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3年半ぶりドーム公演、初のベストアルバムを携えた『9人組アイドルグループ』 デビュー5年で磨き上げた“近さ”という才能

  • 2026.8.9
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MUSIC AWARDS JAPAN 2025 (C)SANKEI

 

NiziUが、デビュー5周年を経て新たな節目を迎えている。『Nizi Project』から誕生し、成長の過程をファンと共有してきた9人は、親しみやすさを保ちながら、ライブや作品ごとに表現の幅を広げてきた。アリーナツアー、ドーム公演、初のベストアルバム『Portfolio』へと歩みを進める今、NiziUがなぜ一過性のブームで終わらず、長く愛されるグループになったのかを考えたい。

2025年11月には3rdアルバム『New Emotion』をリリースし、2026年にはアリーナツアー『NiziU Live with U 2026 “NEW EvoNUtion”』を開催。6月には約3年半ぶりとなるドーム公演『NiziU Live with U 2026 “NiziU : THE CINEMA”』も行い、7月1日には初のベストアルバム『Portfolio』をリリースする。2020年のプレデビュー曲「Make you happy」から始まったNiziUの歩みは、5周年を経た今も着実に広がり続けている。

“成長を見守る”親しみやすさがNiziUの強みに

NiziUの大きな強みは、デビュー前から成長の過程を見せてきたことにある。『Nizi Project』では、地域予選から東京合宿、韓国合宿まで、メンバーたちが課題に向き合いながら少しずつ変わっていく姿が映し出された。歌やダンスの上達だけでなく、悔しさを乗り越える姿、仲間の存在に支えられる姿、自分らしさを見つけていく姿。完成されたグループとして突然現れたのではなく、ファンと一緒に歩みながら形作られていったことが、NiziUの親しみやすさにつながっている。

その親しみやすさは、デビュー後も失われることがなかった。「Make you happy」で見せた明るさや、縄跳びダンスのキャッチーさはもちろん、NiziUの魅力は単なる“元気さ”だけにとどまらない。確かな歌唱力やラップ、しなやかなダンス表現、メンバー同士の穏やかな関係性。それぞれが異なる個性を持ちながらも、誰か一人が突出するのではなく、9人でひとつの明るい空気を作り上げていく。そのバランス感覚こそ、NiziUらしさと言える。

“近さ”を保ちながら広げてきたNiziUの表現力

NiziUは、ステージ上での完成度と、ファンに近い親しみやすさを両立させてきたグループでもある。フォーメーションや表情まで丁寧に揃えたパフォーマンスを見せる一方で、トークやコンテンツではメンバー同士の素直な関係性が伝わってくる。背伸びしすぎない言葉や、ファンに向けるまっすぐな姿勢があるからこそ、NiziUは“憧れの存在”でありながら、どこか近くに感じられる。

その距離感は、ライブの場でも大きな魅力になっている。振り付けの正確さやフォーメーションの美しさだけでなく、観客一人ひとりに笑顔を届けようとする姿勢が、会場全体を明るく巻き込んでいく。オーディションの頃から見守ってきたファンにとって、彼女たちがアリーナやドームの中心で堂々と歌い、踊る姿は、単なる会場規模の拡大以上の意味を持つ。デビュー前からの時間を共有してきたからこそ、NiziUのライブには成長を一緒に確かめるような特別な感覚がある。

その一方で、NiziUはデビュー当時からの親しみやすさを保ちながら、作品を重ねるごとに表現の幅を広げてきた。初期の「Step and a step」や「Take a picture」では、明るく前向きなメッセージをまっすぐに届けていたが、その後は「Chopstick」で遊び心を、「CLAP CLAP」で力強さを、「Paradise」で包み込むような温かさを見せてきた。NiziUは“多幸感”という原点を守りながら、楽曲ごとに違う表情を重ねてきたグループである。

5周年の先へ、NiziUが更新するグループ像

その変化は、5周年前後の活動でより鮮明になっている。3rdアルバム『New Emotion』には、デビュー当時のフレッシュさをそのまま引き延ばすのではなく、現在のNiziUだからこそ表現できる柔らかさや落ち着きが刻まれている。「LOVE LINE」や「♡Emotion」でも、明るくキャッチーな魅力の奥に、少し大人びた表情が見える。

初のベストアルバム『Portfolio』は、そんなNiziUの歩みを一つの形にする作品になるはずだ。タイトルの通り、そこにはデビューから現在までに積み重ねてきた楽曲や記憶が並ぶ。だが、それは単なる総まとめではない。5周年を越えたNiziUが、これまで何を大切にしてきたのか、そしてこれからどんなグループになっていくのかを示す、次のスタート地点でもある。

NiziUが長く愛されている理由は、親しみやすさと成長が切り離されていないことにある。ファンは彼女たちの始まりを知っている。そのうえで、今も新しい姿を見せ続けていることを知っている。手の届きそうな近さと、ステージ上での確かな輝き。その両方を持ち続けているからこそ、NiziUはデビュー5周年を越えた今も、多くの人にとって“応援したくなる”グループであり続けている。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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