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「えっ、うちのほうが高い!」憧れのタワマン高層階を購入→数年後、40代会社員を待っていた“盲点”

  • 2026.6.26
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大学卒業後に大手不動産会社へ入社し、現在は不動産ライターとして活動する宅地建物取引士のT.Sです。マンションを購入する際、素晴らしい眺望を求めて高層階を希望する方は多いのではないでしょうか。

今回は、眺望の良さに惹かれてタワーマンションの高層階を購入したものの、入居後に思わぬ税金の仕組みを知り、維持費の計算が狂ってしまったエピソードを紹介します。

眺望代だけではなかった。高層階で上振れする税額の仕組み

40代の会社員Aさんは、眺望の良さに惹かれて新築タワーマンションの高層階を購入しました。同じ間取りの低層階より数百万円ほど高額でしたが「眺めには代えられない」と納得して契約したそうです。

しかし入居から数年後、毎年届く固定資産税と都市計画税の納税通知書を見ていて違和感を覚えます。同じマンションの低層階に住む知人と税金の話になり「えっ、うちのほうが高い!同じ間取りなのになぜだ」と驚きを隠せませんでした。

気になったAさんが調べると、2017年度(平成29年度)の税制改正による新たなルールが原因だと分かりました。高さ60mを超えるタワーマンション(居住用超高層建築物)では、住戸の階数によって建物部分の固定資産税などが補正される仕組みに変わっていたのです。

具体的には1階を基準として、上の階へ行くほど税の計算に使う床面積が少しずつ大きく補正されます。建物全体の税額そのものは変わりませんが、階層間で負担の配分が調整されるのです。

毎年の固定資産税と取得時の二重負担で膨らむコスト

この補正による差は、おおむね40階建ての場合、最上階と1階で約1割とされています。1回あたりの差額は大きくなくても、固定資産税は所有している限り毎年かかるため、長く住むほど負担が積み上がります。

対象は、2017年(平成29年)4月1日以後に最初の売買契約が結ばれた新築のタワーマンションです。それより前に分譲・完成していた物件は対象外ですが、対象物件であれば中古で買っても補正後の税額が引き継がれます。

さらに階層別の補正は、購入時に一度だけかかる不動産取得税にも同じ考え方で及びます。高層階を選ぶと、初期費用である取得時の税金も高めになる傾向があるのです。

管理費や修繕積立金は、階数は関係なく専有面積に応じて決まりますが、高層階は購入価格と税金の二つがそろって上振れします。Aさんは「眺望代としての数百万円は覚悟していましたが、毎年の税金まで低層階より高いなんて思いもしませんでしたよ」と口にしました。

購入価格だけでなく毎年の税金を含めた総額で判断を

高さ60mを超える新築タワーマンションでは、高層階ほど購入価格が高いうえに、毎年の固定資産税・都市計画税と購入時の不動産取得税も、階数補正で低層階より高くつきます。高層階を選ぶなら、購入価格だけでなくこの税金の上振れ分も見込んでおく必要があります。具体的な税額を把握するなら、物件のある市区町村の固定資産税窓口や税理士に確認すると正確です。

高層階の眺望や満足感には、他に代えがたい価値があります。眺望の価値と、購入価格に加えて毎年の税負担まで並べて見比べると、入居後に「こんなはずではなかった」と感じる事態を避けやすくなります。



ライター:T.S(宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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