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「赤ちゃんに使わないで」母がくれた出産祝い。「あなたには」5万円に込められた『母の想い』に涙

  • 2026.6.3

出産はうれしいものの、お母さんになることに不安を抱えるものです。そんな不安を優しくも、厳しくも払拭してくれたのは母でした。今回は、筆者の友人が母から"お母さんになる"ことを教わった心あたたまるエピソードをご紹介します。

画像: ftnews.jp
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「自分のために使いなさい」と渡された5万円の重み

私の友人A子は40代で結婚・出産しました。不妊治療を含む妊活期間は長く、産まれてくる子どものために休日もお金も何年にもわたって使っていました。

そんなA子も晴れて母になりました。退院を間近に控えた時期、母がかわいらしいポチ袋に5万円を入れて渡してくれました。「このお金は赤ちゃんではなく、自分のために使いなさい」という言葉を添えて、手渡してくれたのです。

母はシングルマザーとして一馬力でA子を育てました。贅沢はできなかったものの、県外の大学進学の援助もしてくれました。

そんな母が当時を振り返り、「あなたを育てるとき、正直、大変なこともあったし、自分の化粧品や洋服なんて後回しだった。つらくはなかったけど、パート先であるファミレスで、友だちと楽しそうにしている同世代のお客さんが少し羨ましくなることもあった。あなたの妊活中はかつての私みたいだった。だから、あなたには、母親としてだけではなく、個人としても生きてほしい」と、胸の内を明かしてくれました。

A子が思い返したところ、母は大学進学のためにテキスト代や塾代などを惜しみなく払ってくれました。その一方、自分の数百円のコーヒー代を出すのに躊躇し、「家で飲むし、いいや」が口癖でした。私が塾をさぼったり、購入したテキストを放置したりすると、激怒しましたが、今ならその気持ちがよく分かります。

飲食店のホールスタッフの日勤であれば、時給は1000円前後でしょう。今振り返ると、2時間分の給与をテキスト代に迷うことなくあててくれていたのです。それを放置すれば、悲しくなるのは自然なこと……。

この5万円をきっかけに、母は自分を優先してくれていたことに気付いたと同時に、母の愛情がうれしくなりました。

芽生えた母としての自覚

A子は5万円を受け取ったとき、“母として子ども優先の日々になることを覚悟しなさい”というメッセージも感じました。

母は、子育てに全力投球し自分のことは後回しにするようにと言いたいわけではないけれど、親になるということは独身時代のように自由には生きられないし、常に責任がともなうことを教えてくれたように思いました。

母からもらった5万円は形に残るものに使いたいと思い、いろいろ悩んだ結果、入学式などでも着られるスーツを購入。このスーツを着て、母を含めた家族で、写真を撮影したいと思っています。

また、5千円ほど余ったため、母と一緒にお高いおしゃれカフェで食事をしました。母には自分の給与から払うと伝えたものの、母は自分が渡した5万円の一部で支払っていると察しました。やはり、母親は娘のことは何でもよく分かっていて、偉大さを感じました。

A子は母に渡された5万円をきっかけに、“我が子が大人になるまで責任をもって育てる”、“我が子が何をしても愛し続ける”と誓いました。

【体験者:40代・会社員女性、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:太田あやこ
大学でジェンダーや女性史を学んだことをきっかけに、専業ライターとして活動中。自身の経験を活かしながら、幅広い情報収集を行い、読者に寄り添うスタイルを貫いている。人生の選択肢を広げるヒントを提供し、日々の悩みに少しでも明るさをもたらせるよう、前向きになれる記事づくりに取り組んでいる。

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