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新社長「魚なんて誰でも捌けるから〜」ベテラン職人を退職に追い込んだ傲慢社長…翌朝、高級魚を前に絶望

  • 2026.5.30

私は地元では知られた寿司屋で働く職人です。毎朝届く魚介を見極め、その日の営業に使うネタの下処理から、翌日以降に備えた仕込みまで、段取りよく進めることが私の誇りでした。
若手への指導をしながら、難しい魚の下処理や仕込みの大半を担っていたのですが、前社長が引退すると……。

10年尽くした職人を追い出した新社長

代替わりで就任した若き新社長は、そんな現場の苦労をまったく知らない男性でした。

「お前さ、うちの店で一番給料が高いらしいね?」就任直後、新社長は店にやって来るなり、鼻で笑いながらそう切り出しました。

そして、「でもさ、職人ぶってるけど、魚をさばくなんて誰にでもできるんだよ」と言うので、私は「……社長、寿司の仕込みはそんなに単純なものではありません」と返答。すると、「俺に口答えするな! 給料泥棒!」と急に怒鳴られ……。

社長はコストカットをしたかったのかもしれません。あるいは、前社長に目をかけられていた私のことが気に入らなかったのかもしれません。10年以上、店に尽くしてきましたが、この人の下では働けないと思った私は、これ以上反論する気にもなれず、店を去ることにしました。

ベテラン職人が去った翌朝、店は大混乱

私がいなくなった翌朝。店にはいつも通り、その日の営業に使う魚介や、数日先を見据えて仕込む高級魚が届けられました。しかも、それらは私が退職を決める前に、すでに発注されていた分。新社長は、毎日どれほどの量を私が処理していたのかすら把握していません。残った若手職人たちに「ほら、開店までにパパッと仕込んじゃってよ」と軽く命じました。

しかし、若手たちは青ざめた顔で立ち尽くすばかり。「社長……無理です。こんな量、俺たちだけじゃ営業開始までに絶対に終わりません……!」

社長は「はぁ!? なんでできないんだよ!」と怒鳴ったようですが……。

実は、この店で仕入れる大量の魚をさばききることができていたのは、私が長年培ってきた「スピードと手際」があったからこそ。若手も育ててはいましたが、まだすべてを任せられる段階ではありません。現場を一度も見ようとしなかった社長は、そんな事情を知る由もありませんでした。

店を赤字に追い込んだ新社長の末路…

「どうするんだ……!」激しく動揺し、震え始める新社長。そこへ、一部始終を見ていた女性店員が冷たく言い放ちました。

「社長、この量を毎日完璧にさばききれていたのは、すべて彼のおかげだったんですよ。『魚をさばくくらい誰にでもできる』なんて言って、一番の職人を追い出すからこうなるんです」

結局、その日の仕込みは間に合わず、営業は大混乱に陥りました。出せるネタは限られ、常連客からは「いつものネタがない」「注文しても全然出てこない」という声も上がりました。

翌日以降は仕入れ量を減らし、系列店から応援を呼んだものの、以前のような品ぞろえや味は維持できませんでした。臨時休業やメニューの縮小も重なり、常連客は次第に離れていったそうです。店は赤字に陥り、惨状を知った会長である前社長は激怒。新社長は降格処分となり、今は系列店で従業員として働いていると、元の職場の仲間から聞きました。

そのころ、店を去った私はというと…

退職した数日後、私の腕をよく知る寿司店から「ぜひうちに来てほしい」と、好待遇でスカウトされたのです。

今は新しい店で、私の寿司を求めてやって来るお客様のために、毎日やりがいを持って腕を振るっています。現場の努力や目に見えない技術を軽視する人間に、上に立つ資格はないのだと痛感した出来事でした。

◇ ◇ ◇

長年の経験によって磨かれた技術や、日々積み重ねてきた努力は、決して「誰にでもできる」と軽視してよいものではありませんよね。立場が上だからといって相手を見下したり、価値を決めつけたりするのではなく、それぞれの力を認め合える関係を築いていきたいですね。

【取材時期:2026年5月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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