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テレビには映らない『乃木坂46』の“素顔製造機” 5年間積み上げてきた“距離感”という財産

  • 2026.8.7

今年5月、乃木坂46の公式YouTubeチャンネル「乃木坂配信中」が、開設から5周年を迎えた。

「乃木坂配信中」は、2021年5月にスタートした乃木坂46にとって2つ目の公式YouTubeチャンネル。主にMVやライブ映像をアップしているアーティストチャンネルに対して、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の見逃し配信や、メンバー個人の企画動画を中心に公開しているのが「乃木坂配信中」である。テレビ番組やライブでは見えにくいメンバーの素顔、関係性、趣味嗜好までを記録してきた同チャンネルは、今や乃木坂46の魅力を別角度から伝える重要な場所になっている。

「乃木坂配信中」の魅力は、YouTubeらしい親しみやすい企画の中に、乃木坂46ならではの空気が自然に表れているところにある。料理、帰省、散歩、買い物、密着、趣味企画など、題材は身近なものが多い。だからこそ、メンバー同士の距離感や、これまでの関係性、普段の雰囲気が見えやすくなる。テレビ番組やライブでは拾いきれない会話の間、ふとした表情、相手への接し方が、そのまま動画の見どころになっている。「乃木坂配信中」は、メンバーを近くに感じられる距離感で、乃木坂46の魅力を少しずつ積み重ねてきたチャンネルだ。

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元乃木坂46のキャプテン・梅澤美波が2nd写真集「透明な覚悟」発売し会見を行った =渋谷区 (C)SANKEI

卒業メンバー・梅澤美波と齋藤飛鳥、餃子作りに見えた自然な距離感

その雰囲気がよく出ていた動画の一つが、卒業メンバーである梅澤美波と齋藤飛鳥による「【手作り餃子】梅澤美波と齋藤飛鳥のチートデイ!【焼き芋アイス】」である。

2人で餃子を作り、焼き芋アイスを楽しむという内容はシンプルだが、動画を見ていると、梅澤と齋藤の関係性が少しずつ伝わってくる。齋藤は、親しさを大きなリアクションで見せるというより、会話の間や表情の変化に気持ちが出るタイプだ。梅澤もその空気に無理に踏み込まず、齋藤の言葉や反応を丁寧に受け止めている。2人の距離感が自然に見えるところに、この動画の心地よさがあった。

梅澤は、先輩である齋藤に対しても肩に力が入りすぎず、だからといって踏み込みすぎることもない。齋藤の言葉や表情を見ながら、会話を自然につなぎ、場の空気をやわらかくしていく。その姿からは、キャプテンとしてグループを支えていた梅澤の持ち味も見えてくる。進行のうまさや相手への気配り、表情の豊かさが、餃子を包む何気ない時間の中で少しずつ伝わっていた。2人が並んで過ごす時間を近い距離で見られたことも、この動画が印象に残る理由の一つだ。

「さくさんぽ」とお正月休み、乃木坂46の“素”が見える時間

遠藤さくらの「さくさんぽ」シリーズも、同チャンネルを代表する人気企画だ。遠藤が一人で街を歩き、気になった店に入り、食べ歩きをしたり、買い物をしたりする。谷中銀座、神保町、伊勢・おかげ横丁など、舞台はさまざまだが、シリーズ全体に共通しているのは、遠藤のテンポを急がせないことだ。強い言葉や派手なリアクションで場を引っ張るのではなく、少し迷いながら言葉を選び、小さく笑い、目の前のものを静かに受け取っていく。その控えめな反応の中に、遠藤ならではの魅力がある。

「さくさんぽ」は、遠藤の魅力をゆっくり味わえるシリーズだ。街を歩く足取り、食べ物を選ぶ時間、店員とのやり取り、ふとした笑顔。大きな展開を作るというより、遠藤のペースに合わせて動画が進んでいく。YouTubeらしい近さはありながら、見ている側が心地よく眺めていられる余白もある。日常の中にある小さな反応が、そのまま見どころになっているところに、このシリーズの良さがある。

メンバーの日常が見える企画としては、毎年恒例となっている「お正月休み」の自撮り企画も印象に残る。メンバーがそれぞれ休暇の過ごし方を自撮りで紹介するシリーズで、実家でゆっくり過ごしたり、旅行に出かけたり、家族や友人との時間を見せたりと、普段とは違う表情が映し出されている。ライブやテレビでは同じ衣装で並ぶメンバーたちが、それぞれの場所でどんなふうに過ごしているのかが見える。グループとしての姿だけでなく、一人ひとりの生活や個性にも触れられる企画だ。

卒業メンバー・久保史緒里の楽天愛も 「乃木坂野球部」が映すメンバーの素顔

もう一つ、「乃木坂配信中」らしいシリーズとして触れておきたいのが「乃木坂野球部」だ。野球好きのメンバーが集まり、観戦やトーク、ユニフォーム姿での企画などを展開してきたこのシリーズでは、好きなものを前にしたメンバーの素の熱量が見えてくる。

なかでも卒業メンバーの久保史緒里が東北楽天ゴールデンイーグルスについて話す時には、地元の球団を応援してきた人ならではの熱がある。乃木坂46は大人数グループのため、期別や選抜/アンダー、楽曲ごとの組み合わせで関係性が語られることも多い。そこに「野球が好き」という共通点が加わることで、普段とは少し違うメンバー同士のつながりが生まれているのもファンにとっては喜ばしいポイントだろう。趣味をきっかけに、それぞれの人柄やテンションの違いが見えるところが、「乃木坂野球部」の面白さだ。

動画を見返すことで見えてくる、乃木坂46の歩み

ほかにも、「乃木坂配信中」にはメンバーの普段の表情が見える動画が多い。

5周年を迎えた「乃木坂配信中」には、この5年間の乃木坂46の姿がさまざまな形で残されている。ライブやテレビでは見えにくいメンバーの表情、先輩と後輩の関係性、一人ひとりの好きなものや素の空気。

そうした動画を見返すことで、グループの歩みを別の角度から振り返ることができる。「乃木坂配信中」は、乃木坂46の今を届けるチャンネルでありながら、これから先もこの時代のグループを思い出せる大切な場所であり続けるだろう。


※記事は執筆時点の情報です。

出典:乃木坂46公式YouTube『乃木坂工事中

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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