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「積立金、足りていますか?」初めての大規模修繕で見えた、タワマン特有の費用と将来の備え

  • 2026.6.30
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験を持ち、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。タワーマンションでの暮らしは快適ですが、年数が経つと避けて通れないのが建物の修繕です。

今回は、初めての大規模修繕(建物の劣化を防ぐために定期的に行う大きな補修工事)を迎え、想定外の費用負担に直面した事例を紹介します。

予算オーバー…タワーマンション特有の修繕費用

都内の築12年のタワーマンションに住むAさん(40代男性)は、初めての修繕委員に選ばれました。修繕委員会で提示された見積書を前に、Aさんは驚きの声を上げます。

「こんなに費用がかかるのですか。予算を大幅に超えています」

タワーマンションの高層階は、地上から足場を組むことができません。屋上から吊るすゴンドラを使った高所作業が中心になります。そのため、工事用足場などの一時的な設備にかかる仮設費用が、全体の中で大きな割合を占めやすいのです。

外壁やサッシの資材、エレベーターや給水ポンプなどの設備も高層仕様で割高になります。さらに、海や川に近い立地では潮風による塩害が進みやすく、修繕費用が膨らみやすいのが特徴です。

段階増額方式が招いた資金不足の危機

Aさんのマンションでは、段階増額方式(新築当初の積立金を低く抑え、数年ごとに引き上げていく方法)を採用していました。新築時の負担を抑えられるため、多くのマンションで採用されている方式です。

「1回目の工事に必要な資金が足りないおそれがあります」

管理会社からの説明に、修繕委員会のメンバーは頭を抱えました。修繕積立金の増額前倒しや、区分所有者からの一時金徴収が議題に上がります。

この時点での不足額自体は大きくありませんでしたが、将来の長期修繕計画を試算すると、深刻な問題が発覚します。築30〜40年で必要になる給排水管や、エレベーターの交換費用が高額で、現在の積立ペースでは追いつかないと分かったのです。

「1回目を乗り切ること以上に、その先の積立計画をどう立て直すかが課題でした」

Aさんは、当時の深刻な議論をこのように振り返ります。一方で、早い段階から積立額を計画的に引き上げていたタワーマンションでは、慌てずに対応できていた例もあります。

将来を見据えた点検と確認のポイント

管理組合としては、ゴンドラ仮設や特注設備の更新といった高層特有の費用も織り込んで、長期修繕計画を見直す必要があります。段階増額が予定どおり実行できるか、早めに点検することも重要です。

購入を検討する方は、長期修繕計画と修繕積立金の積立方式を確認しておきましょう。積立方式が段階増額か均等積立方式(最初から均等に積み立てる方法)かによって、この先の負担の見通しは変わります。

段階増額なら、いずれ積立額が上がる前提で家計を見ておくと、見通しを立てやすくなります。こうした見通しを知っておくだけでも、将来の値上げや一時金の話が出たときに、落ち着いて対応できるようになるでしょう。



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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