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「マンションに充電設備があるから」と新車EVを購入→納車数カ月後の40代夫婦を待ち受けていた“想定外の事態”

  • 2026.6.29
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近はガソリン価格の上昇や環境意識の高まりを背景に、EV(電気自動車)への関心が高まっています。

「自宅で充電できればガソリンスタンドへ行く必要もない」「維持費も安くなりそう」

そう考えて購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、マンションでEVを所有する場合、車両価格や補助金だけでは見えない落とし穴が存在することがあります。

今日は、マンションに充電設備があることを理由にEVを購入したものの、想像以上の充電待ちに悩まされることになった40代ご夫婦のエピソードをご紹介します。

「充電設備があるから安心」とEV購入を決断

これは、私の知り合いでもある40代のAさんが数年前に経験した話です。Aさんご夫婦は、築10年ほどの分譲マンションで暮らしていました。夫婦ともに車通勤ではありませんでしたが、休日には買い物やレジャーで車を利用。

当時はガソリン価格の上昇が続き、ニュースでもEV(電気自動車)が話題になっていた時期です。環境性能への関心も高まるなか、Aさんご夫婦も車の買い替えを機にEVへの乗り換えを検討するようになりました。

お住まいのマンションにはEV充電設備が設置されていたため、大きな不安はありませんでした。補助金も活用できることから、新車のEV購入を決断したそうです。納車直後の満足度は非常に高かったといいます。

車内は驚くほど静かで、ガソリンスタンドへ立ち寄る必要もありません。Aさんは「これからは燃料代も抑えられそうです」と話し、奥様も新しいカーライフに期待を寄せていたそうです。

この時はまだ、数ヶ月後に思わぬ問題に悩まされることになるとは想像もしていませんでした。

EV利用者の増加で予約が取れなくなった

状況が変わったのは、納車から数ヶ月後のこと。マンション内でEVを所有する住民が徐々に増え始めたのです。

もともと設置されていた充電設備は数台しかなく、利用者が少なかった頃は特に不便を感じることはありませんでした。しかしEVの普及とともに利用者が増え、次第に予約が取りづらくなっていきます。特に、平日の夜や休日は利用希望者が集中していました。

Aさんが仕事を終えて帰宅した頃には、管理アプリの予約枠がほとんど埋まっている状態も珍しくなかったそうです。

「今週末まで予約がいっぱいです」

そんな状況も頻繁に発生するようになりました。

ようやく空き枠を見つけても「利用開始は数時間後」というケースが多く、充電したいタイミングで利用できるとは限りませんでした。

その結果、ご夫婦は外出の予定を立てるたびにバッテリー残量を確認するようになり、次第に常に充電を気にしながら生活するようになっていったそうです。

外部の急速充電スポットでも長時間待ちに

やがてマンション内だけでは十分に充電できなくなり、商業施設や高速道路のサービスエリアなどに設置された急速充電スポットを利用するようになりました。しかし、そこで待っていたのは別の問題でした。

EV利用者の増加により、週末の急速充電スポットには多くの車が集まっていたのです。充電器が空くまで30分以上待つことも珍しくありませんでした。さらに、順番が回ってきても充電には一定の時間がかかります。

「買い物や外出の予定より、充電の予定を優先しているような生活だ…」

とAさんは振り返っていました。休日に出掛ける前には、まず充電できる場所を探し、空き状況を確認することが当たり前になっていったそうです。

本来はガソリン代の節約や利便性向上を期待して購入したEVでしたが、気付けば充電のために時間を使う場面が増え、家族で過ごす休日にも少しずつ影響が出るようになっていました。

充電設備の増設も簡単には進まなかった

Aさんご夫婦だけでなく、マンション内では同じ悩みを抱える住民が徐々に増えていました。そこで管理組合では、EV充電設備の増設について話し合いが行われるようになります。

しかし、問題はそう簡単ではありませんでした。

EV充電設備を増設するには高額な工事費がかかります。また、マンション全体の受電容量(建物全体で使用できる電気量)にも限界があり、単純に充電器の台数を増やせば解決するという話ではありませんでした。

費用負担の方法や将来的な利用者数の見通しなども含めて議論が続きましたが、すぐに結論が出る状況ではなかったそうです。

Aさんは「充電設備があるマンションだから安心しきっていたのに…」と話していました。

しかし実際には、設備の有無だけでなく「何台設置されているのか」「どの程度利用されているのか」「どのような運用ルールになっているのか」まで確認しなければ、使い勝手を判断することは難しかったのです。

EV購入前は充電環境の実態確認が重要

EVはガソリン代の負担軽減や環境性能の高さなど、多くの魅力を持つ車です。

一方で、マンションでは充電設備が設置されていても、利用者数によっては十分に使えない場合があります。特に今後EVの普及が進めば、同じような充電設備不足の問題はさらに増えていく可能性があります。

住宅購入や住み替えを検討する際は、次のような点も確認しておきたいところです。

  • 充電設備の台数
  • 利用ルールや予約方式
  • 現在の利用状況
  • 増設計画の有無
  • 受電容量に余裕があるか

マンションに充電設備があるという事実だけで安心するのではなく、実際にどの程度利用しやすい環境なのかまで確認することが大切です。また、戸建て住宅では自宅専用の充電設備を設置しやすい一方で、マンションでは共用設備を利用するケースが一般的です。

EV購入では車両価格や補助金に注目しがちですが、日常的に利用する充電環境まで含めて考えておかなければ、Aさんご夫婦のように想定外の不便さに悩まされることもあります。

車選びと住まい選びは切り離して考えるのではなく、将来のライフスタイルまで見据えて検討することが大切なのかもしれません。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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