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「隣の方のにおいが…」満席の機内でCAに申告した女性。直後、隣の男性も同じことを申告…予想外の結末にCA「学びました」

  • 2026.6.17
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

近年、「香害」という言葉を耳にすることも増えましたが、限られた空間での「におい」のトラブルは、デリケートで頭を悩ませる問題かと思います。

人によって心地よいと感じる香りが、誰かにとっては耐え難い不快感になってしまう。

そんな難しい問題に直面したとき、私たちはどう振る舞うべきなのでしょうか。

今回は、お客様同士の「におい」をめぐるエピソードをお話しします。

「席を替えることができない」、「においも消せない」という、物理的な解決ができない状況の中で、予想もしない温かい結末をもたらした実例です。

満席の機内で、最初の「申告」

それはジメジメとした、梅雨の時期の出来事でした。

東京から大阪に向かう機内は、平日のビジネス路線ということもあり、一席の空席もない満席でした。

そんな中、窓側の二列席に、スーツ姿の男性と、小綺麗な女性が隣り合わせで座られていました。

上空へ達した頃、その女性がキッチンへやってきて、私にこう申告されたのです。

「すみません、隣の方のにおいが……」

雨の降る蒸し暑い日ということもあり、機内に様々なにおいが感じられたのは事実でした。

しかし、満席のため席を移動することもできません。

私は女性の話に耳を傾け、共感し寄り添いながらも、機内にご用意のあるマスクをお渡しすることしかできませんでした。

「根本的な解決ができない」という不甲斐なさを抱えながら、私は彼女を座席へと見送りました。

気まずい空気に変わった瞬間

女性の様子を気にかけながらドリンクサービスを終えると、今度はお隣の男性がキッチンへとやってこられました。

そして、声を潜めながらこう申告されたのです。

「すみません、隣の女性のにおいがきつくて……」

私は一瞬、状況を飲み込めませんでした。

「一体どういうことだろう……」

聞けば、女性の「柔軟剤」と思われる香りが不快だとおっしゃるのです。

「お互いに不快感を抱いていたなんて……」

私は男性の話にも丁寧に耳を傾け、寄り添いながらも、またマスクをお渡しすることしかできず、もどかしさを感じていました。

男性もマスクをつけた状態で席へと戻ると、お互いに「異変」を感じ取ったのか、どことなく気まずそうな空気が流れていました。

すると突然、女性が男性に話しかけたのです。

私は「もしや、トラブルになるのでは……」と、一瞬、危機感を覚えました。

予期せぬ、優しい「和解」

「もしかして…、私の服のにおいがご迷惑でしたか?」

女性からの突然の問いかけに、男性も「えっ、僕の方こそ……」と応じました。

一触即発になってもおかしくない状況。

しかし、事前に「誰かに聞いてもらった」という安心感があったからでしょうか。

自発的に歩み寄る理性を保てたのかもしれません。

お二人は、お互いに謝罪し合うほど穏やかなムードに変わっていきました。

そして降機の際、こちらを振り返り、丁寧にお辞儀をされ降りて行かれました。

「におい」という、デリケートで対応に限界がある問題こそ、「傾聴」と「寄り添い」が必要である。

耳を傾け寄り添うことが、当事者の心をほぐし、時として予期せぬ「和解」へと繋ぐこともあるのだと、私はこの経験から学びました。

温かい「傾聴」がもたらすもの

物理的な解決策が見つからないとき、私たちはつい焦ったり諦めたりしてしまいがちです。

だからこそ、まずは「丁寧に話を聴き、寄り添う」という姿勢が何よりも大切なのです。

心をそっとほぐせるような、温かい「傾聴」が、時に問題解決の糸口になるのかもしれません。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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