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父の死後、“2,500万円”で実家を売った50代娘→「数百万の税金を支払う」つもりが…支払いが“500万→0円”になった思わぬ制度

  • 2026.6.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

一人暮らしの親が亡くなり実家を相続した場合、多くの人が「売却」という選択肢を取るでしょう。

通常、不動産を売却して得た利益には「譲渡所得税」がかかりますが、空き家相続については税負担が軽減される特例があります。

今回は、空き家相続により譲渡所得を得たものの、特例により税金の支払いを免れた女性の事例について紹介します。

実家を売却して2,500万円の譲渡所得を得ることになった女性

50代の女性・Aさん(仮名)は、一人暮らしの父が亡くなり実家を相続しました。Aさんは一人っ子で、相続人はAさん1人でした。

Aさんは結婚してマイホームで暮らしていたため、思い入れのある実家でしたが、売却を検討することに。売却した場合、譲渡所得は約2,500万円という試算でした。

不動産の売却益として2,500万円を得た場合、通常は不動産の所有期間に応じて税金がかかります。相続時は亡くなった人の所有期間を引き継ぐため、Aさんのケースは「長期譲渡所得(5年超)」にあたり、税額は約500万円に。

「大切な実家を売ったけど、手元に残るお金が減ってしまうのは仕方がないわね」

Aさんは売却した翌年の確定申告により、数百万円の税金を支払う心づもりでいました。

「空き家特例」で約500万円の税金が0円に!

その後、Aさんは「空き家特例」なる制度を知ります。

空き家特例とは、亡くなった人が暮らしていた空き家を相続・売却した際、いくつかの要件を満たすことで譲渡所得から最大3,000万円を控除できるというものです。

ただし、2024年1月1日以後の売却については、相続人が3人以上いる場合は控除上限が2,000万円に縮小されます。また、実家の売却価格(譲渡価額)の総額が1億円以下であることも必須条件となります。

Aさんは制度の要件を満たしていたため確定申告時に必要書類を提出し、特例の適用により2,500万円の譲渡所得はゼロに。

制度を知って正しく対応したことで、約500万円の税負担が「0円」となったのです。

「空き家特例」が適用される要件とは

空き家特例の適用には、細かく要件が定められています。

具体的な要件の例は、以下のとおりです。

  • 被相続人(亡くなった人)が一人で住んでいたこと
  • 昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
  • 相続または遺贈により取得した空き家であること
  • 相続から譲渡までの間も空き家であったこと
  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
  • 譲渡時に一定の耐震基準を満たすこと(または2024年1月1日以後の譲渡について、譲渡のときからその譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に一定の耐震基準を満たすこと)
  • 譲渡価格が1億円以下であること
  • 配偶者・直系血族・生計を一にする親族など、特別の関係がある者への売却でないこと

たとえば相続から売却までの間に一時的にでも空き家に住んで生活した場合、特例を受けられなくなる可能性があります。

このほかにも複数の要件で厳しく判定されるため、慎重な対応・判断が求められます。

「空き家特例」の適用は2027年12月31日まで

空き家特例による最大3,000万円の控除は、2016年4月1日〜2027年12月31日の売却が対象です。

うまく制度を活用できれば、Aさんのように数百万円の税負担がゼロになる可能性も。

ただし、特例を受けられるかどうかは、相続から売却までの対応によっても左右されます。

本来受けられるはずの控除を逃すことがないよう、相続した空き家の売却を検討する際は、早めの段階で専門家に相談するのが賢明です。


参考:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)

監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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