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父の死後、実家を売った60代女性→“1,345万”で売却が成立するが…税理士から告げられた事実に“青ざめたワケ”

  • 2026.6.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「相続した実家を売ったら、そのお金が全部手に入る」そう思っていたら、思わぬ税金が発生してしまった──そんな話を窓口でお聞きしました。

しかも売却前に専門家に相談していれば特別控除が使えた可能性があったと知り、二重のショックを受けた60代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「実家を売ったお金で老後の足しにしようと思っていたのに…」

父が45年前に350万円で購入した実家を相続したAさん。

父が亡くなった後、誰も住む予定がなく空き家になっていたものの、父が一生懸命働いて手に入れた家、自分が幼い頃から慣れ親しんだ大切な場所をすぐに手放すことがどうしてもできませんでした。賃貸に出す方法も考えましたが、築年数が古く管理も難しいと判断。思い出の詰まった家との別れに悩み続けた末、相続から約3年後にようやく売却を決断しました。

不動産会社に依頼して売却活動を進め、1,345万円で売却が成立。「350万円で買った家が1,345万円で売れた。老後の資金にできる」と喜んでいたAさん。

しかし確定申告の時期になり、複雑な計算が必要だと感じたAさんは初めて税理士に相談しました。そこで告げられた言葉に、Aさんは思わず固まってしまいました。

「売却益に対して、譲渡所得税が約194万円かかります」

「売っただけなのに、税金がかかるんですか?」

「えっ、売ったお金に税金がかかるんですか?」とAさん。「相続した家を売るだけなのに、税金がかかるとは思っていませんでした」と驚きを隠せませんでした。

不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して税金がかかります。今回のケースでは、売却額1,345万円から(建物の減価償却費を考慮した)取得費350万円と譲渡費用約40万円を差し引いた955万円が譲渡所得となり、所有期間が5年を超える長期譲渡所得として税率20.315%が適用され、約194万円の税金が発生しました。

「父が安く買った家だから、こんなに税金がかかってしまったんですね…」とAさんは肩を落としていました。

「売却前に相談してくれていれば、非課税になっていたかもしれません」

さらに追い打ちをかけるように、税理士からもう一つの衝撃的な言葉が続きました。

「実は、相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば『空き家の3,000万円特別控除』が使える場合があります。売却前にご相談いただいていれば、この控除を活用できた可能性がありました」

「えっ、そんな控除があったんですか…!」とAさん。この控除を適用できていれば、今回の譲渡所得955万円は全額控除され、約194万円の税金がかからなかった可能性があったのです。

空き家の3,000万円特別控除の主な適用条件は以下の通りです。

・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること
・耐震基準を満たして売却するか、家屋を取り壊して更地にして売却すること(※2024年1月1日以降の売却であれば、売却後に買主が耐震改修や取り壊しを行う場合も適用可能)
・相続開始から3年後の年末までに売却すること
・売却価格が1億円以下であること
・相続後に居住・賃貸・事業の用に供していないこと

Aさんの場合、相続から約3年後の売却であったため、売却前に相談して家屋を取り壊すなどの対応をとっていれば、条件を満たせた可能性がありました。

「売却前に一度、税理士に相談していれば…」とAさん。「まさかこんな控除があるとは知らなかった」と深く後悔していました。

相続した不動産を売却する前に、必ず専門家に相談を

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
相続した不動産の売却を検討している方は、以下の点を事前に確認しておくことをおすすめします。


・相続した不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかる
・昔安く購入した不動産ほど売却時の利益(譲渡所得)が大きくなり、税負担が重くなりやすい
・相続した空き家を一定条件のもとで売却する場合、「空き家の3,000万円特別控除」が適用できる場合がある
・この特別控除は相続開始から3年後の年末までに売却することが条件のため、期限内に売却・申告の手続きを進めることが重要
・適用には耐震基準への適合または更地での売却など複数の要件があるため、売却前に必ず税理士などの専門家に相談しておく

「売ったお金が全部手に入る」と思い込まずに、売却前に必ず専門家に相談することが大切です。相続した不動産の売却についてお悩みの方は、ぜひ早めにご相談ください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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