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60代父の死後→スマホを引き継ぎ。「落ち着いてから解約すればよい」と思っていたが…50代息子を襲った“デジタル遺産の盲点”

  • 2026.6.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

親が亡くなった後、「スマホは落ち着いてから解約すればよい」と考える方は少なくありません。ところが、今のスマホには通信契約だけでなく、サブスク、スマホ決済、ネット銀行、証券口座、写真、連絡先など多くの情報が入っています。

今回は、親のスマホ契約をそのままにしていた50代会社員の事例から、デジタル遺品の注意点を見ていきます。

解約しようとしたスマホが、実は“親の家計の入口”だった

50代男性・会社員のAさんは、82歳の父親を亡くしました。父親は一人暮らしでしたが、近所のスーパーではスマホ決済を使い、通院の予約もスマホで確認していました。ただAさんは、「父のスマホは電話とLINEくらいだろう」と思っていました。

葬儀後、Aさんは銀行口座や年金の手続きを優先し、スマホはしばらくそのままにしたそうです。月額料金は約3,200円。急いで解約しなくてもよいと考えたのです。

ところが、父親名義のクレジットカードの利用明細を確認していると、携帯料金とは別に、毎月980円、550円、1,280円という見覚えのない請求が続いていました。動画配信、写真保存、セキュリティアプリのようなサービスです。

Aさんは「スマホを解約すれば止まるだろう」と携帯ショップに行きました。しかし、通信契約の解約と、アプリやサブスクの解約は別でした。

さらに、父親のスマホにはロックがかかっており、本人確認用のメールにも入れません。サービスによってはSMS認証や登録メールでの確認が必要になるため、通信契約を先に止めると、確認が難しくなる場合があります。

自宅を整理すると、古いメモ帳からネット銀行らしき名前と証券会社の名前も見つかりました。紙の通帳はなく、郵便物もほとんどありません。

Aさんは、スマホの解約だけで終わると思っていたところ、サブスク、スマホ決済、ネット銀行、証券口座の確認に追われることになりました。

「スマホを解約すれば終わり」ではない理由

親が亡くなった後、スマホ契約を解約すること自体は必要な手続きです。ただし、解約前に確認したいことがあります。

まず、月額課金の有無です。動画、音楽、電子書籍、写真保存などは、スマホ料金とは別に請求されていることがあります。月500円や1,000円でも、複数あれば年間では数万円になる場合があります。

次に、スマホ決済や電子マネー、ポイント残高の有無です。アプリに残高やポイントが残っている場合、サービスごとの規約に沿って確認する必要があります。

さらに、ネット銀行や証券口座の存在にも注意が必要です。通帳や郵便物が少ないと、家族が口座の存在に気づきにくくなります。相続財産を正しく把握できなければ、遺産分割や相続税の確認にも影響する可能性があります。

スマホは「小さな財布」であり「資産の地図」

FPとしてお伝えしたいのは、親のスマホを「電話の契約」とだけ見ないことです。今のスマホは、家計や相続財産を確認する入口にもなります。

生前に確認しておきたいのは、次のような情報です。

  • サブスクやアプリ課金の有無
  • スマホ決済、電子マネー、ポイント残高の有無
  • ネット銀行、証券会社、保険会社などの取引先
  • 携帯料金やカード代金の支払い方法

ここで大切なのは、パスワードそのものを聞き出すことではありません。「どこに契約や口座があるのか」を家族が分かる状態にしておくことです。紙やエンディングノートに一覧で残してもらうだけでも、亡くなった後の確認負担はかなり軽くなります。

親に切り出すときは、「スマホの中を見せて」ではなく、「何かあったときに困らないよう、使っている銀行やカードだけ教えておいてほしい」と伝える方が現実的です。相手のプライバシーを守りながら、必要な情報だけ共有できます。

デジタル遺品は、特別な資産家だけの問題ではありません。月額数百円の課金やスマホ決済の残高、ネット口座など、日常の小さなお金が相続時に見落とされることがあります。

親のスマホについては、元気なうちに、使っている金融機関、カード、サブスク、スマホ決済の有無だけでも確認しておくことをおすすめします。

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