの動画選び』まで始まるので、親の仕事が地味に高度化している気がします。待って待って。正直、子供本人にしてもらいたい。ただ、長男は他の課題に取り組んでいる最中。あれもこれも、課題がドンドン降りかかり、いろは歌探しは完全に外注したいモード。そして、下請けの母はポチポチと探す。見つけた!と、YouTube再生。♪い〜ろ〜は〜に〜ほ〜へ〜と〜すると、思春期ど真ん中の息子。「音うるさい」「何回も流さないで」「頭入ってこない」いや、じゃあ自力で覚えてくれ。母もイライラしながら一旦退出。どうしようか考えつつ、廊下で繰り返し『いろはにほへと』を流します。部屋に1人でいる息子はノーコメント。あれだけ「うるさい」と文句を言っていたのに、数時間後、風呂場から小声で「い〜ろ〜は〜に〜」と聞こえてきた時には、ちょっと笑ってしまいました。覚えとるやないか。他にも、なんやそれ案件は多発しています。聞いてくださいな。

『提出物を出す』が出来ない問題

中学受験をした子って、勉強はそこそこ出来たりするんです。特に中学の範囲は。中学受験と被っている部分が多いので。難しい問題も解けるし、歴史年号も覚えているし、英単語テストでもそこそこ点を取るのですが、なぜか“提出物を期限までに出す能力”だけは別スキルらしく、そこは驚くほど育っていなかったりする。私は未だに、「難関校の問題は解けるのに、提出物だけ消失する現象」はかなり大きな研究テーマになると思っています。しかも中学になると、提出物がかーなーり静かなんですよ。小学校みたいに「明日これ持ってきてくださいねー!」と先生が毎日声を張ってくれる世界ではなく、ロイロやTeamsにサラッと書かれて終わるので、本人が見逃したら、そのまま静かに終わる。そして、本人は当然のように見ていない。結果、母が寝る前などに声掛けする。一応、iPadみてみたら?でも、本人はぐずぐず。結果、母が確認する。「ねえ、これ今日提出じゃない?」「あ。」この、“あ。”に、どれだけの情報が詰まっていることか。焦り。絶望。ワンチャン間に合うかもしれない希望。すべてが、一文字に凝縮されている。しかも男子って、“探し物をする能力”が壊滅的だったりしませんか。「プリントどこ?」「知らない」いや、こちらも知らない。で、最終的に、母が見つける。教科書の間、ベットの隅、なぜか別教科ファイルの中、そして高確率で“ぐちゃっ”となって出てくるプリント。あれを見るたびに、「提出物を綺麗に持ち歩ける子って、実はかなり高度な人類なのでは?」と思うのです。うーむ。これ、“自走”どころか、“別の車両に乗り換えただけ”では?

小テストという名の、終わらないモグラ叩き

私立中学に入って驚いたことのひとつが、小テストの多さです。英単語テスト、漢字テスト、古文単語テスト、数学小問テストと、『今日の範囲ここだけです』みたいな顔をして毎日やって来るのですが、その『ここだけ』が永遠に続くので、気付けば家の中が常にテスト前みたいな空気になっています。時期に慣れると思うのですが、まだこれに四苦八苦しているのが正直なところ。でもって、提出物も小テストも“落とすと積み上がる”システムです。小さな範囲のテストも、追試、補習、再テストがあったりする。んでもって、提出物は、提出をサボると債務が滞るかのように、蓄積しまくります。1つ1つはそこまで重くなくても、重なると多重債務者みたいになる。変な汗をかく。たまりにたまると何が、どのタイミングで締め切りなのか。スケジュール管理すら困難になります。提出物の内容や質は本人に任せますが、これだけ提出物が多いと、1人で管理できる中1はいるんかいな?状態。私自身、声掛けだけは、嫌がられながらも、しゃーなしでする。実際、「お母さん、気が付いてくれてありがとう。」とチョロッとだけ感謝されることもあるので、よし、またサポートしよか。とも思う現金な母でございます。もちろん夫には、「もう中学生なんだから本人に任せたら?」と始めの方は言われました。ただ、徐々に現実を知ってくると、放任主義の夫ですら、「慣れるまで、課題の声掛けは親がしてあげてもいいかもね。多すぎるよ。」と言い出しました。でもって、小テストの点数よ。もーこれは、完全に私の悪い癖。本人より親の方が小テストを気にしている。「今日、漢字どうだった?」「普通」この“普通”という返事ほど信用ならないものはない。結果発表を見ると、全然普通じゃない。むしろ冷や汗ダラダラのホラー映画。夏の始まりなのに、すでに震えが止まらない。

私立中学校、『手が離れる』ではなく、『マネージャー業になる』だけだった

最近、気付きました。中学生育児って、“終わる”のではなく、“業種変更”でした。我が家の場合。小学生時代は現場監督でしたが、中学からは完全にマネージャー業で、スケジュール確認、提出物声掛け、メンタルフォロー、時々“いろはうた暗記サポート”まで入ってくるので、仕事内容が思っていた以上に幅広い。いや~~思春期に両足突っ込んでいるので、親としても気を遣う。めっちゃややこしい!まぁ、これも本当に学校によるんですけどね。しかも本人は、ちょっと大人ぶっている。「大丈夫だから」「分かってるから」「今やろうと思ってた」を基本装備している。いや、分かっていたら、その提出期限は昨日なんですよ。そして、中学生男子って、“ギリギリまでやらない才能”だけ異常に高い。夜22時。弟たちも寝静まり、さぁ寝ようかという瞬間に、「あ、英単語50個テスト明日だった」と言い始める。なぜ今。なぜ人は、寝る前に重大発表をするのか。しかも、どこか他人事。「まあ、なんとかなるっしょ」ならん。こちらは、あなたが“なんとかならなかった世界線”を何度も見ている。あなたはチラ見で高得点を取れるような器用な人間ではない。だから胃が痛い。でも、親は手を出し過ぎず、グッと我慢してボロボロの点数を取って、これじゃダメだと気が付き、改善してくれる子供をみなくては。それが本人のためにもなる。はず。なので、スルーよ。ここはスルー。もう小学生ではない。もう中学生。「ためになったね〜、ためになったよ〜」突然、【もう中】の持ちネタが頭をよぎる。私も限界がきているのか。親は見守るしかない。うん。たぶん、親は待つしかないのです。彼ら彼女たちの成長を。提出物の多重債務者になっても、補講を何回も受けることになっても、赤点を取ろうと。自分のことは自分で出来るようにするチャンスが、中学生生活にはばら撒かれています。成長の機会や恥をかく機会を親が詰み取る訳にはいかない。一方で、もどかしいことに、大人はどうしたら良いか、答えを知っている。でもその答えや正論は、思春期の我が子には刺さらない。ウザいと思われて終了。難しいよね~

『自走する子』は、たぶん急には完成しない

SNSを見ると時々いるんです。「うちの子は完全に自走しています」「親はノータッチです」というご家庭が。たぶん、いるのでしょう。ユニコーンくらいの確率で。でも、我が家は違いました。普通に声掛けが必要ですし、普通に忘れますし、普通に「いろはにほへと」を嫌がります。でも最近、少し思うのです。きっと【自走】って、ある日突然完成するものではないのでしょう。忘れて、怒られて、失敗して、ギリギリで提出して、「ヤバい!」を繰り返しながら、少しずつ覚えていくものなのだと思うのです。そして親もまた、“手を離す練習”をしている途中なのかもしれません。つい口を出したくなる。つい確認したくなる。「提出物ある?」「明日の用意した?」「テスト範囲見た?」気付けば毎日言っている。でも、これもきっと今だけなのですよね。あと数年したら、「うるさい」と言われることすら減っていくのかもしれない。高校生になれば、完全に自走が完結するでしょう。そう思うと、ちょっとだけ寂しい。…いや、やっぱり今は普通に腹立ちますし、早く自分でやってくれ。ちなみに、「もう覚えた」と言っていた“いろはにほへと”。実はテストが来週だったと発覚。なんだそれ。急がなくて良かったじゃん。本人も、「もう大丈夫。楽勝!」と言うので、1回だけ声にだしてみて。とお願いしてみると、「いくよ、いろはにほへと〜ちりぬるを〜…あれ?次なんだっけ?」知らんのかい。そんなふうに文句を言いながら、反抗しながら、少しずつ大人になっていくのでしょう。今日も私は、「提出物ある?」と聞きながら、隣の部屋から聞こえる、♪い〜ろ〜は〜に〜ほ〜へ〜と〜を聞いています。これ、たぶん親の方が先に完璧に覚えるな、というか、いろはうたの無限ループがすでに親の頭の中に鳴り響いているんだけど…ではまた!

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