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「財布どこやったかな」コンビニのレジでずっと探している客。だが、見つかったと思った瞬間、最悪な展開に

  • 2026.6.5
「財布どこやったかな」コンビニのレジでずっと探している客。だが、見つかったと思った瞬間、最悪な展開に

3分止まった前の客のひと言

昼休みに職場近くのコンビニへ立ち寄ったときのことだ。

弁当コーナーから揚げ物のにおいが漂い、レジには4、5人の列ができていた。

少し時間がかかりそうだと思いながら並ぶ。やがて前の客の番が来た。

店員がバーコードを読み込みはじめたところで、前の客の動きがピタリと止まった。

「財布どこやったかな…」

独り言のように呟きながら、鞄のポケットを一つひとつ確かめはじめた。

上着のポケット、ズボンのポケット、鞄の外側のファスナーを開けて中を探り、また別のポケットへ手を入れる。背負っていたリュックのメインポケットまで開けはじめたとき、後ろの列がじわじわと伸びていった。

誰も何も言わない。

ただ、空気だけが静かに重くなっていく。店員も急かさず、ただレジの前でそっと待っている。私もスマホに視線を落とし、無関係を装った。

財布が出てくるまで、たっぷり3分以上はかかった。

リュックの底から取り出した財布を広げ、小銭か紙幣かしばらく迷いながら、ようやく会計が進む。

ほっとする間もなく、店員が次のひと言を口にした。

ポイントカードでもう一度

「ポイントカードはございますか?」

前の客が、また鞄を探りはじめた。

財布を片手に持ったまま、今度はカードを探している。

さっきと同じく上着のポケット、鞄の中、財布のカード入れをパラパラと確認する。後ろの列の温度が、はっきりと下がった気がした。

誰もため息をつかない。舌打ちもしない。それでも、待たされている人たちの間に漂う声のない圧が、確かに積み上がっていく。列の最後尾の客がスマホから顔を上げ、軽く目を細めて時計を確認した。レジの前後で、視線が静かに交差する。

「あ、今日持ってなかったかも」

前の客がようやく呟き、店員が「大丈夫ですよ」と短く返した。

会計は終わり、前の客は袋を受け取って出口へと向かう。

私の番になったとき、何事もなかったように手早く財布を出した。ポイントカードも先に出しておいた。

店員も普通の対応だった。

何が悪いというわけではない。財布を探すのはよくあることだし、カードを確認するのも普通の流れだ。

ただ、あの数分間、コンビニの空気は確かに凍りついていた。誰も怒らないし、誰も責めない。それでも、全員が何かを堪えていた、あの沈黙だけが残った。

帰り際にふと後ろを振り返ると、列はもう普通の長さに戻っていた。昼時の喧騒がまた戻ってくる。あの静かな詰まりの感覚は、職場に戻ってからも頭に引っかかったままだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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