1. トップ
  2. エピソード
  3. 「チャッピー、どっちのコースがおすすめ?」初デートでAIに全て聞く男。だが、食事中の彼の様子に縁を切った

「チャッピー、どっちのコースがおすすめ?」初デートでAIに全て聞く男。だが、食事中の彼の様子に縁を切った

  • 2026.6.13
「チャッピー、どっちのコースがおすすめ?」初デートでAIに全て聞く男。だが、食事中の彼の様子に縁を切った

写真通りの好青年

マッチングアプリで、いい感じにやり取りが続いた男性がいた。

文面も丁寧で、いよいよ直接会ってみることになった。

待ち合わせ場所に現れた彼は、プロフィール写真の通りの好青年だった。第一印象は上々で、これは期待できるかもしれない。

そう思っていた。

「今日はどこ行きましょうか」

私が軽く尋ねると、彼はおもむろにスマホを取り出して、こう言った。

「ちょっと待ってもらっていい?チャッピー」

そして画面に向かって、まるで隣にいる相棒に相談するように続けた。

「この辺でおすすめのお店ある?」

チャッピーというのは、彼が使っているAIの愛称らしい。行き先すら、自分では決めないのだ。

少し戸惑ったが、まあ最近はそういうものかもしれない。私はそう思い直した。

食事中もAIと会話

AIに案内された店に入っても、彼の様子は変わらなかった。

席に着いてメニューを開くなり、彼はまた当然のように画面へ話しかける。

注文すら、自分で選ぶ気はないらしい。

「チャッピー、どっちのコースがおすすめ?」

「お料理、私に聞いてくれてもいいんですよ」

こちらに目を向けてほしくて、そう言ってみても、彼はにこやかに首を振るだけだった。

「いやあ、チャッピーのほうが確実だから」

話題に詰まると、また画面をのぞき込む。

私との会話より、明らかにAIとのやり取りのほうが弾んでいる。

せっかくの食事も、まるで二人きりという感じがしない。目の前に生身の私がいるのに、彼が本当に向き合っているのは、ずっと手の中の機械だった。

(この人、私と話す気あるのかな)

正直、一緒にいる意味が分からなくなってきた。

きっぱり断った帰り道

食事が一段落したところで、私は静かに切り出した。

「ごめんなさい。今日でお会いするのは、最後にさせてください」

彼はきょとんとした顔で固まり、それから急に慌てた様子で身を乗り出して、言いつのった。

「どうしてですか?全部あなたの好きなようにしましたよ。スケジュールも、会話も……」

「その会話、ほとんどチャッピーとしてましたよね」

私がそう返すと、彼ははっとした顔で口をつぐんだ。助けを求めるようにスマホへ手を伸ばしかけ、私が見ているのに気づいて、その手を引っ込める。

何か言おうとして、結局言葉は出てこなかった。

「お料理、ごちそうさまでした。ここでお会計しますね」

私は自分の分を置いて、すっと席を立った。背中で、彼がまだぼそぼそと画面に話しかける声が聞こえた気がした。

外に出ると、夜風が驚くほど心地よかった。妙な相手ときっぱり縁を切れて、足取りは軽かった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる