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自然が好きな二人は、南アルプスの麓にある白州蒸溜所の見学ツアーへ。

  • 2026.6.12

自然が好きな二人は、南アルプスの麓にある白州蒸溜所の見学ツアーへ。

2026.06.11 photo: Kazufumi Shimoyashiki

text: Eri Machida

白州の森

世界で愛されるサントリーのモルトウイスキーは2ヶ所の蒸溜所でつくられている。1つは、大阪と京都の境目に位置するサントリーウイスキー発祥の地、山崎蒸溜所。もう1つが1973年にできた山梨県北杜市にある白州蒸溜所だ。どちらも一般公開されていて、予約すれば見学ツアーにも参加できる。

今回白州蒸溜所を訪れた村上央弥さんと小林未佳さんは自然豊かな場所が大好き。デートでも緑に囲まれたスポットを探して訪れることが多い二人は、森の中にある白州がずっと気になっていたそう。「気持ちのいい春の日に予約できて嬉しい!」とひさびさの遠出にやる気十分で、10時にスタートする朝一番の「白州蒸溜所ものづくりツアー」に参加してきた。

ウイスキー博物館
集合場所はウイスキー博物館。
ウイスキー博物館
ツアー開始までは館内の展示を見て過ごそう。

ウイスキー博物館で見学の概要を聞いた後は蒸溜棟へ。蒸溜棟ではまずガイドの方の説明を聞きながらプロジェクションマッピングでウイスキーづくりの流れを学ぶ。原料に使う麦芽の香りを嗅ぐなど、五感も使いながら白州のウイスキーへの理解を深めていく。

麦芽の香りの違いを愉しむ二人
麦芽の香りの違いを愉しむ二人。「ピーテッド麦芽は煙みたいにスモーキーな香りがする」と未佳さん。
プロジェクションマッピング
音と動きのある映像で製造のプロセスがわかりやすい。

いよいよ製造現場の中へ。まずは仕込みの工程だ。モルトウイスキーの原料である麦芽は細かく砕かれ、仕込水とともに仕込み槽へ。麦芽中の酵素の働きでデンプンが糖に分解された後、ゆっくりとろ過し、澄んだ麦汁をつくる。

仕込水
仕込水はウイスキーの品質や個性を左右する重要な要素。

次は発酵の工程へ。ろ過した麦汁を発酵槽に移し、酵母を加える。ここで酵母は麦汁の糖を分解し、アルコールが発生する。発酵を2~3日間行うことで、ウイスキー特有の香味成分を持つ“もろみ”がつくられる。白州蒸溜所では保温性に優れた木桶発酵槽にこだわり、乳酸菌や微生物の働きによって白州ならではの独特な風味を引き出している。

木桶発酵槽

蒸溜工程では“もろみ”を蒸溜釜(ポットスチル)に入れて加熱し、アルコール、香り、味わいの成分を凝縮。2度蒸溜することでアルコール濃度約70%の無色透明のスピリッツ“ニューポット”が生まれる。サントリーでは大きさや形状の異なる蒸溜釜を使い分けることで様々な個性を持った原酒を生み出している。

蒸溜釜
「ストレート型」と「ランタン型」という2つのタイプの蒸溜釜を使用。焼きりんごのような香りが漂う。
野鳥が描かれているバスに乗って移動
白州の森に生息する野鳥が描かれているバスに乗って移動。

蒸溜棟の見学を終え、バスで貯蔵庫へ。“ニューポット”を木製の樽に詰めて寝かせている場所だ。長い年月にわたる熟成期間のなかで樽の成分がウイスキーに溶け込み、バニラやナッツの香りに例えられるバニリン由来の熟成香が生まれる。同時に色合いもウイスキーらしい琥珀色へと変化していく。

貯蔵庫
空調は使わず、換気だけで気温を保つ。ウイスキーの芳醇な香りが充満していて森林浴のようにリラックスできた。
樽
白州蒸溜所のすぐそばにも製樽工場がある。世界的に見てもメーカーが樽工場を持っているのは珍しい。白州では冷涼な気候に合った小さめの樽を使用していて、メインはホワイトオークを使った容量230リットルのホッグスヘッド。どの木材を使うのか、今までどんなお酒が入っていたかなどの樽が使われてきた歴史、熟成に使われた回数などが味に直結する。
樽に入ったウイスキー
熟成が進むにつれて色も濃くなる。熟成中に樽から水分やアルコールが蒸発し、量が減るのだが、その現象をスコットランドでは「天使の分け前」と呼び、ウイスキーのつくり方を教えてくれた天使が見返りとして分け前を受け取っていると言い伝えられている。

再びバスに乗り、お待ちかねのテイスティングへ。ライトリーピーテッド原酒、ピーテッド原酒、スパニッシュオーク樽原酒、シングルモルトウイスキー 白州の4種類を飲み比べる。

テイスティングする村上央弥さんと小林未佳さん
まず、色を見て、香りを嗅ぎ、水を加えて味わいを確認。ブレンダーがテイスティングノートをつけるときと同じ手順で、じっくりと味に集中する。
テイスティンググラス
テイスティンググラスの下に敷かれた紙のシートには、ブレンダーが香りや味をどのような言葉で表現するかが記されている。

そして最後にシングルモルトウイスキー 白州の魅力を最大限に引き出すハイボールのつくり方を教えてもらった。

Recipe

最後まで美味しく飲めるように大きめの氷をたっぷり入れる。
1. 最後まで冷たいまま美味しく飲めるように大きめの氷をたっぷり入れる。グラスのふちからはみ出るくらいを目安に。
白州を注ぐ。
2. 白州を注ぐ。ウイスキーとソーダの割合は1:4くらい。
マドラーですばやく10回転。
3. マドラーですばやく10回転。氷とウイスキーという異質なものが混ざると温度が上がってしまうのでとにかく手際良く。
溶けてしまった分、また氷を追加する。
4. 溶けてしまった分、また氷を追加する。
炭酸の刺激を逃さないように低い位置からソーダを注ぐ。
5. 炭酸の刺激を逃さないように低い位置からソーダを注ぐ。注ぎ終わったらマドラーを奥までさしこみ、螺旋を描くように1回転。
ミントを手のひらにのせ、手を丸める。「ポン」と音が鳴るように叩き、香りを開かせる。
6. ミントを手のひらにのせ、手を丸める。「ポン」と音が鳴るように叩き、香りを開かせる。
ハイボールにミントをのせたら完成。
7. ハイボールにのせたら完成! これを「白州森香るハイボール」と呼んでいる。

「今まで飲んだハイボールで一番美味しい!」と声を揃える二人。蒸溜所ではお土産に白州も購入できるので、レシピを覚えたら家でも再現できる。見学を終え、ウイスキーができあがるまでに多くの人が関わり、長い道のりを経て自分のもとに届くのだと実感。喉も心も潤ったらお腹も空いてきた。朝早く家を出てきたし、そろそろランチの時間にしよう。


テイスティングラウンジ

ツアーに参加せずともテイスティングができる!

セントラルハウス内1階のテイスティングラウンジでは、シングルモルトウイスキー「白州」をはじめ、その他のジャパニーズウイスキーや蒸溜所限定品など25種類に及ぶサントリーウイスキーを取り揃えている。「白州」は、ストレートだけでなく、ハイボール、ミスト、ロック、水割りがあり、好みのスタイルで愉しむことができる。
※見学のみでも予約が必要。

白州蒸溜所

白州蒸溜所

山梨県北杜市白州町鳥原2913-1
0551-35-2211
9:30~16:30(最終入場16:00)
年末年始・工場休業日を除き、毎日ツアーを開催(臨時休業あり)。
蒸溜所の入場は要予約。

Official Website
https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/

JR小淵沢駅より無料シャトルバスが1日8回運行しているので便利。二人が参加した「白州蒸溜所ものづくりツアー」の参加費は3,000円。
予約、詳細はこちらから。
https://reserve.suntory.co.jp/

※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。

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