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3,680万で中古マンションを購入→『駅徒歩6分だしすぐ売れる』はずが…22年後、60代夫婦を直撃した“430万”の大誤算

  • 2026.6.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

「駅近マンションだから、いざとなれば売れる」と考える人は少なくありません。しかし、マンションの価値は立地だけでは決まりません。築年数、管理費や修繕積立金、管理組合の状況、滞納の有無も買い手に見られます。今回は、老後の住み替えで資金計画が崩れた事例をもとに解説します。

「駅近だから売れる」は、老後資金計画では危ない

今回の事例のAさん夫婦は60代後半。22年前に、駅徒歩6分の中古マンションを3,680万円で購入しました。ローンは完済済みで、「売れば老後資金に1,800万円くらい加えられる」と考えていました。

年金収入は月約24万5,000円、預貯金は約760万円。夫が70歳を過ぎて足腰に不安が出たため、サービス付き高齢者向け住宅への住み替えを検討します。

入居時費用は約240万円、毎月の住居費と生活支援費は約27万円。年金だけでは月2万5,000円ほど不足しますが、マンションを売れば補えるはずでした。

ところが、不動産会社の査定額は1,620万円。想定より低かったものの、夫婦は「駅近だから早く売れる」と考え、準備を進めます。

しかし、販売開始後も内覧は月1件あるかないか。半年を過ぎても申し込みは入りませんでした。

理由は、築39年の古さだけではありません。管理費が月2万1,500円、修繕積立金が月3万1,800円、合計月5万3,300円かかる点が買い手に重く見られたそうです。

さらに、80戸ほどある管理組合全体で、管理費・修繕積立金の滞納が合計約390万円あることも判明。Aさん夫婦自身は滞納していませんでしたが、「将来の修繕費は足りるのか」と不安視されました。

売出価格は査定額と同じ1,620万円で始めたものの、その後1,380万円、さらに1,190万円まで下げることに。当初査定より430万円低い金額です。

それでも売却までに1年2か月かかり、その間も管理費・修繕積立金だけで約74万6,000円を支払い続けました。固定資産税や火災保険料のほか、売却活動中の細かな維持費もかかります。

夫婦は「売れば老後資金になるはずが、売れない間にお金が減っていく」と焦ることになりました。

管理組合の滞納は「自分は払っているから大丈夫」ではない

マンションは、自分の部屋だけで価値が決まるわけではありません。建物全体の管理状況も、売却時に大きく見られます。

管理費や修繕積立金に滞納が多いと、買い手は管理組合の資金繰りを不安に感じます。修繕積立金が不足すれば、将来、一時金の徴収や値上げにつながる可能性もあります。

特に築30年、40年を超えるマンションでは、外壁、屋上防水、給排水管、エレベーターなど、大きな修繕が必要になりやすくなります。買い手は購入価格だけでなく、購入後の毎月負担や追加負担も見ています。

今回の注意点は、次の3つです。

  • 駅近でも、築年数と管理状況によって売却が長引くことがある
  • 管理費や修繕積立金が高いと、買い手の負担感が強くなる
  • 売却が遅れるほど、老後資金がじわじわ減っていく

老後の住み替えでは、売却代金が入る前に次の住まいの費用が発生することがあります。その間も、今のマンションの管理費や税金は残ります。売却前に住み替え費用が発生すると、売れない期間が長引くほど預貯金は削られやすくなります。

マンションは「資産」でもあり「固定費を生むもの」でもある

マンションを老後資金として考えるなら、「売ればお金になる資産」とだけ見ないことが大切です。売れるまでの間は、管理費、修繕積立金、固定資産税、火災保険料を払い続ける必要があります。

査定額も、そのまま信じすぎないほうがよいでしょう。査定額が1,600万円台でも、管理状況や買い手の反応によっては、実際の成約価格が1,200万円前後まで下がることもあります。売却まで1年以上かかれば、その間の維持費も差し引いて考える必要があります。

確認してほしいポイントとしては、次のような点です。

  • 管理費、修繕積立金の月額と値上げ予定
  • 管理組合全体の滞納状況
  • 修繕積立金の残高
  • 大規模修繕の履歴と今後の予定
  • 売却代金が想定より2〜3割下がっても生活できるか
  • 売却が1年遅れても次の住まいの費用を払えるか

危ないのは、「駅近だから大丈夫」「ローンがないから安心」と考えてしまうことです。買い手が見るのは、今そのマンションを買って大丈夫かどうかです。

老後の住み替えを考えるなら、元気なうちに管理状況と売却可能額を確認しておくべきです。「いくらで売れるか」だけでなく、「何か月売れなければ家計が苦しくなるか」まで見ておくことが、住み替え後の生活を崩さないために欠かせません。

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