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シンガポール航空のエアバスA380-800に搭載される「スイート」は座席を越えた“居室”というべきハイスペックなファーストクラス

  • 2026.6.13
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リシェスなトラベルスタイルを象徴するものの一つが“ファーストクラス”。世界中の航空会社から、その最高のサービスをシリーズで紐解いていきます。第2回はそのサービスレベルの高さが、長きにわたり評価され続けている名門シンガポール航空。航空ファン垂涎の個室のような「スイート」の話題を中心に、同社ファーストクラスの魅力を詳らかにしていきます。

搭載機種により異なる、2タイプの最上位クラス

隣接する「スイート」2室をダブルで使用。 (C)シンガポール航空

シンガポール航空の客室クラスは、スイートとファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの4段階に設定されています。その最上位クラスである「スイートとファーストクラス」は、同一のカテゴリーであり運賃も同額設定。どちらが“上位”という、ランクの高低差はありません。

ゆったりとした「ファーストクラス」の座席。 (C)シンガポール航空

エアバスA380-800に設定される「スイート」は、個室タイプのデザイン。ボーイング777-300ERに設定のものを「ファーストクラス」と呼び、スイートのような個室にはなりませんが、同じくフルフラットベッドでプライベート空間が保たれた設計です。

エアバスA380-800機。 (C)シンガポール航空

現行の夏季スケジュール(2026年10月24日まで有効)では、日本(羽田・成田)に就航しているのはボーイング777-300ERなので「ファーストクラス」の利用となります。「スイート」を利用可能なエアバスA380-800が就航している都市は以下の通り;中国(上海・香港)、インド(デリー・ムンバイ)、オーストラリア(シドニー・メルボルン)、イギリス(ロンドン)、ドイツ(フランクフルト)。この夏に「スイート」を体験したい場合は、シンガポール発着のシンガポール航空便で上記の都市への旅をプランすることになります。※スケジュールおよび機材配置は突発的に変更されることがあります。

ボーイング777-300ER機。 (C)シンガポール航空

また「ファーストクラス」搭載機(ボーイング777-300ER)の就航都市は;日本(羽田・成田)、中国(北京・香港・上海)、インド(デリー・ムンバイ)、インドネシア(ジャカルタ)、オーストラリア(メルボルン・シドニー)、ニュージーランド(オークランド)、アメリカ(ロサンゼルス・ニューヨーク)、フランス(パリ)、ドイツ(フランクフルト)、スイス(チューリッヒ)、イギリス(ロンドン)、オランダ (アムステルダム)、アラブ首長国連邦(ドバイ)。シドニーやロンドンのように重複している都市は、便により使用機材が異なるので予約時に確認をしてください。

チャンギ空港から始まる、シンガポール航空のホスピタリティ

「ファーストクラス・チェックイン・レセプション」。 (C)シンガポール航空

シンガポール航空便の確定した予約を持つスイート、ファーストクラスの利用ゲストは、チャンギ空港に到着後はターミナル2と3にある「ファーストクラス・チェックイン・レセプション」に。快適なラウンジでくつろぐ間に、旅客リレーションズ担当者が搭乗手続きを行います。手続き後は専用の出国審査へ進み、さらにはラウンジまたは搭乗ゲートに向かうことになります。

ターミナル3の場合は、空港に近づく際に出発ホールDoor 1の手前で左折し、ファーストクラス・ドライブウェイに進みます。ターミナル2では、出発ホールDoor 1にてポーターサービスを利用。旅客リレーションズ担当者が出迎え、ホテルのようにポーターが手荷物を降ろし、出国審査横にある「ファーストクラス・チェックイン・レセプション」へと案内します。

(C)シンガポール航空
ターミナル3の「ザ・プライベート・ルーム」。 (C)シンガポール航空

シンガポール航空のファーストクラスラウンジは、チャンギ空港内に3カ所。その中で最もエクスクルーシブなのが、ターミナル3のシルバークリスラウンジ(後述)に併設された「ザ・プライベート・ルーム」です。こちらの利用条件は、シンガポール航空運航便のスイート/ファーストクラスへの搭乗ゲスト本人のみ。シンガポール航空のフライトでシンガポールに到着したスイートおよびファーストクラス搭乗者も利用可能です。広々とした空間には、ゆったりとした間合いを設けさまざまなデザインのテーブル&ソファが配置され、ここから既に最上級クラスでの旅が始まっていることを実感します。レストランスタイルのダイニング、子ども用のプレイルーム、ベビーケアルーム(授乳室)、シャワー(車椅子での利用も可)、クワイエットルームなどが用意されています。

(C)シンガポール航空
ターミナル3の「シルバークリスラウンジ」。 (C)シンガポール航空

ターミナル2と3にある「シルバークリスラウンジ」でも、それぞれに「ファーストクラスエリア」を用意。こちらはシンガポール航空を含めたスターアライアンス加盟航空会社便のファーストクラス利用者とその同伴者1名が利用可能です。またシンガポール航空の上級会員である「ソリティアPPSクラブ」のメンバーは、同社便での出発であれば利用クラスに関係なく、同伴者1名と共にシルバークリスラウンジのファーストクラスエリアを利用可能です。ラウンジスペースのほかライブキッチン付きのダイニングとバー、シャワー(一部車椅子での利用も可)、ベビーケアルームなどが用意され、出発までの時間を快適に過ごすことができます。ターミナル2のシルバークリスラウンジは昨年にリニューアルされたばかりです。

(C)シンガポール航空
昨年改装されたターミナル2の「シルバークリスラウンジ」。 (C)シンガポール航空

「スイート」と「ファーストクラス」の違いとは

ベッドを引き出した「スイート」の内部。 (C)シンガポール航空

エアバスA380-800に搭載されている「スイート」は、もはや座席ではなく“個室”とよぶべきデザイン。通路と居室を仕切るスライド式のドア(離陸後より使用可)の内側には、ゆったりとしたソファ、側壁に収納された専用ベッド、32インチ HD タッチスクリーンモニターが揃います。

スライドドアを閉めれば個室に。 (C)シンガポール航空

大ぶりのソファには、イタリアの誇る最高級インテリアブランド「ポルトローナ・フラウ」社製のフルグレインレザーを使用。リクライニング、座席の向きも自由自在で、離陸から着陸までゆったりと過ごすことが可能です。

通常であれば飛行機のプレミアムクラスでは、座席を変形させフラットなベッドにするのが定石です。しかしこの「スイート」では壁から引き出すような設えで、ベッドは常にベッドとして備わっています。

中央の仕切りを収納してダブルベッド仕様に。 (C)シンガポール航空

さらにユニークな機能が、部屋の中央の仕切りを収納して、豪華なダブルベッドとして利用できるダブルスイートの仕様です。大切な人と一緒の旅が、より思い出深くなることでしょう。※この機能を利用するには、隣接するスイート1Aと2A、または1Fと2Fの予約が必要です。

スイートのラバトリーには化粧直しのスペースも。 (C)シンガポール航空

手織りのカーペット、パッドが入ったウルトラレザー製の仕切り壁、そして手荷物を十分に収納できる衣装棚も用意され、この室内全体が機内という制約を忘れたかのように快適に設えられています。

「ファーストクラス」の座席。 (C)シンガポール航空

ボーイング777-300ERに設定された最上位クラスが「ファーストクラス」です。個室の仕立てでこそありませんが、機内にわずか4席というエクスクルーシブな空間で、優雅にカーブしたパーテーションがプライバシーを確保します。

優に二人分のスペースがある「ファーストクラス」。 (C)シンガポール航空

フットレストやオットーマンを含むシート全体に手縫いの高級レザーを使用し、どんな姿勢でも快適に座れるようにとダイヤモンドステッチを施しています。快適さを追求したヘッドレストとふかふかなシートバッククッションが体を包み込む、圧巻のシートです。

「ファーストクラス」もツインルーム風に。 (C)シンガポール航空

また、細かなディテールにもこだわりを発揮しています。各座席には24インチパーソナルLCDモニターを装備。座席のライティングは飛行中の読書や仕事、またクリスワールド(後述)を楽しむために、明るめからクールな読書灯まで好みの強さに設定できます。客室が暗くなると、ボタンひとつでアンビエントライトが点灯し、常夜灯としても機能します。

充実の機内食と「ブック・ザ・クック」

「ブック・ザ・クック」のメニューより。「スイート・ファーストクラス」の機内食、和牛ステーキ。 (C)シンガポール航空

フライト時の最大の楽しみといっても過言ではない機内食。スイート/ファーストクラスのゲストには、ウエッジウッド製のボーンチャイナの食器で提供される、厳選されたインフライトメニューが用意されます。その詳細は、出発の6週間前から「デジタル機内メニュー」で確認できます。

羽田・成田便では、4コース構成のインターナショナルメニューに加え、京都の名店「菊乃井」の主人、村田吉弘による日本料理メニュー「京懐石」が提供されます。この京懐石は長年にわたりSQトラベラーから好評を得ている、人気のコースでもあります。

「ブック・ザ・クック」のメニューより。「スイート・ファーストクラス」の機内食、ローストラム。 (C)シンガポール航空

同時に、「ブック・ザ・クック」というシンガポール航空が誇る、特別な事前予約サービスがあります。高度10,000mでもさまざまな味覚に応えるよう丁寧に作られた、幅広いセレクションからメインディッシュを選ぶ本格的なダイニングサービスで、これを楽しみにシンガポール航空を利用するゲストも少なくありません。搭乗機の出発6週間前から24時間前までの予約で、世界の味を堪能できる空の上のレストラン。利用可能な路線と搭乗クラスの別による全メニューの詳細はホームページで確認可能です。

名物のシンガポール・チキンライス。 (C)シンガポール航空

「ブック・ザ・クック」では、今年よりカテゴリー分けを刷新。「Wellness」メニューを取り入れています(一部路線では未導入)。これは健康や栄養バランスに配慮して、病気予防や体調管理、生活向上を目的としたメニューです。一例として、羽田発のWellnessメニューは、「リコッタとほうれん草のカネロニ」です。

もちろん体質や疾病による各種制限食やベジタリアンミール、宗教食などの特別食の用意もハイレベル。ベジタリアンだけでもビーガンからラクト・オボ(乳製品と卵は許容)まで、5種類から事前オーダー可能です。

ヘルシー志向な機内食メニューにも注力しています。 (C)シンガポール航空

こうした機内食の高いレベルとバリエーションを支えているのが、「カリナリー・エキスパート」と呼ばれる世界各地で活躍する一流のシェフたち。彼らが作り出す、産地の食材を生かしたメニューは本格的な食文化を映し出し、味わい豊かな体験を空の上でも楽しめるよう丁寧にデザインされています。また、世界屈指のワイン評論家3名による、毎年1000種類以上のテイスティングを経て厳選されたワインが、素晴らしい料理をより輝かせます。ちなみに、スイート/ファーストクラスでサーブされるシャンパーニュはクリュッグとテタンジェのコント・ド・シャンパーニュ。さらにもう1種、その時々で厳選されたシャンパーニュが加わります。

食事以外の機内サービスもハイレベル

ラリックのアメニティーキット。 (C)シンガポール航空

スイート/ファーストクラスのアメニティは、フランスのクリスタルの老舗ブランド「ラリック」のもの。女性用と男性用でプロダクトが分けられており、持ち帰ったあとも香りで旅を思い起すことができます。持ち帰りOKなインフライト・ウエアも、同じくラリックのもの。胸元には、同社のマークであるイロンデル(ツバメ)のデザインが配されています。

ラリックのスリーパースーツ。 (C)シンガポール航空

快適性を極めた機内エンターテインメントシステム「クリスワールド」。映画やテレビ番組、音楽など1,800以上のオプションを有しています。スイート/ファーストクラスでは、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンにデンマークの高級オーディオブランド、バング&オルフセン製を採用。大型のパーソナルモニターと合わせ、クリスワールドを存分に楽しめます。また、スイート/ファーストクラスではWi-Fiの接続も無料。ビジネスでもレジャーでも、フライトを十分に活用できます。

実は、世界最長路線のホルダーでもあるシンガポール航空(シンガポール・チャンギ空港~米国JFK空港)。こうしたチャレンジングなマインドが、「スイート」のような破格のサービスを誕生させる機動力なのかもしれません。ミシュランガイドの3つ星が“その店ために旅する価値がある”のであれば、シンガポール航空の「スイート」は間違いなく“乗るために旅をする価値がある”3つ星のサービスといえるでしょう。

シンガポール航空
URL/www.singaporeair.com/ja-jp
日本には東京(羽田・成田)、大阪(関西)、名古屋、札幌、福岡に就航しています。

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