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「あれ?似た苗字の方が…」混雑する薬局で起きた、薬剤師が“思わずヒヤリ”とした瞬間に「決して珍しくない」

  • 2026.6.18
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

薬局では何重もの確認を経て薬をお渡ししていますが、それでも窓口の段階では気づけない出来事が起きることがあります。

たとえば、よく似た名前の方の薬を取り違えそうになったり、後日記録を見返したときに小さな違和感が浮かび上がったり。

本記事では、薬局で実際にあったヒヤリとしたエピソードと、そうした出来事を大きなトラブルに発展させないために取り組まれている仕組みをご紹介します。

あわせて、患者さんご自身が薬を受け取ったときにできる、ちょっとした確認の習慣についてもお伝えします。

渡した後で気づいた「いつもと違う」点

その場では問題なく見えたやりとりも、時間を置いて振り返ると違和感が浮かび上がることがあります。

窓口を離れた後の気づきこそ、現場で大切にされている瞬間です。

受け取り間違いに後から気づいたケース

ある日の夕方、混み合った時間帯に来局された60代の男性に薬をお渡ししました。

別のスタッフが受付台に残っていた処方箋を見て「あれ、似た苗字の方の分が一緒に呼ばれていなかったか?」と気づきました。

すぐに記録を確認したところ、幸い薬自体は正しい方にお渡しできていたものの、もう一歩で取り違えが起こりかねない状況だったとのこと。

同じ時間帯に似た苗字の方が重なると、呼び出しの際にお互いが反応してしまう場面もあり、決して珍しいことではありません。

素早い連絡と回収で安全を守るまで

仮に取り違えに気づいた場合、薬剤師はすぐにご本人へ連絡を取り、服用を控えていただくようお伝えします。

状況によってはご自宅へ伺って薬を交換することもありますし、処方医にも経緯を共有します。「気づいたらすぐ動く」ことが、ヒヤリで済ませるか否かの分かれ目になります。

地味ではありますが、こうした事後の対応こそが安全を支える土台になっているのです。

トラブルを未然に防ぐための仕組み

個人の注意力だけに頼っていては、どこかで見落としが生じます。

だからこそ、薬局では仕組みとして安全を確保するための工夫が積み重ねられています。

複数人での確認体制が支えになる理由

多くの薬局では、薬をそろえる人と最終確認をする人を分けるダブルチェック体制を取っています。

同じ人が続けて確認すると、思い込みによって見落としが起きやすくなるため、別の視点を入れることが重要なのです。

50代のあるベテラン薬剤師は「自分一人なら見逃したかもしれない箇所を、若手のスタッフが指摘してくれることがある」と話していたことがありました。

経験の長短に関わらず、互いに確認し合う関係が現場の安全を支えています。

記録を残すことの大切さ

窓口でのやりとりや疑義照会の内容は、こまめに記録に残されます。

これは次回ご来局いただいた際に同じ確認を繰り返さないためでもありますし、何か違和感があったときに振り返るための手がかりにもなります。ヒヤリとした出来事が起きた際も、記録があるからこそ「どの段階で気づくべきだったか」を整理でき、次への改善につながります。

地道な作業ですが、こうした積み重ねが日々の業務を支えているのです。

読者へのワンポイントアドバイス

薬局側の仕組みに加えて、患者さんご自身のちょっとした確認が組み合わさることで、安全はさらに確かなものになります。

受け取ったらその場で薬の名前を確認する習慣を

薬を受け取られたら、その場で薬袋の名前と、ご自分のお名前が一致しているかを軽く確認していただくことをおすすめします。

また、いつもと違う色や形の薬が入っていた場合は、遠慮なく「これは何の薬ですか」と尋ねてください。

後発品への切り替えなど理由がある場合がほとんどですが、念のため確認することで安心して服用していただけます。

ご家族の薬を代わりに受け取られる際も、その場でひと声かけていただけると、私たちもより丁寧にご説明できます。「確認すること」は決して失礼ではなく、お互いの安心につながる大切なやりとりです。

窓口での何気ない一言が、ヒヤリを未然に防ぐ大きな力になります。


ライター:下田篤男

京都大学薬学部総合薬学科を卒業後、調剤薬局やドラッグストアグループで薬剤師として勤務してきました。総合病院の門前店舗では管理薬剤師を務め、たくさんの患者さんと向き合う日々の中で、「薬を渡す」だけではない、人と人との関わりの大切さを実感しています。現在は薬剤師として現場に立ちながら、医療記事の執筆・編集や薬局経営コンサルタントとしても活動中。読者の皆さまに、薬局がもっと身近で頼れる場所になるような情報をお届けしていきたいと思っています。


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