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クールなコワモテ店長と無邪気な羊の少女の焦れキュンに目が離せない! もふもふ獣人たちがカフェで紡ぐ、優しく温かな物語【書評】

  • 2026.6.4

【漫画】本編を読む

『今日もカフェななくさ日和』(み~/KADOKAWA)は、動物たちが暮らす街の小さなカフェを舞台に、個性豊かな獣民たちの心が少しずつ通い合っていく日々を描いたハートフルなファンタジー。SNSで人気を集めた作品がフルカラーで書籍化された本作は、かわいらしいキャラクターたちの魅力を描きながら、「居場所とは何か」を優しく問いかける物語でもある。

舞台となるのは、「こごみ市はこべら町793番地」にある「カフェななくさ」。情に厚いシェフと義理堅い兄弟たちが営むその店に、ある雪の日、一匹の羊・すずがやって来る。家族の中でひとりだけツノが生えず、そのことで悩み親元を離れてきたのだ。一見コワモテながら面倒見のよい店長・しろに支えられながら、すずは街の獣民たちの温かさに触れ、少しずつ自分の居場所を見つけていく。

コンプレックスや孤独といった繊細なテーマを、獣民たちの住むやわらかな世界に落とし込んでいるところが巧妙だ。すずが抱えるツノが生えないという悩みは一見ファンタジーだが、「みんなとは違う」という苦しみは現実を生きる私たちに身近な感情だ。周囲と比べて落ち込むことや、自分だけが足りないように感じることなど、誰もが一度は抱えるその痛みに共感できる人は多いだろう。

カフェに集う他の獣民たちも魅力的だ。それぞれが過去の悲しみや事情を抱えながらも、互いに手を差し伸べる。カフェでの食事や会話、一緒に過ごす時間が、互いの心を少しずつ救い、その積み重ねが本作に確かな温度を与えている。

さらに見逃せないのが、すずとしろの「焦れキュン」の関係だ。無邪気でまっすぐなすずと、恋愛耐性ゼロのしろ。互いに意識しながらも不器用に距離を縮めていく姿は愛らしさに満ちていて頬をゆるませずにはいられない。

もふもふの癒やしとともに描かれる「そのままの自分を受け入れてくれる場所」という希望に満ちた世界。疲れた日や自信をなくした日にこそ読みたくなる温かな作品だ。

文=練馬麟

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