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「料理が面倒」「外出が減った」もサイン? 認知症グレーゾーン(MCI)の特徴と認知機能セルフチェック

  • 2026.6.12

「料理が面倒」「外出が減った」もサイン? 認知症グレーゾーン(MCI)の特徴と認知機能セルフチェック

健常な脳と認知症の間にある「グレーゾーン」。この時期の過ごし方次第で、認知症への進行を抑えられる可能性があるといいます。認知症専門医の朝田 隆さんに、認知機能のセルフチェックなどについて伺いました。

お話を伺ったのは
朝田 隆さん 認知症専門医

あさだ・たかし●筑波大学名誉教授、東京科学大学客員教授、認知症の早期発見と早期治療に特化した「メモリークリニックお茶の水」院長。
認知症予防と治療の研究・臨床の第一人者。
著書に『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム)他多数。

「認知症グレーゾーン」の過ごし方で未来が変わる

認知症」と聞くと、「突然発症する恐ろしい病気」とイメージする人が多いのではないだろうか。しかし認知症専門医の朝田隆さんによると、正常な状態からいきなり認知症に突入するわけではないという。

「認知症は、認知機能の障害によって、自立した生活を送ることが難しくなった状態を指します。重要なのは、その前段階が必ず存在するということ。白から突然黒になるのではなく、その間にはグラデーションの期間があり、それは『認知症グレーゾーン(MCI=軽度認知障害)』と呼ばれています。グレーゾーンに入ったからといって、誰もが認知症に進行するわけではありません。なかには発症してしまう人もいますが、この時期に適切な対策を取ることで、発症を遅らせたり、健康な脳へとUターン(回復)できる可能性も十分にあるのです」

「料理が面倒」は代表的な特徴のひとつ

では、「認知症グレーゾーン」のサインはどのような形で表れるのか。多くの人が気にするのは、「人の名前が出てこない」といった物忘れだが、実はそれよりも先に表れやすい兆候がある。朝田さんが指摘するのは、「面倒くさい」という感情だ。

「最初に表れやすいのは、やる気や意欲の低下です。なぜかというと、認知症は記憶を司る『海馬』よりも先に、思考や判断、感情のコントロールを担う『前頭葉』の萎縮から始まることが多いからです」

たとえば、料理が好きだった人が「献立を考えるのが面倒」とスーパーなどの総菜ですませるようになったり、おしゃれに気を配っていた人が身だしなみに無関心になったり。こうした変化は「年のせい」と片づけられがちだが、脳からのSOSかもしれないと疑うことが必要だ。

「自分の異変を自覚したとき、『絶対に認めたくない』と受診をためらう気持ちはよくわかります。しかし、認知症は早期発見と早期対応が何より重要です。対応が遅れるほど改善の可能性が低くなるだけでなく、やがて記憶を司る海馬の萎縮が進み、本格的な認知症へ移行するリスクが高まります。『ちょっとおかしいな』という自分自身が感じた小さな違和感や、家族の『最近、少し変わったかも?』という気づきを、気のせいと見過ごさないこと。それが、グレーゾーンからUターンするための第一歩です」

あなたの脳機能がわかる【認知機能セルフチェック】

チェック項目のうち思い当たることが3個以上ある人や、回転が苦手な人は、認知症グレーゾーンの可能性が。

MCI自己診断チェック

□ 今何をしようとしていたか思い出せない
□ 同じことをくり返し言ったり、尋ねたりする
□ 人と会う約束を忘れたことがある
□ 探し物が多い
□ やろうとしても「まぁいいか」とやめてしまう
□ 長年の趣味が楽しめなくなった
□ 外出が減った
□ 段取りが下手になった
□ 会計で小銭を使うのが面倒
□ 今日の日付が言えない

チューリップ・キツネ・ハトの回転テスト

チューリップの回転

両手の親指と小指、手首をつけて、チューリップの形を作る。手を回転させて、左手の親指と右手の小指、左手の小指と右手の親指をくっつける。

キツネの回転

左右の手でキツネを作り、手を回転させて左手の人さし指と右手の小指、左手の小指と右手の人さし指をつける。一方は自分、もう一方は外側を向いていればOK。

ハトの回転

胸の前で両手のひらを外に向けて開く。手のひらが自分のほうを向くように回転させ、親指同士を引っかけてハトの形を作る。

イラスト/福場さおり 取材・文/恩田貴子

※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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