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怪談好きの隣人と仲良くするだけで月給15万円。でもその「友人」は明らかに人間ではなく…日常侵食系ホラー小説をコミカライズ【書評】

  • 2026.6.1

【漫画】本編を読む

【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】

『入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください』(赤色マッシュ:漫画、寝舟はやせ:原作、ギギギガガガ:キャラクターデザイン原案/KADOKAWA)は、話題沸騰の同名小説のコミカライズ版だ。奇妙な求人広告から始まる、日常侵食ホラーである。

住む場所も貯金も失った主人公・タカヒロが飛びついたのは、住み込みでマンションの一室を管理する仕事。月給15万円、生活再建には願ってもない条件だ。だが、その雇用にはひとつだけ異様なルールがあった。それは、隣に住んでる友人と必ず仲良くすること――。

マンションで待っていた「隣人」は、どう見ても人間ではない存在だった。それでも仕事を失うわけにはいかないタカヒロは、ベランダ越しにその隣人と交流を続ける。隣人は毎晩のように「これは友達から聞いた話なんだけどね」と怪談を語り始める。最初はただ不気味なだけの与太話に聞こえるが、その怪談の内容が徐々にタカヒロの現実とつながり始めたとき、物語は一気に牙をむく。

本作が派手な惨劇や直接的な恐怖演出だけに頼っていないにもかかわらず怖いのは、「おかしい状況なのに、生活のため受け入れてしまう」という奇妙な現実感だ。さらに隣人の存在感も秀逸。明らかに異形でありながら、どこか無邪気で、親しげですらある。敵なのか味方なのか、あるいはそんな単純な分類すら通じないのか、不気味なのに目が離せない。明らかに前の住人には何かが起こったはずなのに……この得体の知れなさが作品全体を牽引している。

コミカライズ版では、原作の不穏な空気が視覚化されたことで恐怖がさらに増している。何気ない廊下、ベランダの境界線、暗がりに立つ隣人の姿……。日常の風景が少しずつ壊れていく演出が巧みで、ページをめくる手が止まらなくなる。読後、特にアパートやマンション暮らしの人は、ベランダに出るのがちょっと怖くなるかもしれない。

文=練馬麟

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