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保護犬たちと紡ぐ、温かな日常──乗馬インストラクター・山口エルザマリアさんの愛犬との暮らし

  • 2026.6.9

困っている子を見過ごせない! 多くの命を迎え入れた家族の思い

MASATOMO MORIYAMA

「学校に行くより、家で犬たちと過ごすほうがずっと楽しかった」。そう幼少期を振り返る山口エルザマリアさん。彼女の実家では、昔から不思議なほどワンちゃんとの縁が絶えません。ご家族が「困っている犬」を見過ごせなかったこともあり、知人からの相談や保護を通じて、常に多くの命を迎え入れてきました。その歴史には、まさに多種多様な背景をもつ保護犬たちが登場。「この家ならきっと大切に育ててくれる」という周囲の信頼から、友人伝いに相談が舞い込むことも珍しくありません。かつて山で保護されたワンちゃんが、新しくやってきた子犬たちの母親代わりとなって、かいがいしく面倒を見るという光景も、一家にとっては日常の一幕でした。

お母さまのイバさんは、多頭飼いを続けてきた理由を「愛情の許容範囲が広すぎて、1頭だと愛が余ってしまうの(笑)」と語ります。そんなお母さまの姿を見て育った山口さんにとって、複数のワンちゃんたちと暮らすにぎやかさは当たり前の環境だったようです。

なかでも記憶に強く残っているのは、動物愛護団体から山口さんの家に譲渡され、17歳半まで生きたビーグル犬のチーズちゃん。小学1年生から20歳を過ぎるまで、まさに姉妹のように育った存在でした。チーズちゃんがガンを患った際も、山口さんは信頼する獣医師と共に最後までその命に向き合いました。「でもチーズは私に、死に目を見せたくなかったのかもしれません」。たった一晩、家を空けている間に旅立った愛犬の最期を、山口さんはチーズちゃん自身の選択として静かに受け止めています。

山口エルザマリアさんと、お母さまのイバさん。神戸のご実家の緑豊かなガーデンは、愛犬たちの絶好の遊び場に。 MASATOMO MORIYAMA

“犬ファースト”になりすぎず、それぞれの個性を尊重

動物愛溢れるファミリーと感覚を共有しているのが、山口さんのご主人。結婚を決めた理由のひとつも、彼が動物に対して自分と同じ温度感で接してくれることでした。現在、ふたりの家にはフレンチブルドッグのペニーちゃんと、ジャックラッセルテリアのマリッサちゃんが暮らしていますが、ペニーちゃんは海外へ帰国するご主人の同僚から託され、マリッサちゃんは健康状態に心配があり、もらい手が見つからなかった子なのだそう。

「どんな背景をもつ子であっても、我が家に来たからには自分たちのルールのなかで、最大限の愛情をもって接したい。犬ファーストになりすぎることなく、けれど彼らの個性を尊重する。それが私なりの責任の取り方です」

山口さんにとって、ワンちゃんのいない生活は想像すらできないといいます。彼らのために働き、彼らのために健康でいようと努めること。それは彼女の人生のモチベーションでもあります。

ご実家にはジャックラッセルテリアのルペットちゃんとホクちゃんが住んでいて、4頭集合したこの日はまるでにぎやかなパーティのよう!

「彼らが我が家に来てくれたことには、必ず意味があるはず、と感じています。だからこそ、一緒にいられる時間をしっかりと大切にしていきたいと思っています」

ご実家には家族の思い出の写真がいっぱい。イタリア人のお父さまにも溢れる動物愛が。 MASATOMO MORIYAMA
お父さまがハンティングで仕留めた鹿の角は、ワンコたちのお気に入り。 MASATOMO MORIYAMA

個性豊かで愛くるしい、4頭のワンちゃんたち

生まれたときに一時、仮死状態だったマリッサちゃん。山口さんが迎え入れ、いまではすっかり元気に。 MASATOMO MORIYAMA
片耳が生まれつき聞こえないホクちゃん。マリッサちゃんと兄妹。 MASATOMO MORIYAMA
同僚が海外に転居する際に連れていけないからと、頼まれて引き取ったペニーちゃん。山口家のムードメーカー。 MASATOMO MORIYAMA
前足の骨に奇形があることで引き取り手がなかったルペットちゃん。やきもち焼きで甘えんぼう。 MASATOMO MORIYAMA

山口エルザマリアさん
PROFILE:兵庫県出身。ご家族の影響で幼い頃から乗馬に親しみ、現在、乗馬インストラクターとして活躍。ご主人と2頭の愛犬と共に、神戸と長野のデュアルライフを満喫中。Instagram:@elsamariaaa

Photos:MASATOMO MORIYAMA
Coordination:SAYURI HIRATSUKA
25ans(ヴァンサンカン)4月号掲載(2026年2月27日発売)

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