1. トップ
  2. エンタメ
  3. 声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」

声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」

  • 2026.6.7
【写真・画像】声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」 1枚目
ABEMA TIMES

2010年代、ストリートの暗部・半グレとして社会問題化し、凄惨な事件の数々で世間を震撼させた「関東連合」。元は単なる暴走族だった組織の誕生から、暴力に走った背景、特殊詐欺などに至る変遷を、一次情報を元に紐解く報道検証ドキュメンタリー、ABEMA×テレビ朝日報道局 共同プロジェクト『改めて、取材しました。』が6月6日(土)よる11時から公開される。

【映像】東地宏樹がナレーションを担当『関東連合ドキュメント』

本作が提示するのは、日本のみならず東南アジアにまたがる取材や収監中の受刑者との手紙のやり取り、関東連合 OB の証言といった地続きの記録だ。この硬派なノンフィクションのナレーションを務めたのが、洋画の吹き替えや数々のドキュメンタリーで重厚な説得力を持つ声優・ナレーターの東地宏樹。20歳の頃に渋谷の街でその存在を身近に認識していたという彼が、主観を排した「観測者」としてマイクの前で対峙したストリートの現実、そして安易な考察ブームが溢れる現代社会に一石を投じる“取材の重み”について、話を訊いた。

「役者」ではなく「観測者」としてーー事件を追うナレーションへのアプローチ

【写真・画像】声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」 2枚目
ABEMA TIMES

2010年代、かつてストリートの暗部・半グレとして社会問題化し、今なお地続きの影を落とす「関東連合」。そのドキュメンタリーのナレーションというオファーに対し、東地は自身の記憶を重ね合わせるように話し始めた。

「自分も若い頃……20歳くらいの時には渋谷にいたので、関東連合の存在については知っていました。だから、懐かしさ半分、ただ『未だに終わっていないことなんだな』という実感を、この番組の原稿を通して改めて突きつけられた感覚です」

普段、物語の核心を担う「役者」としてマイクの前に立つことが多い東地。しかし、今作で求められたのは「事実を淡々と置く観測者」としての役割だ。そのアプローチの違いについて、自身のナレーターとしてのルーツに触れながら語る。

「もともと僕は、声優の仕事を本格的に始める前の20代の頃から、CMなどのナレーションをずっとやっていたんです。ただ、今回のようなドキュメンタリー、事件を追うような硬派な語りは初めてだったので、テレビで観てきた世界を自分がやるんだなという実感がありました。だからこそ、どういう語り口が一番良いのかは考えましたね。実際に罪を犯してしまった若者たちが、本当に自分たちが主導したのか、それとも上の人間にコントロールされてそうなってしまったのか。彼らの行為の是か非かという部分が、声を通してしっかりと伝わればいいなと思っています」

断片的な報道から「線の記録」へーー石元太一受刑者からの手紙と組織の変遷

【写真・画像】声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」 3枚目
ABEMA TIMES

これまで関東連合については、断続的に起こった事件や騒動についてのいわば「点」の取材が多かった。しかし今作では、徹底した取材によって組織の変遷が「線」として描き出されている。過去の報道から受けていた印象と、今回の収録で得た事実について、東地はこう語る。

「過去の報道が映し出すものはやはり断片的なもので、これまでは提供された情報をそのまま受け取るしかありませんでした。当時、ニュースでよく覚えていたのは、石元太一受刑者も関わったとされる六本木クラブ襲撃事件のこと。今回、彼が収監されている中で何を思っているのかという手紙を、僕は初めて目にしました。彼らが仕方なくやったわけではないにせよ、暴走族や関東連合という団体の中にいることで、そうなっていってしまう構造を強く感じました。聞いた情報ではなく、初めて彼自身の言葉を目撃したので、これを観た人がどう思うのか、僕自身も興味があるところです」

番組では、関東連合OBたちの証言などを交え、組織が時代とともに形を変え、現代の特殊詐欺や海外を拠点とした犯罪へと地続きで繋がっている可能性にも切り込んでいる。

「更生しきれずに再犯を繰り返してしまう背景には、過去の仲間との関係性が深く関わっているのだと思います。組織のあり方が変質していった結果として、現在の海外を拠点とした特殊詐欺にまで繋がっている疑惑。これらは僕たちの日常を脅かす身近な犯罪ですし、個人的には根絶やしにしてもらいたいという思いが強いです。原稿を読みながら、時代とともに組織の性質がこれほど変わっていったのか、と考えさせられました」

現代のSNS社会に提示する「報道の矜持」

【写真・画像】声優・東地宏樹が『関東連合ドキュメント』に覚えた衝撃 「ニュースの断片しか知り得なかった。突き詰めることで初めてみえてくる事実がある」 4枚目
ABEMA TIMES

現代のSNS社会では、個人による「特定班」や、事件の「考察ブーム」が一般化している。そうしたライトな情報消費が溢れる中で、報道取材の経験を積んできたディレクターたちが足を使って集めた一次情報の重みを、東地は番組の姿勢そのものから感じ取ったという。

「まだ世の中が知らない領域にまで取材班が自ら足を運び、事実を追いかけている。その姿勢が番組の現実味を強くしていますし、ジャーナリズムとして非常に重要なことだと思います。ABEMAさん、テレビ朝日さんが、こうした報道の矜持を示してくれるのであれば、ナレーションを担当する私としても、まったく同じ覚悟でその言葉に寄り添いたい。収録を終えて、改めてそういう強い思いが湧きました」

地上波テレビとは違うインターネット配信というプラットフォームだからこそ、届くべき層への期待を口にする。

「最後まで取材を尽くすことに、この番組の意味があるのだと思います。僕自身、関東連合についてはニュースの断片しか知り得ませんでしたが、ここまで突き詰めることで初めて見えてくる事実がある。老若男女問わず多くの人に観てもらい、これが信頼に足る記録だということが伝わればいいなと思います」

取材・文:東田俊介
写真:mayuko yamaguchi

元記事で読む
の記事をもっとみる