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「家族なんだから直接でいいだろ」使用済みの箸で鍋をつつく義父。だが、夫の一言に思わず頭を抱えた

  • 2026.6.6
「家族なんだから直接でいいだろ」使用済みの箸で鍋をつつく義父。だが、夫の一言に思わず頭を抱えた

義父が自分の箸で鍋をぐるぐる回した瞬間

これは30代の頃、夫の実家に呼ばれて夕飯を囲んだ日のことだった。

テーブルの真ん中に出されたのは、湯気を立てるすき焼きの鍋。

家族で囲むには十分な大きさで、菜箸も小皿の横にきちんと添えられていた。

ところが義父は、菜箸に手を伸ばさなかった。

自分が今まで口につけていた箸を、そのまま鍋に突っ込んだのだ。

「これくらい、家族なんだから直接でいいだろ」

笑いながら言うと、義父は牛肉と白滝を箸先でぐるぐるとかき回し、引き上げた肉を一口で頬張った。

なめた箸をそのまま戻し、また鍋を混ぜる。

私の前にも具材を寄せようと、肉を移してくれる始末だった。

脇の菜箸は最後まで一度も使われなかった。

胃のあたりが急速に重くなった。

けれど、嫁の立場で口にできる言葉はなかった。隣に座る夫も、義父の所作をごく普通の食事風景として眺めていた。

湯のみで軽くゆすいで箸箱に戻す食後の儀式

夕飯が終わると、義父は自分の前にあった湯のみの中に、使い終えた箸の先をひたした。

湯のみの水を二、三度くぐらせると、布巾でさっと拭い、その箸を自分の箸箱へ収めた。

洗剤も、スポンジも、流しの水道さえ通していない。

ほんの五秒の所作で「洗った」ことにしている。

隣にいた姑も、夫も、誰一人それを止めなかった。むしろ自然な日常の動きとして、視線も向けない。

私が思わず流しに目をやると、姑がにこりと笑って言った。

「うちはいつもこうなのよ」

意味が分からず聞き返した私に、姑は何でもないことのように続けた。

子供の頃からこの家ではそうしてきた、流しで箸を洗ったことなんて一度もないと。

帰宅後に胃薬を飲んだ夜の絶句

頭の中で、さっきまでの食卓が逆再生された。

背筋が冷たくなったまま、車の中でも一言もしゃべれなかった。

家に着くなり、私は戸棚から胃薬を取り出して水で流し込んだ。

夫に「あなたも昔から、あの箸で?」と尋ねると、当然のように頷かれた。

それ以来、義実家の食卓に着くのが怖い。誘いの電話が鳴るたび、あの湯のみと箸箱が頭に浮かんで動けなくなる。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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