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60代女性、腹痛の救急要請。現場に向かうと“強い雨”が降っていて…→濡れないために救急隊が取った対応とは…?

  • 2026.6.18
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、病気やけがの状態だけでなく、天候に気を配りながら搬送する場面があります。

特に雨の日は、傷病者を救急車まで運ぶだけでも、普段とは違う難しさがありました。

今回の要請は、60代女性の腹痛によるものでした。

現場に到着した時は雨が降っており、自宅の玄関先から救急車まで、どのように濡らさず運ぶかを考えながらの対応になりました。

基本は傷病者を歩かせない

現場に到着すると、女性は腹痛を訴えていました。

意識はあり、会話もできる状態でしたが、救急搬送では基本的に傷病者を歩かせません。

一見歩けそうに見えても、途中で気分が悪くなったり、痛みが強くなったりすることがあります。

転倒してしまえば、別のけがにつながる可能性もあります。
救急車が家のすぐ前に停められる場合もありますが、道路状況や住宅の造りによっては、玄関から救急車まで少し距離が出ることもあります。

今回は強い雨も降っていたため、その移動だけでも普段より気を使う場面でした。

雨の日はどうしても濡れてしまう

救急車には、雨の日の搬送に使う雨除けの装備もあります。

毛布をかけたり、雨除けを使ったりして、できるだけ体が濡れないようにします。

ただ、すべてを完全に防げるわけではありません。

玄関先からストレッチャーへ移す時や、ストレッチャーを救急車内へ収容する時は、どうしても雨に当たりやすくなります。

風がある日はさらに大変です。

傘を差しても雨が横から入り、雨除けが風にあおられてしまうこともあります。

台風のような天候では、短い距離の移動でも傷病者にとって大きな負担になります。

家族に傘を差してもらった

今回も、できるだけ短時間で収容できるように準備をしました。

女性の体が冷えないように毛布をかけ、雨除けも使いました。

それでも、顔や頭のあたりには雨が当たりやすい場面があります。

腹痛がある状態で、冷たい雨が顔に当たるだけでも不快です。
体調が悪い時は、普段なら気にならないことでもつらく感じるものです。

そこで、同乗する家族に協力してもらい、傘を差してもらうことにしました。

ストレッチャーを動かす救急隊は、安全確認や段差の対応で手がふさがることがあります。

家族に顔まわりだけでも雨をしのいでもらえると、とても助かります。

できる範囲で協力してもらいながら、少しでも女性の負担が減るように収容しました。

雨の日は冷えにも注意する

雨の日の搬送で気をつけるのは、濡れることだけではありません。

体が濡れると、そこから冷えにつながることがあります。

特に高齢の方や体力が落ちている方は、わずかな冷えでも負担になることがあります。

救急隊は、病状の確認をしながら、毛布のかけ方や車内に収容するまでの時間にも気を配ります。

雨の中で長く待たせないこと。
濡れる時間をできるだけ短くすること。
風にあおられてストレッチャーが不安定にならないようにすること。

こうしたことも、雨の日の救急搬送では大切になります。

搬送は天候にも左右される

救急搬送というと、病気やけがの処置に目が向きやすいと思います。

ただ、実際の現場では、天候や周囲の環境にも大きく左右されます。

今回の事案では、腹痛そのものへの対応だけでなく、雨による濡れや冷えをどう防ぐかも大切なポイントでした。

雨の日の救急搬送では、病状だけでなく、濡れや冷え、強風による安全面にも注意が必要になります。

目立つ処置ではありませんが、こうした小さな配慮の積み重ねも、現場では大切な対応の一つだと感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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