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「まだ動くし大丈夫」が落とし穴に…10年以上前のエアコンを放置した40代夫婦を襲った“真夏の盲点”

  • 2026.6.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

梅雨明けから一気に暑くなった日に、久しぶりにエアコンのスイッチを入れた瞬間「なんだか変なにおいがする…」と感じた経験はないでしょうか。最初は気のせいだと思っていても、部屋中に広がるカビ臭さに家族全員が顔をしかめることもあります。

特に長年使い続けているエアコンは、見た目に異常がなくても内部に汚れやカビが蓄積しているケースがあります。また、真夏になってから慌てて修理やクリーニングを依頼しても、予約が取れず困ってしまうことも少なくありません。

今日は、住んでから使い続けていた2007年製エアコンが原因で、思わぬ出費と後悔を経験した40代ご夫婦のお話をご紹介します。

冷房をつけた瞬間、部屋中に広がったカビ臭

1年前、私が不動産売買の相談を受けていた40代のご夫婦、Aさん夫妻のお話です。

Aさんご夫妻は戸建て住宅で暮らしていました。リビングには入居当初から使い続けている2007年製のエアコンが設置されていましたが、一度も故障したことがありませんでした。

そのため「まだ普通に動いているし、買い替えるのはもったいない」と考え、長年使い続けていたそうです。フィルター掃除は定期的に行っていましたが、内部洗浄は設置以来一度も実施していませんでした。

そして梅雨明け後、連日30度を超える暑さが続き、本格的に冷房を使い始めた日のことです。エアコンのスイッチを入れて数秒後、リビングに異変が起きました。

「なんかカビ臭くない?」

奥様がそう言うと、ご主人もすぐに気付いたそうです。最初は気のせいかと思いましたが、時間が経ってもにおいは消えません。窓を全開にして換気しても改善せず、冷風と一緒に湿ったような独特の臭気が部屋中へ広がっていきました。

その後も運転を続けるたびに同じにおいが発生し、ご夫妻は次第に不安を感じるようになったそうです。

来客前に大慌て…しかし業者の予約が取れない

ちょうどその頃、Aさんご夫妻は親族を自宅へ招く予定を控えていました。このままでは、とても人を呼べる状態ではありません。焦ったAさんは、すぐにエアコンクリーニング業者へ連絡しました。

ところが、返ってきたのは予想外の返答でした。

「最短でも3週間後になります」

梅雨明けから真夏にかけては、エアコンクリーニングの依頼が集中する繁忙期です。Aさんは別の業者にも問い合わせましたが、どこも予約で埋まっており、すぐに対応できるところは見つかりませんでした。

結局、ご夫妻は応急処置として窓を開けながらエアコンを使用するしかありませんでした。

しかし状況はほとんど改善しません。

「また臭ってきた…」

運転を開始するたびにカビ臭いにおいが部屋へ広がり、家族全員が顔をしかめる状態が続いたそうです。来客の日が近づくにつれ、ご夫妻の焦りはますます大きくなっていきました。

点検で判明した大量のカビと部品供給終了

ようやく予約が取れた数週間後、業者による点検が行われました。そこで判明したのは、ご夫妻の想像をはるかに超える状態でした。

エアコン内部を確認すると、熱交換器(室内機の中で空気を冷やす部品)や送風ファンには大量のホコリとカビが付着していたのです。業者からは「かなり長期間、内部洗浄をしていない状態ですね」と説明を受けたそうです。

エアコンは冷房や除湿運転を行うと内部で結露が発生します。その湿気とホコリが組み合わさることで、カビが繁殖しやすい環境になるとされています。実際にダイキン工業株式会社も、冷房や除湿運転によって内部に水分が残り、カビが発生する場合があると案内しています。

さらに、業者からは別の問題も指摘されました。

「この年式ですと、故障した場合は修理できない可能性があります」

その言葉に、Aさんは思わず驚いたそうです。

実は一般的に、エアコンの補修用性能部品(修理用部品)の保有期間には期限があります。多くの家庭用エアコンでは、部品供給終了の目安は「製造打ち切りから10年」とされています。ここで注意したいのは、購入から10年ではなく「製造終了から10年」という点です。

Aさん宅のエアコンは2007年製でした。すでに製造終了から長い年月が経過していたため、万が一故障した場合は必要な部品が入手できず、修理そのものが難しくなる可能性があると説明を受けたのです。

予想外の出費に…「壊れていない」が落とし穴だった

最終的にご夫妻はクリーニングだけでなく、エアコンの買い替えを検討することになりました。当初は数万円程度の出費を想定していました。

しかし最新機種への交換工事まで含めると、想定以上の費用が発生しました。ご主人は「壊れていないから大丈夫だと思っていました」と苦笑いしていたそうです。

実際には、壊れていなくても内部の劣化や汚れは進行しています。特に10年以上使用しているエアコンは、次のような見えないリスクを抱えている場合があります。

  • 冷暖房効率の低下
  • 内部のカビやホコリの蓄積
  • 電気代の増加
  • 部品供給終了の可能性

エアコンなどの設備は、問題なく使えている間ほど“内部の劣化”や“汚れ”に気付きにくいものです。

エアコンは壊れる前の点検が大切

今回のケースでお伝えしたいのは、エアコンは故障していなくても定期的な点検やメンテナンスが重要だということです。

特に次のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 運転開始直後にカビ臭いにおいがする
  • 冷房の効きが悪い
  • 異物が風に乗って飛んでくる
  • 異音がする
  • 水漏れが発生している
  • 10年以上使用している

また、フィルター掃除だけでは内部の汚れを完全に防ぐことは難しい場合があります。

梅雨から夏にかけてはエアコン内部でカビが繁殖しやすくなるため、本格的な暑さが来る前に試運転を行い、異臭や異音がないか確認しておくと安心です。

さらに、クリーニングや買い替えは真夏の繁忙期ではなく春先に検討すると、予約が取りやすく余裕を持って対応できます。快適な夏を迎えるためにも、一度ご自宅のエアコンの製造年や使用状況を確認してみてはいかがでしょうか。

参考:梅雨の困りごとと解決法(ダイキン工業株式会社)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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