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「見終わってしまった」「最後まで夢中」完成度の高い“最終回”を迎えた春ドラマの“ダークホース”【木曜深夜ドラマ】

  • 2026.6.13
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木曜ドラマ『君が死刑になる前に』最終話 (C)ytv

汐梨(唐田えりか)が犯人ではないことが明らかになった『君が死刑になる前に』第9話。汐梨の「この世界が好きじゃない」という言葉を受けて、琥太郎(加藤清史郎)は冤罪を証明しようと決意を新たにする。そのためには、真犯人を見つけ出す必要がある。まさに、タイトルの「君が死刑になる前に」を回収するような展開だ。

最終話でも新たな事実が明らかになった本作。つくづく、深夜ドラマでありながら、春ドラマのダークホースとなる存在だった。

※以下本文には、放送内容が含まれます。

最後の捜査で見えてきた被害者たちのつながり

琥太郎たちは、あらためて教師連続殺害事件の被害者について調べていくことに。凛(与田祐希)は、別荘が放火された理由を踏まえて、被害者たちの教え子にヒントがあるのではないかと考え、卒業アルバムの調査を進めていく。

そして、刑事・深沢(ニシダ・コウキ ラランド)の口から、第四の被害者になるはずだった鮫島(小林大斗)も丸藤(今江大地)も盗撮グループの一員だったことが明かされる。被害者は全員、なんらかの悪事に手を染めていたのだ。

捜査を進める琥太郎の前に、汐梨を探して凪音(伊礼姫奈)が姿を現す。凪音は、幼い頃に命を奪ってしまった村越(戌井昭人)や、殴りつけた伊藤(内博貴)の写真には取り乱すものの、第一の被害者・小谷(大塚ヒロタ)のことも、白鳥(輝有子)のことも、本当に知らない様子だった。第一、第二の事件については、凪音が犯人ではない可能性が高い。

そして、そこに凛が集めてきた小谷の教え子が掲載されている卒業アルバムのコピーが届く。そこには、真犯人の若い頃が写されていた。

真犯人が抱え続けた苦しみ

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木曜ドラマ『君が死刑になる前に』最終話 (C)ytv

小谷の教え子として卒業アルバムに写っていたのは、凪音の里親である長峰洋子(内田慈)。彼女は小谷から性暴力を受けていた。そして、そのことを当時、教育委員会の相談窓口の責任者であった白鳥に相談したものの、取り合ってもらえず、2人へ強い恨みを抱えていたのだ。

証拠となったのは、琥太郎が長峰にあげたミントケース。犯人が使用したとみられる車から、そのミントケースが出てきたのだ。2026年にカフェ『カルムス』の跡地の中華料理屋でもらったミントケースなんて、琥太郎から受け取らない限り手にできるはずがない。過去と未来の行き来が、犯人をあぶり出す最後の鍵となったのだ。

もう逃げられないと悟った長峰は、事件の裏側を語り始める。小谷からの性暴力がきっかけで男性が怖くなり結婚を諦めて、凪音の里親になった長峰は、汐梨と3人で穏やかな関係を築き始めたころに、小谷と再会してしまう。

汐梨に襲いかかろうとしていた小谷を殴りつけたことで、長峰のたがが外れてしまう。長峰が人の命を奪いながら、「こうすれば良かった」と爽快感を感じてしまうのは、長峰の苦しみに誰も寄り添ってくれなかったからだ。高校生の長峰が泣きながら相談する姿を見て、白鳥が「あなたも楽しんだでしょう」と告げるシーンからは、長峰がどれだけ大きな絶望を抱えて生きてきたかが伝わってきた。

長峰が犯罪を重ねていったのは、汐梨が罪を庇ってくれるから。長峰は汐梨に罪を着せることになんの罪悪感も持っていなかったのだ。それは、長峰の中に汐梨への嫉妬心があったから。

長峰は、凪音との絆に嫉妬していただけでなく、男性にモテる汐梨に対して、男を利用してうまく生きてきたと誤解していた。汐梨も男性から向けられる不躾な好意によって、人生を狂わされた人物だ。むしろ、長峰と近い立場なのに、2人は分かりあうことができなかった。

真犯人が逮捕され、琥太郎たちも2026年に無事帰還できたものの、長峰が事件を起こすに至った事情を踏まえると苦い後味の残る物語だった。

SNSでは、「見終わってしまった」「犯人に納得!動機が辛い……」「最後まで夢中だった」など、最終話の展開に満足している声が多い。

最後まで見届けてみると、前代未聞のタイムスリップサスペンスとして、これ以上ないほどの仕上がりだったように思う。毎週木曜深夜が待ち遠しくなる時間を届けてくれた本作に、あらためて感謝したい。


読売テレビ・日本テレビ系 プラチナイト木曜ドラマ『君が死刑になる前に』毎週木曜よる11時59分〜

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202

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