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夫が心疾患で病死。「遺族年金が受け取れる」と思いきや…→銀行窓口で告げられた想定外の事実に、50代妻が“青ざめたワケ”

  • 2026.6.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「夫が亡くなったのだから、遺族年金が受け取れるはず」そう思っていたら、思わぬ条件の壁と制度改正の波に直面してしまった──そんな話を窓口でお聞きしました。共働き世帯が増えている今だからこそ知っておきたい、遺族厚生年金の受給条件についてご紹介します。

「遺族年金って、いくらくらいもらえるんでしょうか」

夫婦共働きで働いてきた53歳のAさん。ある日突然、夫が心疾患で急逝しました。子どもはおらず、二人で支え合って生活してきただけに、Aさんの悲しみは計り知れないものでした。

葬儀や各種手続きを終えたAさんは、今後の生活のことが心配になり、自身の資産状況を確認しようと銀行の窓口を訪れました。
担当者と預金残高や今後の生活費について話し合う中で、Aさんがふと尋ねました。

「遺族年金って、いくらくらいもらえるんでしょうか。これからひとりで生活していかなければならないので、少しでも収入の足しになればと思って」

担当者は遺族厚生年金の概要を説明しながら、Aさんに確認しました。

「年収860万円…遺族年金がもらえないんですか?」

「Aさんの昨年の年収を確認させていただいてもよいですか?」と担当者。

「はい、860万円ほどです」とAさん。

「実は、遺族厚生年金には所得制限があります。詳しくは年金事務所にご相談いただくことをおすすめしますが、前年の年収が850万円以上の場合は生計維持要件を満たさないため、遺族厚生年金を受給できません。」

「えっ…860万円だと、10万円オーバーしているだけなのに、もらえないんですか?」とAさん。「夫も長年厚生年金を払い続けてきたのに…」と言葉を詰まらせていました。

さらに担当者から続けて告げられた言葉に、Aさんは二重のショックを受けることになりました。

「子どものいない世帯への遺族厚生年金は『5年間の有期給付』へと変わっていく予定です」
「仮にAさんの年収が850万円未満だった場合、現行制度では一生涯受け取れる仕組みでした。しかし現在、年金制度の法改正が進められており、今後は『60歳未満で死別した配偶者は、男女問わず原則5年間の有期給付』に統一される見通しです。詳しくは年金事務所でのご確認が必要ですが、これからの時代は妻であってもずっと受け取れるわけではなくなるんです」

「えっ、仮にもらえたとしても5年間だけになっていくんですか…?」とAさん。「ずっと受け取れるものだと思っていました」と驚きを隠せませんでした。

Aさんは現在53歳。自分自身の老齢年金を受け取れるのは早くても60歳(繰上げ受給の場合)、原則は65歳からです。仮に遺族厚生年金が支給されたとしても将来の制度下では5年間で終了し、その後は自分の年金受取開始まで収入の空白期間が生じる可能性があったのです。

「夫の死後、これほど厳しい現実が待っているとは思っていなかった」とAさん。「もっと早くこういった制度のことを知っておくべきだった」と肩を落としていました。

遺族年金の受給条件は、生前に確認しておくことが大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
遺族厚生年金の受給を想定している方は、以下の点を確認しておくことをおすすめします。

  • 現行制度では、子どものいない「30歳未満」の妻への遺族厚生年金は5年間の有期給付となっている
  • なお2025年の法改正により、2028年4月以降は配偶者の男女差が解消され、60歳未満で死別した場合は原則5年間の有期給付に統一される予定(女性は20年かけて段階的に移行)
  • 自分の老齢年金受取開始(原則65歳)までの収入計画を事前に考えておくことが重要
  • 共働き世帯ほど遺族年金に頼れないケースが多いため、生命保険などで万が一の備えをしておくことをおすすめする
  • ねんきんネット(日本年金機構)で自分の年金見込み額を確認し、万が一の際の収支を把握しておく
  • 遺族年金の受給条件や手続きの詳細については、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめする

「うちは共働きだから大丈夫」ではなく、むしろ共働き世帯こそ遺族年金の受給条件を事前に確認しておくことが大切です。万が一の備えについてご不明な点があれば、ぜひ年金事務所や窓口へお気軽にご相談ください。


参考:
遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)(日本年金機構)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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