1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. “退職金2,000万”を受け取った60代男性→「税金のことは会社がやってくれる」と思いきや…振り込み額を見て“青ざめたワケ”

“退職金2,000万”を受け取った60代男性→「税金のことは会社がやってくれる」と思いきや…振り込み額を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.6.27
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、定年退職で退職金を受け取った60代Aさんの体験談です。「退職金の税金は会社が計算してくれる」と思い込み、ある書類を出さなかったために、退職金から2割もの所得税が引かれてしまった経緯をご紹介します。

「退職金の税金は、会社がやってくれる」と思っていた

Aさんは60代の男性。長年勤めた会社を定年退職し、退職金2,000万円を受け取りました。

退職時にはいくつもの書類が渡されましたが、Aさんは「税金のことは会社が正しく計算してくれる」と考え、内容をよく確かめないまま手続きを済ませたといいます。

「書類は言われるまま書いて出した、という感覚でした」

退職金から、2割が引かれていた

後日、振り込まれた退職金の額を見て、Aさんは想像より少ないことに気づきます。

調べてみると、退職金の額面から一律20.42%の所得税などが差し引かれていました。本来なら、退職金には大きな控除があってほとんど税金はかからないはずだったのにです。

「なぜこんなに引かれているのか、最初は分かりませんでした」

Aさんは慌てて会社に確認したといいます。

「退職所得の受給に関する申告書」を出していなかった

原因は、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出していなかったことでした。

この申告書を出していれば、勤続年数に応じた退職所得控除(20年までは1年あたり40万円、20年を超える分は1年あたり70万円)が使え、さらに残った額の2分の1だけが課税対象になります。多くの場合、これで税金はぐっと軽くなります。退職金以外に給与所得や事業所得がある場合は、別途確定申告が必要になることもあります。

ところが未提出だと、こうした控除が使えず、額面に一律20.42%がかかってしまうのです。幸いAさんはあとから確定申告をすることで、払いすぎた分を取り戻すことができました。還付申告は退職金を受け取った年の翌年から5年以内であれば手続きが可能です。

退職時に渡される書類は、中身を確かめる

退職時に渡される書類のなかでも、「退職所得の受給に関する申告書」は税金の計算に関わる重要な書類です。

この申告書を提出すると退職所得控除などが適用され、退職金の支払い時に適切な税額で精算されます。万が一提出を忘れた場合でも、確定申告を行うことで納めすぎた税金が還付されます。

大切な退職金を無駄なく受け取るためにも、退職時の書類は内容をよく確認して手続きを進めましょう。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

の記事をもっとみる