1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. “再婚した夫”と暮らす50代妻→「財産はすべて妻に」夫の言葉に安心していたが…夫の死後、前妻から届いた連絡に“青ざめたワケ”

“再婚した夫”と暮らす50代妻→「財産はすべて妻に」夫の言葉に安心していたが…夫の死後、前妻から届いた連絡に“青ざめたワケ”

  • 2026.6.17
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

再婚家庭の相続では、「誰が相続人か」が分かりづらくなりがちです。

前配偶者は離婚により相続権がなくなるものの、子どもがいる場合は権利関係が複雑化しやすくなります。

今回は、再婚家庭の相続トラブルにより、自宅を失いかけた女性の事例について紹介します。

「財産はすべて妻に」夫の言葉に安心していた女性

50代の女性・Aさん(仮名)は10年前に結婚し、夫婦で二人暮らしをしていました。

Aさん夫婦に子どもはいませんでしたが、Aさんの夫には前妻との間に子どもが1人います。

しかし、離婚後は絶縁状態となっており、Aさんの夫とその前妻・子どもは長年顔を合わせていませんでした。

Aさんの夫は「自分の財産は、預金も家もすべてAに引き継いでもらう」と話しており、Aさんも安心していたといいます。

夫の死後、絶縁状態の子どもから連絡が…

毎日穏やかに過ごしていたAさん夫婦でしたが、ある日Aさんの夫が病気で倒れ、帰らぬ人となりました。

葬儀を終えた頃、Aさんのもとに1本の電話が。

それは、親戚伝いでAさんの夫が亡くなったことを知った前妻の子どもからでした。

「私にも相続権があるはずです。遺産分割の方法について話し合いましょう」

突然の連絡に、Aさんは青ざめました。

前妻との子どもには相続権がある

離婚すると前配偶者には相続権がなくなりますが、子どもは離婚後も血がつながる親子です。

よって、両親の婚姻関係の有無にかかわらず、子どもは常に法律上の相続人として扱われます。

今回の場合、相続人は妻のAさん・前妻の子どもの2人であり、それぞれの相続分は1/2ずつ。

Aさんの夫の相続財産は、以下のとおりです。

  • 預金:1,000万円
  • 不動産(自宅):2,000万円

合計3,000万円を1/2ずつ分けた場合、1人あたりの相続分は「1,500万円」です。

つまり、相続財産の預金1,000万円をすべて前妻の子どもが相続しても、本来の相続分には500万円足りません。

この場合、Aさんに求められる対応は以下のいずれかです。

  • 相続財産である自宅を売却して500万円を支払う
  • 自己資金から500万円を支払う

一時は自宅を手放すことも考えたAさんでしたが、結果として自己資金から500万円を捻出。

相続財産の預金とあわせて、1,500万円を前妻の子どもに渡すことになりました。

再婚家庭の相続には「遺言書」などの対策を

今回のケースでは、Aさんの夫の「Aに全財産を相続させる」という希望は叶いませんでした。

また、相続財産の多くを不動産が占める場合、状況によってはAさんのように売却を迫られる可能性も。

具体的な対策としては遺言書を作成するなどの方法が挙げられますが、前妻の子どもには、相続分の最低保証として「遺留分」が認められています。

たとえ遺言書があっても、前妻の子どもは遺留分侵害額として750万円を金銭で請求できます。

今回の場合、たとえAさんの夫が「Aに全財産を相続させる」旨の遺言書を作成していたとしても、前妻の子どもは相続財産の1/4である「750万円」を遺留分として請求できます。

相続争いを避けるためには、遺留分を考慮した遺言を残すことも方法の1つです。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

の記事をもっとみる