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父の死後、相続の手続きを進めていると→見覚えのない“1通の郵便”が届き…開封後、50代女性が青ざめたワケ【元銀行員は見た】

  • 2026.6.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「親が亡くなったら、まず何をすればいいのかわからない」という声を窓口でよくお聞きします。葬儀や各種手続きに追われる中で、相続のことまで頭が回らないのは当然のことです。

しかし、相続には「知らなかった」では済まされない期限があります。今回は、父親の死後に借金が発覚し、期限ギリギリで相続放棄を乗り越えた50代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「まさか父に借金があったなんて…」

父が亡くなり、四十九日も過ぎた頃のこと。

Aさんは兄弟と協力しながら、少しずつ相続の手続きを進めていました。預金や不動産の確認を進める中で、ある日突然、見覚えのない消費者金融からの郵便物が届きます。

開封してみると、父名義の借入残高325万円の請求書でした。

「父がこんな借金をしていたなんて、全く知らなかった」とAさん。家族に内緒で借り入れをしていたようで、その額は325万円にのぼっていました。

このまま相続手続きを進めれば、プラスの財産だけでなく、この借金も相続することになります。Aさんは急いで対応策を調べ始めました。

「3か月以内」という見えない壁

調べていくうちに、Aさんは「相続放棄」という手続きがあることを知ります。相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産(借金)も含めて、一切の相続を放棄する手続きです。

しかし、相続放棄には厳しい期限がありました。相続放棄は、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申請しなければなりません。

Aさんが借金の存在を知ったのは、父が亡くなってからすでに2か月近くが経過したタイミング。残された時間はわずか1か月ほどしかありませんでした。

さらに困ったことに、相続放棄の手続きには戸籍謄本など複数の書類が必要です。
なお、配偶者(母)は常に相続人となるため、子どもと同様に相続放棄の手続きが必要です。母も含めた全員分の手続きを同時進行で進める必要があり、書類集めや申請の手配はAさんが中心となって動きました。

「やっと取れた平日に役所へ行き、戸籍謄本を取得。郵送で取り寄せられるものはすべて郵送で対応しながら、一つひとつこなしていきました」とAさん。

子どもが相続放棄をすると、次は故人の親(第二順位)へ、親もいない場合は故人の兄弟姉妹(第三順位)へと相続権が移っていきます。今回のケースでは祖父母はすでに他界していたため、Aさんたちが放棄すると次は父の兄弟姉妹(叔父・叔母)へ相続権が移ることになりました。

慣れない手続きに戸惑う叔父・叔母のために、戸籍謄本の取得など、できる範囲でサポートしながら進めました。期限ギリギリではありましたが、なんとか自分たちの相続放棄の申請を家庭裁判所に提出することができました。

「あの時すぐに動き始めていなかったら、325万円の借金を引き受けることになっていた」とAさんは振り返ります。

相続が発生したら、まず「全体像の把握」を

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。

相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3か月以内」です。この期限は思っている以上に短く、葬儀や各種手続きに追われているとあっという間に過ぎてしまいます。

相続が発生したら、まず以下の点を早めに確認することをおすすめします。

  • 故人にどのような財産(プラス・マイナス両方)があるか全体像を把握する
  • 消費者金融やカードローンなど、見覚えのない郵便物がないか確認する
  • 相続放棄を検討する場合は、3か月以内に家庭裁判所へ申請する
  • 配偶者も含めた全相続人が手続きを行う必要があることを忘れずに
  • 自分たちが放棄した場合、次の順位の相続人(親や兄弟姉妹)へ相続権が移ることも念頭に置いておく

また、相続放棄の手続きには戸籍謄本など複数の書類が必要で、平日にしか対応できない手続きも多くあります。仕事を持つ家族が多い場合は、動ける人が率先して進めることが大切です。

「知らなかった」では済まされない相続の落とし穴。早めの行動が、家族を守ることにつながります。不安を感じる方は、司法書士や弁護士などの専門家への相談も検討してみてください。


執筆・監修:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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