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「こんなに安いなんて!」相場より500万安い“新築同然”中古マンションを購入…40代夫婦がベランダで直面した想定外の事態

  • 2026.6.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

中古マンションを探していると「相場よりかなり安いのに室内は新築同然」という物件に出会うことがあります。同じマンション内の他の部屋より数百万円安ければ、お得に感じる方も多いでしょう。

実際、不動産購入では価格や室内の綺麗さに目が向きやすく、ベランダや共用部分、建物周辺の環境まで細かく確認する方は決して多くありません。

しかし過去には、リノベーション済みマンションを購入したご夫婦が、入居後に思わぬ問題に直面したケースがありました。

今日は、築30年超の中古マンションを購入した40代ご夫婦が経験した、ハト被害による後悔のエピソードをご紹介します。

「500万円安いなら買うしかない」と購入を決断

これは私が不動産売買仲介をしていた頃に会社の後輩が経験した話です。

お客様は40代のAさんご夫婦。賃貸マンションから分譲マンションへの住み替えを検討していました。希望条件は次のとおりです。

  • 駅徒歩10分以内
  • 3LDK以上
  • 予算3,000万円前後
  • 日当たりの良い南向き

そんな中、ご夫婦が見つけたのが築30年を超える中古マンションでした。

室内はフルリノベーション済みで、キッチンや浴室、床、壁紙まで一新されています。一歩室内に入ると築年数を感じさせず、まるで新築住宅のような印象でした。

さらにご夫婦の目を引いたのが価格です。同じマンション内で過去に成約した類似住戸と比べると、およそ500万円も安く販売されていました。

奥様は内見時に「綺麗なのにこんなに安いなんて!」と驚かれていました。ご主人も「この金額ならすぐ売れてしまうかもしれないですね」と前向きな様子でした。

実際、室内の状態は非常に良好で、日当たりも申し分ありません。ご夫婦は「かなりお得な物件に出会えた」と感じ、そのまま購入を決断します。

当時は誰も、その価格の裏に思わぬ理由が隠れているとは考えていませんでした。

入居後に始まったハト被害

入居当初の生活は非常に快適でした。南向きのため日当たりは良好。リフォーム済みの室内も使いやすく、ご夫婦は新生活を満喫していました。

ところが、入居から数日経過した頃から異変が起こります。朝になるとベランダにハトが飛来するようになったのです。最初は数羽程度でした。

「近くに公園もあるし、そのうちいなくなるだろう」

ご夫婦はその程度に考えていました。

しかし状況は徐々に悪化します。ある朝、奥様がカーテンを開けると「えっ…何羽いるの?」と思わず声を上げたそうです。手すりの上には複数のハトが並び、室外機の上にも止まっています。ベランダの床には糞や羽毛が散乱していました。

さらに深刻だったのは日常生活への影響でした。

  • 洗濯物に糞が付着する
  • 窓を開けると鳴き声が響く
  • 羽毛が室内に入り込む
  • ベランダに出るたびに清掃が必要になる

やがてご夫婦は外干しを断念せざるを得なくなりました。奥様は「南向きだから洗濯物がよく乾くと思って購入したのに、結局一度も快適に外干しできませんでした」と肩を落としていたそうです。

快適だったはずの住まいは、少しずつストレスを感じる場所に変わっていきました。

管理組合への相談で判明した事実

状況改善を期待し、ご夫婦は管理組合に相談しました。すると返ってきた言葉に驚きます。

「実は以前から問題になっている場所なんです」

詳しく調べると、マンション屋上の形状や隣接建物との位置関係により、ハトが休憩しやすい場所になっていました。さらに周辺には大型商業施設や公園もあり、餌を確保しやすい環境が整っていたそうです。

つまり、ご夫婦の部屋だけの問題ではありませんでした。マンション全体で長年続いていた鳥害だったのです。

後日、総会議事録(管理組合の会議記録)を確認すると、過去にもハト被害に関する議題が何度も取り上げられていました。その内容を見たご主人は愕然とします。

「購入前に見ていたら判断が変わったかもしれない」

そして担当していた後輩に対して「こういう情報は事前に分からなかったんですか?」「なぜ調べてくれなかったんですか」と厳しい言葉を投げかけたそうです。

実際、担当していた後輩も室内の状態や価格面に注目しており、本来であれば事前に目を通しておくべき管理組合資料や総会議事録の内容までは十分に確認できていませんでした。

中古マンション購入では建物全体の確認も重要

中古マンションでは、室内リフォームの状態だけで購入を判断するのは危険です。特に築古マンションの場合、住み心地や資産価値は専有部分(自分の部屋)だけでなく、建物全体の管理状況や周辺環境によって大きく左右されます。

購入前には、次のような点も確認しておきたいところです。

  • 朝や夕方など時間帯を変えて現地を訪れる
  • 当該住戸や周辺住戸のベランダに防鳥ネットが設置されていないか確認する
  • ベランダや手すりに糞の跡が残っていないか確認する
  • 周辺の電線や屋上に鳥が集まっていないか確認する
  • 不動産会社の担当者等を通じて、管理会社にハトやカラスなどの鳥害相談の有無を確認する
  • 仲介担当者等に依頼して、総会議事録や管理組合資料に鳥害対策の記録がないか確認する

不動産には、価格が安く設定される何らかの理由が存在するケースがあります。もちろん、すべての値引き物件に問題があるわけではありません。

しかし、リノベーション済みで室内が綺麗な物件ほど、購入希望者の視線は室内に集中しやすく、建物全体や周辺環境の確認がおろそかになりがちです。

Aさんご夫婦も「500万円安い」「室内は新築同然」という魅力に目を奪われ、ベランダや共用部分、管理状況まで十分に確認できていませんでした。

中古マンション選びでは、室内の第一印象だけでなく「なぜ相場より安いのか」という視点を持つことが後悔を防ぐ大切なポイントです。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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