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増田美加さんが婦人科・泌尿器科医に聞く、女性のための健康リテラシーの高め方

  • 2026.6.14
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リシェス世代が、今後の健康を考える上で避けて通れないさまざまな課題への取り組み方について、女性医療ジャーナリストの増田美加さんが、女性のヘルスケアに強い婦人科や泌尿器科などのドクターに取材。ロンジェビティ(健康長寿)を目指すヒントとなる、医師自らの養生法なども教えていただきます。

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<Profile>
増田美加(ますだみか)/女性医療ジャーナリスト

女性の医療、ヘルスケアを専門に執筆・講演活動を行う。乳がん経験者として乳がんや乳がん検診の啓発活動にも積極的に関わる。小社刊の女性誌『婦人画報』で医療連載を約15年にわたり継続。主な著書に『医者に手抜きされて死なないための患者力』(講談社)ほか。

人生100年時代、女性医療とうまく付き合うには?

KENICHI YOSHIDA

日本人女性の平均寿命と健康寿命との差は約12年。現状では健康でイキイキと自分らしく生きられるのは75歳まで。健康寿命を延ばすには、更年期世代にその分かれ目があり、病気を予防し、早期発見することが健康長寿への近道です。最先端、最新、高額な医療が必ずしもエビデンスの高い優れた治療とは限らないところが選択の難しさ。紹介する更年期以降の女性の医療に日々立ち向かっている医師からの言葉で、ヘルスリテラシーを高めていただけたらと思います。

【安倍弘和医師】閉経後は腟、尿路・骨盤底を意識。攻めの予防戦略が重要

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<Profile>
安倍弘和(あべひろかず)/日本橋骨盤底診療所 所長

医学博士。大阪医科大学卒業。大阪医科大学附属病院泌尿器科ほかを経て、亀田総合病院泌尿器科部長・内視鏡下手術センター長。山梨大学医学部臨床教授。日本泌尿器科学会指導医・専門医。女性泌尿器はもちろん、女性特有の骨盤底、姿勢、体幹の診療実績が豊富。

「ロンジェビティに重要なのは、ホルモン変化を正しく理解し、体の土台を守り、違和感を我慢しない姿勢」と話す安倍医師。更年期世代の女性は女性ホルモンのエストロゲンの低下によって、腟・尿路・骨盤底筋に静かな変化が起こります。頻尿、尿漏れ、腟乾燥、性交痛などは年齢のせいではなく、将来のQOL(生活の質)低下の予兆なのです。骨盤底には早い段階で意識を向けることが大切。骨盤底とは筋肉、筋膜、靱帯、神経などからなる内臓を支える骨盤の底を指す、閉経以降の健康の肝です。「骨盤底は、姿勢・呼吸・体幹と連動するため、運動・リハビリ・適切な局所治療を早期に取り入れることが若々しさと自立を守ります。骨盤底の不調を放置しないことこそ女性のロンジェビティ戦略です」と泌尿器科医だからこその言葉。「私自身、猫背が原因で肩凝りや腰痛に悩み、さらに骨盤痛が重なる時期も。その不快感は気分や集中力にも影響します。しかし姿勢と筋肉、疼痛の関係を理解することで、体の使い方が変わり、運動習慣や筋トレ、スポーツ時の動作まで良い循環が生まれました」。クリニックに導入されている医療機器もその延長線上にあります。「例えば体外衝撃波治療やフェムゾーンの血流のコンディション維持のためのインティマレーザー、骨盤底筋を整えるスターフォーマーなど。骨盤底を整える攻めのセルフマネジメントです」

更年期の女性には、「同世代の自分の妻のロンジェビティを支える」視点で向き合っているという安倍医師。「症状の奥にある、人生の流れを理解する姿勢を大切にしています」ともいいます。診療所では、妻である理学療法士による、骨盤底リハビリテーションなど、きめ細かな対応を行っています。 Hearst Owned

【今井 愛医師】更年期のエイジングマネジメントには、ホルモンを上手に使う

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<Profile>
今井 愛(いまいまなみ)/麻布十番まなみウィメンズクリニック 院長

医学博士。北里大学医学部卒業。同大学産婦人科教室入局。イタリア・ナポリ大学留学、北里大学産婦人科学専任講師ほかを経て、現職に。日本産科婦人科学会専門医。「女性の気持ちの理解者はやはり女性」と婦人科を身近に感じてもらえるよう、個々に寄り添った医療を行う。

人生100年時代といわれ、寿命が延びた今こそ、健康が貴重な財産になります。「体の健康年齢だけでなく、はつらつとした印象を保つためには、“毎日”の日常生活をどう過ごすかが大事。日々、健康に気を使い、見た目の美しさのためにも体の内側からのケアを怠らないことです」と今井医師。更年期女性の内側のエイジングケアのためには、自身も行っているホルモン補充療法(HRT)やプラセンタ治療を勧めることも、と話します。さらに、運動とライフワークバランスを大事にしているとのこと。「毎日の診療の合間に運動(スポーツジムでの筋トレやホットヨガ)は欠かせません。普段の診療では体を動かすことがほとんどないので、もう10年以上続けています。肉体面だけでなく精神面のストレス発散にも役立っています。また、休暇が長く取れるときには旅行に行きます。やはり仕事とプライベートでメリハリをつけることが大事だと思っています」。40~50代女性は、今井医師とまさに同年代。更年期世代の女性には、共感を持って診療に当たっているのがよく分かります。「自分と同じような更年期症状で相談されると、つい話が長くなってしまうこともある」とのこと。更年期はこれまで経験したことのない、さまざまな不調が訪れる時期。更年期症状ではない場合は、適切な専門医を紹介してくれるのも信頼できるところです。

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【髙宮城直子医師】定期的ながん検診を忘れずに、更年期症状は婦人科で治療を

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<Profile>
髙宮城直子(たかみやぎなおこ)/NAOKO女性クリニック 院長

佐賀医科大学卒業。同大学産婦人科入局。琉球大学医学部産婦人科、米国コーネル大学医学部生殖医学センター留学ほかを経て、現職。産婦人科専門医。女性ヘルスケア専門医。日本女性財団理事フェムシップドクター。女性のヘルスケアをホルモン剤や漢方薬で治療している。

これからのロンジェビティには、がんの早期発見、早期治療が基本です。きちんと検診を受けることが欠かせないのです」と髙宮城医師。初期の子宮頸がんは全く症状がなく、かかっていても気付かないため、定期的な検診が重要。増加傾向が止まらない乳がんには、マンモグラフィーと超音波検査を両方受けることが更年期世代には重要なのです。子宮体がんも増加する年代のため、不正性器出血(月経以外の出血)や閉経後の出血はすぐに婦人科を受診してください。また胃がん、大腸がん、肺がんの検診も忘れずに。まさに更年期世代はがん好発期に差し掛かるのです。「その上で、ホルモン補充療法(HRT)や漢方で不調を改善し、適切な栄養摂取(タンパク質・鉄・カルシウムなど)が必要です」とのこと。女性は閉経による女性ホルモンの低下により生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)や骨密度の低下が起こります。「ひいては骨粗しょう症になり骨折、フレイル(心身の虚弱状態)から寝たきりへとつながり、健康寿命が短くなります。私は自分のロンジェビティのために、HRTを継続し、良質な食事・運動・睡眠を心掛けながら、自分がやりたいこと楽しんで過ごすようにしています。60歳からは診療だけでなく社会貢献活動も行なっています。“人生の主人公は自分”をモットーに楽しく長生きできると良いですね!」

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【中村りょう子 医師】美容的技術に骨盤底や排尿の医学知識を融合させた、フェムテック医療に深く精通

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<Profile>
中村りょう子(なかむらりょうこ)/女性医療クリニックLUNA ネクストステージ 院長

横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学附属病院ほかを経て、現職。泌尿器科・女性骨盤底医学の専門医として「年齢や出産に伴うフェムゾーンの変化」に悩む女性たちに、医学的根拠に基づいた正しい腟治療を届けている。国際フェムテック医療美容研究会理事。

「40~50代の女性は仕事や家庭で中核を担い、多忙な日々の中で自身のケアを後回しにしてしまいがちです。しかし、女性ホルモンの劇的な揺らぎに直面するこの時期の心身の負担は、決して本人の気力だけで解決できるものではありません」と中村医師。特に頻尿、尿漏れ、外陰部の違和感や性交痛などのフェムゾーントラブルは、40代から顕著になります。デリケートな悩み故に誰にも相談できず、一人で抱え込んで受診を諦める人も少なくありません。「私は一人一人が抱える“なんとなくの不快感”や“言葉にしにくい違和感”こそ、未来のロンジェビティを左右する切実なサインだと捉えています」。中村医師は、患者一人一人の数年先のライフステージを見据えた医療的ケアを大切にし、その場しのぎでない、本質的で持続的な治療アプローチを提案してくれます。そういう意味では、美容的技術に、骨盤底や排尿に関する医学知識を融合させたフェムテック医療のパイオニアともいえます。「ロンジェビティのためにリシェス世代が留意すべきは、ホルモンバランスの揺らぎに伴う心身の変化を加齢のせいと諦めずに、適切にケア、治療すること。 特にフェムゾーンの健康は、女性の自信と活動の質に直結します。排尿トラブルやフェムゾーンの違和感を早期に適切にケアすることで、より美しく人生を謳歌できる土台が整うと思います」

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初出:リシェスNo.55 2026年3月27日発売
TEXT:MIKA MASUDA
EDITING:MIHO KASHIWABARA

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