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「まさかあの温泉に…!?」23億年前に絶滅したはずの生命体が“日本の温泉”で生きていた。米メディアも驚いた衝撃の事実

  • 2026.6.13
Baac3nes / Getty Images

誕生して間もない地球の酸素濃度は、現在の100万分の1程度だった。その地球で植物や動物が進化することを可能にしたのは、約23憶年前に起きた酸素濃度の急上昇。この出来事は「大酸化イベント」と呼ばれている。しかし、すでに進化していた生物たちは、この出来事に直面してもエネルギーを作り出せるよう、全く新しい環境に自分自身を適応させなければならなかった。地球初期の生物たちは、どうやってこの巨大な変化を生き延びたのだろう。

その答えを見つけるために、科学者たちは鉄が豊富な5つの日本の温泉を調査した。微生物生態学ジャーナル『Microbes and Environment』に掲載された研究論文によると、この5つの温泉を調べれば、「古代の微生物生態系を垣間見られる可能性」があったという。この温泉群は、大酸化イベントが起きたときの海洋環境と非常に近い環境にあるため、古代の微生物と他の惑星にいるかもしれない生物を理解する手がかりになると考えられた。

この研究論文の著者であるショーン・マクグリン氏は、次のように述べている。「この鉄が豊富な温泉群は、大酸化イベントが起きた始生代後期から原生代初期の地球と似た環境で、微生物の代謝システムを研究するのに最適な自然界の実験室です。植物や動物が出現する前や、大気中の酸素濃度が上昇する前に、原始的な微生物の生態系が構築された仕組みを理解するのに役立つでしょう」

これらの温泉は、現代の地球では珍しい二価鉄を豊富に含む。酸素濃度が低く、pH値がほぼ中性であることも、大酸化イベント前後の海洋環境にマッチしていた。地球生命科学研究所と東京科学研究所の調査チームによると、小さな微生物たちが大酸化イベントという地球規模の化学的変化を生き延びることができたのは、この鉄を豊富に含む生態系の存在があったから。

調査チームが分析した5つの温泉のうちの4つには、主な微生物として鉄酸化細菌が含まれていたという。この細菌は、二価鉄をエネルギー源として低酸素環境で繁殖していた。一方、光合成によって酸素を生成するシアノバクテリアは比較的少なかった。ただ、5つ目の温泉は例外で、鉄に依存しない代謝システムが中心になっていた。

その後、調査チームは、この5つの温泉から集めた200以上の高品質微生物ゲノムの機能を分析した。この研究論文の共著者であるファティマ・リ=ハウ氏は、次のように述べている。「場所によって地球科学的特性や微生物組成は異なります。しかし、私たちの研究結果からは、二価鉄と限られた酸素のある場所では、微好気性鉄酸化菌、酸素発生型光合成菌、嫌気性菌の集団が常に共存し、完璧かつ驚くほど類似した生物地球化学的循環を維持していることが分かります」。この循環には、炭素循環と水素循環に加え、部分的な硫黄循環も含まれる。

調査チームいわく、今回の研究結果は初期の生態系に関する私たちの理解を変える可能性があるという。さらに、この結果からは、微生物が鉄の酸化や初期の光合成生物によってつくられた酸素をエネルギー源にしていた可能性も読み取れる。「この論文からは、地球史上の重要な時期に関する微生物生態系の機能が見えてきます。つまり、大酸化イベントの発生に伴い、鉄が豊富で酸素の少ない海洋が酸素に満ちた生物圏へと移行した時期における微生物生態系の機能です」とリ=ハウ氏は語る。「現代の類似環境を理解することで、初期の地球にあったと思われる代謝システムや群集構造が具体的に見えてきます」

古代の地球の生命を理解することは、他の惑星での生命探査にも影響を与える可能性があるという。「私たちのデータは、地球の海洋が酸素化する過程において、どのような要素が生産性や元素循環をコントロールしていたのかを考えるベースになります」と、論文の著者たちは述べている。



※この記事は『Popular Mechanism』からの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

Text: Tim Newcomb Translation: Ai Igamoto

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